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2016年09月30日 メールマガジン ロゴデザイン 所感 【第350回】奈良県「国民文化祭」のロゴ540万円は高いのか?

2016年12月09日掲載開始

こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
9月も今日で最後です。
明日からは10月。
本格的に秋に入りますね。
そして毎年言ってますが、
10月に入ったらもう1週間後には年末、
と感じるくらい、
ここから年が明けるまでは早い感覚です。
2016年がどう締まるかで
2017年が決まると思っています。
そして2016年がどう締まるかは
この10月からで決まります。
しっかりと
日々を過ごしていきたいものですね。
さて、
先日は
「テレビ朝日 お願いランキング」
に出演したときのお話をしました。
その中で
メディアに出演する効果についても
お話させていただいたのですが、
1点漏れていることがありました。
その漏れていた
メディアに出演する効果とは、
・他のメディアからの引き合いが来る
という点です。
私は比較的目立ちたがり屋な面もあり
テレビに出ることはなんとも思わないのですが、
そんな自分だから意外と気づかなかったことは、
・テレビに出たくない人のほうが多い
ということです。
そしてこれは
テレビ局や制作会社ほど肌で感じています。
ということは、
テレビに出るとそれを見た他の局や制作会社が
「この人なら出てくれるかも!」
となり、
連絡をしてくる可能性があるわけです。
実際、
お願いランキングと同時期に来たオファーは、
「姿勢と呼吸で痩せるダイエットを
 2週間実践してほしい」
という、
およそロゴとは関係ない内容でした
(「所さんの目がテン!」という番組)。
ここでも
「出てもいいかな」と思ったのですが、
自宅にも密着して2週間取材ということで、
ヨメがNGを出しました。。。
なんでそんなオファーを出したのか、
聞いて見たところやはり
「他の番組に何度か出演していたから
 協力していただきやすいかと思った」
というものでした。
なので、
この「メディア出演の連鎖」は
バカになりません。
さて今日のお話ですが、
そんなメディア出演の連鎖がまたありました。
今少しテレビで騒がれている、
奈良県で今年開催される「国民文化祭」の
ロゴの価格の問題です。
この件でまた情報番組から
電話取材を2本ほど受けました。
で、
今日の本題はメディアの話ではなく
この「国民文化祭」のロゴ問題の
話をしたいと思います。
まずは、
どんな問題だったかをおさらいします。
毎年行われている
「国民文化祭」をご存知でしょうか?
ウィキペディアによると
「文化の国体」と言われるイベントで、
1977年にはじまってから
毎年開催地を変えて行われています。
学校行事に例えるなら、
国民体育大会(国体)が運動会、
国民文化祭が文化祭、と考えると
少しわかりやすいかもしれませんね。
で、
2017年に奈良県で開催される
国民文化祭のシンボルとなる
ロゴマークの価格が問題視されています。
価格は540万円。
つくったのは「くまモン」をデザインした
水野学さんというデザイナーです。
で、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
540万円の制作費が不当に高すぎるとして
県内の市民団体「見張り番・生駒」メンバーらが
9月16日、奈良県に対して住民訴訟を
奈良地裁で起こした。
「30万円程度が適切」だとして、
差額の510万円を損害額と主張。
奈良県に対し、同祭実行委会長の
荒井正吾知事に請求することなどを訴えている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ハフィントンポストより引用)
という事案が発生したわけです。
平たく言えば、
「税金使ってなにやっとんじゃい」
ということを言っているわけですね。
●540万円は高いのか?
まず、
今回の「国民文化祭」のロゴ云々の前に、
そもそも
ロゴ作成で540万円が高いのか、
という点についてお話をします。
ひとつ目は
クオリティという切り口から考えます。
で、
水野さんのロゴのクオリティが
高いか低いかの判断はしません。
ただ、
生意気言わせていただくと、
ビズアップでもつくる自信は
めちゃめちゃあります。
そう考えると、
ビズアップのロゴ作成料金が
そこまで高くないだけに、
成果物だけ見るとたしかに
金額が高い印象がありますね。
でも、
ロゴの価格はこれだけでは決まりません。
たとえば、
ひとつのロゴに決定するまでに
100案、200案というデザイン案を
デザイナーが出していたらどうでしょう?
また、
何百人、何千人に「印象調査」を
行っていたならばどうでしょう?
先ほど、国民文化祭のロゴは
「このクオリティならうちでつくる自信もある」
と前述しましたが、
水野さんがつくった候補案
(何案つくったのか知りませんし
1案かもしれませんが)の中には
もっとクオリティの高いロゴも
あったかもしれません。
でも多くの人の印象調査を経て、
数百の案の中から今回のロゴに決まっている
可能性だってあるわけです。
さらに、
東京オリンピックのロゴの問題のときにも
騒がれた「パクリ疑惑」。
そういう意味では
金額の中に商標の調査の費用が
含まれているかもしれない。
さらにさらに、
今回デザイナー側(水野さん)は
「著作権の譲渡」もしている。
こう考えると、
今回作成したデザイナーが
著名人かどうかは置いておいても、
540万は
決して高いわけではありません。
つまり、
ロゴの価格はできあがったデザインだけでは
判断はできない、プロセスも重要、ということです。
ちなみに、
アクセンチュアというコンサル会社のロゴは
1億ドル(今だとおよそ100億円)と
言われています。
こちらの左上
→ http://bit.ly/2cFy1jk
なぜこんなにするかというと、
世界的なコンサルティング会社のため
世界中の商標に引っかからないかの
調査料も含まれている、と言われています。
我々は
「デザインのトヨタ自動車」を目指しています。
だから、
多くの人の手に届く価格設定をしています。
その価格設定は
闇雲につけているわけではなく、
ビズアップのお客さまにとって、
どのプロセスは省いたほうが喜ばれるか、
どういうプロセスの組み方をすれば
喜んでもらえるかを考えてつくられています。
低コストで提供できるように、
徹底的にマーケティングをしかけて
営業コストを削減しています。
今回のロゴが
数百案の候補があったのか、
印象調査をしたのか、
パクリと言われないための調査をしたのか、
それはわかりません。
しかし、
もし上記のようなことをしろと言われれば、
当たり前ですが我々もとてもではないですが
今の価格ではロゴをつくることはできません。
というわけで、
水野さんがつくったロゴだけを見て
540万円が高いかどうかの判断はできないし、
してはいけないということです。
ちなみに個人的な感覚ですが、
540万円は大手広告代理店に頼むよりは
はるかに良心的な価格です。
●問題を切り分けて考えなくてはいけない
テレビやネットを見ていると、
今回の問題は色んな人が白熱して
意見を言っています。
市民団体と同様に
「高すぎる!」「不当だ!」と
訴える人もたくさんいますし、
テレビなどでは
テリー伊藤さんをはじめとした
多くの有名人、コメンテーターが
市民団体の行動(訴訟を起こした)を
批判しています。
で、
気をつけなければならないことがあります。
テレビに出ている人も含め、
「540万円は高くない!」と主張する人の大勢が、
「水野さんがつくったロゴが高いか安いか」
という論点で主張を展開している点です。
たとえば、
今回の市民団体に対して
「デザイナーをバカにしている!」
「クリエイターの価値を貶めている!」
と主張する人たちは
私個人としてはあまり本質に気づいていない
表面的な人だと思っています(同業者は
こういう人ばかりでうんざり)。
今回の問題は、
「1年しかやらない国民文化祭のロゴ作成に
 540万円を税金から投入するのは
 正しい行動なのか(だったのか)」
です。
問題を正確に設定しなければ
正しい答えなんて出てくるわけありません。
なのに、
前述のとおり、
「高い!」という人は
おそらくデザインやクリエイティブの価値を
きちんと考えようとしていないし、
「高くない!ふざけんな!」
という人たちは水野さんをとおして
自分たちがバカにされたと思っている。
そうじゃないのに。
まず、
「水野さんがつくったロゴが高いか安いか」
を決めるのは
市民団体でもなければ
「高くない!ふざけんな!」と
言っている人たちでもありません。
水野さんご自身です。
540万円がイヤなら買わなければいい。
高級レストランで
ひとり5万円のディナーを食べて、
「チェーン店や他の飲食店は
 1食800円で提供できるのになんで
 5万円も取るんだ!800円にしろ!」
と主張しているのと変わりません。
1本10万円のワインを
コンビニで買えるワインと同じ価格で売れと
言っているのと同じだということに気づくべきです。
ちなみにこれに関しては
ピカソの逸話がとてもわかりやすいです。
ピカソのファンだという人が
街で偶然ピカソに出会ったときに
「ファンなんです。
 記念にこの紙に絵を描いてくれませんか?」
とお願いしたそうです。
ピカソは30秒ほどで絵を描いて言いました。
「この絵の価格は、100万ドルです」
ファンはおどろき言いました。
「でも絵を描くのに
 30秒しかかかっていませんよ!」
ピカソはつづけます。
「30年と30秒ですよ」
しびれます。
というわけで、
高いものを買うか、
高くないものを買うか、
は選べばいいだけです。
今回はその意思決定プロセスに問題があった。
だから市民団体に足元をすくわれた。
なので、
「高い派」も「高くない派」も
デザインが高いとか高くないとか
議論している限り本質は見えてきません。
●はっきり言って奈良県が悪い
もう一度言いますが、
今回の問題は
「ロゴに540万円が高いか高くないか、
 著名デザイナーだからといって高いのではないか」
ではありません。
「高い!」「不当だ!」と言っている人も
「高くない!」「クリエイターをバカにするな!」
と言っている人も、
何も見えていません。
正直、「残念な人たち」です
(あ、毒吐いてしまった)。
今回の問題は
「1年しかやらない国民文化祭のロゴ作成に
 540万円を税金から投入するのは
 果たして正しい行動なのか」
であり、
これはロゴをつくる前に
考えなければならないことです。
はっきり言って
「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
なので、
なんでこういう議論をせずに
物事を決定するのかということで、
本当に残念な人たちは
奈良県のお役人さんです。
・奈良県の国民文化祭はこういうふうにしよう
↓
・そのためにはこのくらいの予算でこんなことをしよう
↓
・そのためにはプロモーションの予算はこのくらいにしよう
↓
・そのためにはロゴの予算はこのくらいにしよう
↓
・この予算でもっとも効果の高いデザイナーに依頼しよう
というプロセスが果たしてあったのか。
あれば、
そしてそれが理にかなっていれば、
市民団体からの訴えなどどうとでもなります。
本当にセンスがない
(あ、また毒吐いてしまった)。
そういう意味では
奈良県知事がそのセンスのなさと
監督不行き届きで返金するというのは
ありかもしれませんね。
ただ、
もしそうだとしても
「水野さんのロゴに540万円の価値はない」
という意味の
返金ではないことに注意する必要があるし、
ましてや水野さんからお金を返してもらう、
なんていうことがあっては絶対にいけません。
金額を後出しで伝えて
540万円請求してきたわけではないし、
見積を出しているのにひっくり返されたら
それこそ不当な取引です。
では、
本当の問題である
「1年しかやらない国民文化祭のロゴ作成に
 540万円を税金から投入するのは
 果たして正しい行動なのか」
についてはどうなのか。
私の個人的な見解としては、
「水野さんのような
 著名なデザイナーを起用するならアリ」
です。
広告代理店などに頼んで
どこの誰がつくったかわからないロゴに
540万だったらあり得ません。
※ただしはじめに話した通り
540万円分の制作プロセスがあるならば別
それなら我々に頼んでもらったほうが
もっと安いコストでよっぽどいい仕事をします。
「水野さんのような
 著名なデザイナーを起用するならアリ」
の真意は、
水野さんの経歴(くまモンのデザイナー等)を
存分に活用させてもらい、プロモーションを
行うことを見越して、ということです。
できあがったロゴだけでなく
水野さんの経歴や、場合によっては
ご本人もプロモーションに使わせてもらう、
そうして
イベントが過去の国民文化祭よりも
成功するのであれば(させられるのであれば)、
540万円なんて安いものです。
奈良県も、
市民団体や奈良県を批判している人も、
そしてその人たちを批判している人も
(主にクリエイティブ業界の人)、
正直、
もう少し頭を使ってほしい
(毒吐き3回目)。
そして最後に特大の毒を吐きます。
ハフィントンポストの取材によると、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
市民団体の代表幹事を務める阪口保県議は、
ハフポスト日本版の取材に対して
「過去のロゴマークでも、荒井知事は自分の知り合いに
仕事を発注しているという疑惑があった。
県は『くまモン』の発注額を
引き合いに適切だと言っているが、
今回のロゴは単なる絵ですもんね。全然性格が違う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だそうです。
メディアなので
このとおり受け取っていいのかはわかりません。
お願いランキングはじめ
いろいろ出ていますのでわかります。
しかし、
もしこれを本当にそのまま言ったとしたら、
私個人としてはこの阪口さんという県議員は
信用しませんし、はっきり言って大嫌いです。
荒井知事の悪事?はいったん置いておいて、
「今回のロゴは単なる絵ですもんね。」
というセリフは、
自分たちの仕事をバカにされた
ということを差し引いても、
言ってはいけない言葉だと思います。
相手のしている仕事に対して
なんのリスペクトもない人間のセリフです。
これを聞いた
デザインに携わる仕事をしている人間たちが
どう感じるかという想像力を
持ち合わせていない人が議員をやっているなんて。
同じことをぜひ他の職業の人にも
言ってもらいたいものです。
「寿司なんて握ったメシの上に
刺し身を乗せただけ」だと言ってほしいし、
ねじを製造しているメーカーさんには
「ただ鉄を削っただけの部品」だと言ってほしい。
こだわったフルーツをつくっている人には
「単なる農家」だと言ってほしいし、
真摯にお年寄りに対応している
デイサービスの人には
「ただお年寄りを預かっているだけ」
だと言ってほしい。
そうすれば
次の選挙で落ちること請け合いですね。
というわけで
珍しく政治家に対してのツッコミを入れましたが、
政治的思想云々ではなく公的な人間としての
在り方にツッコミを入れさせていただいております。
このメルマガで
政治的な思想の見解を述べるつもりは
今後もありませんのでご理解くださいませ。
今回はここまでです!
津久井
好評いただいてます。
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投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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