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2026年08月07日 メールマガジン 法則・ノウハウ 【第829回】時流を読む練習 ―次に来るお笑いのトレンドを予言!―

先日、大阪出張に行きました。金曜日に一泊し、土曜日に家族(ヨメとムスメ)を呼びまして。

ほら、いま夏休みでしょ。ムスメがなぜか「吉本新喜劇」が見たいと言いましてね。

で、普段は大阪に行くとだいたい梅田とか福島とかでご飯食べたり、ホテルもその近辺で取ることが多いんですが、今回はなんばグランド花月に行くのもあって、久しぶりにミナミでホテルを取って宿泊。

夜、道頓堀沿いを歩きましたが、すごい人でした。もはや、ミナミは「外人」と「ドラッグストア」に侵略されています(笑)。

いや、外人が多いのはわかっていたんですが、それでも予想以上。ただ、昨日大阪の人(心斎橋にオフィスがある)に聞いたら、ちょっと前まであの倍だったと。中国人があまり来なくなったから減ったほうだと。

なんか、カオスでしたわ。大きな何かが「ゴゴゴ・・・」と音を立てて蠢いているような。

なんかこんなイメージ(笑)

しかし、昔から大阪ってやっぱりすごいパワーがある場所だなと思ってはいました。

「西に向かって成功した人は歴史上いないが、東に向かって成功した人は大勢いる」みたいな話を聞いたことがあります。

たとえば、東京でそれなりにうまくいった企業が大阪に進出してうまくいくかというと、意外とそうでもない、みたいな。

でも、大阪でうまくいった企業は東京でもうまくいく確率が高い的な。

大学の授業で、「華僑に対抗できる日本人は冗談抜きで大阪人ではないか」という切り口のレポートを書いた同期がいて、先生に「面白い視点だ」とエラく褒められていたことを思い出します。

大学生の当時は大阪人の強さみたいなものをリアルに感じる機会はあまりありませんでしたが、社会人になってから大阪の人と触れ合う機会が増え、そのたびに「華僑に対抗できる日本人」を思い出します。

やっぱり度胸がある人が多い。ビズアップの社内を見てみても、やっぱり業績が良い社員は度胸がある。度胸はスキルじゃなくて能力ですね。

あと、心斎橋の商店街はなんであんなに「ドラッグストア」が多いのでしょう?もはや気持ち悪いわ。本当に侵略されている気分でした。30m置きにドラッグストアがあるし、ライバル店同士が隣同士とか当たり前。

なんでなのか、クロちゃん(claude)に聞いてみました。そうしたら、心斎橋の商店街はテナントの家賃が爆上がりしているのが一因だと。

つまり、それだけの家賃を払える業態がドラッグストアくらいしかなくなってきているんだそう。ドラッグストアは坪当たりの売上効率が高いんだそうですね。

さて、今日のお話。今日はちょっとエッセイっぽいかもです。

吉本新喜劇、生ではじめて観たんですけどね。めっちゃ面白かった。

ワタクシ、これから吉本新喜劇はかなり「跳ねる」と予想します。「いや、もうすでに人気やん」という声も聞こえそうですが、次世代のお笑いの中心に来ると予言します。

 

時代は3つを繰り返す

なんで吉本新喜劇が来るかの前に、お話したいことがあります。

時代って、3つを繰り返すと私は考えています。なぜか3つなんですよ。2でも4でも5でもない、3つ。

「3」はマジカルナンバーですからね。あの天才ニコラ・テスラも「宇宙の法則は3・6・9(3の倍数)で成り立っている」みたいなこと言ってましたし。じゃんけんも「3」、三国志も「3」。

このコラムでよく登場する、「モノの時代、デザインの時代、色の時代」。これも「3」。これは私の師匠である故伊吹卓先生が考案したものです。時代はこの3つを繰り返すと。

たとえば、「モノの時代」はそのスペック(機能)を持った商品自体が少なかったためつくれば売れました。

食べ物を腐らせずに保存する箱とか、洗濯板でゴシゴシしなくても洗える機械とか、離れていても映像がリアルタイムで見られる箱とか。つくれば売れた。

しかし、つくりすぎてしまい、飽和状態になります。ライバル企業も同じようなものをつくって売り出します。つまり供給過多です。

そこで、「他社との違いを出そう!」と、みんなが基本機能以上の付加価値をつけはじめました。

その主役は、主にデザインでした。ライバル企業の冷蔵庫よりもデザイン性が良い、とかね。

しかし、これも飽和してきます。そうすると今度は、「色」をたくさん用意しだします。カラー展開が開始されるわけです。場合によっては自分で好きな色を選べたり。

また、「色」はある意味でメタファーでもあると考えていて、私の解釈では「色」は「バリエーション」と考えるとわかりやすいです。バリエーションの代表格が「色」だと。

この時代の多くの人は「みんなと同じはイヤ、個性を出したい!でもみんなと違いすぎるのもイヤ」という感情を抱きます。

この一連の流れを振り返ってみましょう。

戦後の高度経済成長時代には、冷蔵庫やテレビ、洗濯機は「三種の神器」として飛ぶように売れましたが、飽和してきたタイミングで各社さまざまな付加価値をつけはじめました。

その後時代が流れると、先ほどお話したようにカラー展開が盛んになったり、自分で色を選べたりという時代になりました。とにかく、街も商品も文字通りカラフルな時代でした。

それらが3つの時代を終えるころ、「モノ」として現れたものの代表格が、「携帯電話」と「パソコン」でした。

これらがではじめたときは、デザインなどほとんどされていませんでした。パソコンなんて、みんな通り一遍のアイボリーの真四角な箱でした。

これらがデザインの時代に突入したキッカケになったのが、復帰後のスティーブ・ジョブズの最初の仕事だった、iMacです。パソコンの概念を変えたと言ってもいいかもしれません。

携帯電話も二つ折りがでたり、デザイナーズモノが出たりしはじめました。

その後また色の時代となり、さまざまなバリエーションを生み出しました。ちょっと古いですが、PANTONE携帯とか。プレイステーション・ポータブルも多色展開していました。

また、ギャルたちがこぞってスマホをデコレーションするのも「みんなと同じはイヤ、個性を出したい、けど違いすぎるのもイヤ」の代表例のようなものです。デコレーションはオリジナルだけどiPhoneじゃなきゃイヤ、みたいな。

このあとまたモノの時代に戻ります。というか、戻っているかもしれません。もしかしたらIoTなんかが、次の「モノの時代」の代表かもしれません。

 

他にもある「3つの時代」

師匠の伊吹先生は、こんなこともおっしゃっていました。

  • 親苦労する、子楽する、孫貧乏する

これも3の繰り返しです。

私の祖父たちの時代から考えてみると、たしかに見事に符合します。

祖父たちの時代は戦争があり、多くの人が亡くなり、食べるものもろくにない時代でした。とてつもない苦労があったと思います。

だから、昔の人はやっぱり肝が据わっていたし、小さなことでクヨクヨしない気概みたいなものがありましたよね。

これが、その子どもたち、つまり私の両親たちの時代になると、様相が一変します。

戦後の苦労はたしかにあったでしょう。しかし、それを補って余りある「高度経済成長」の時代に突入します。バブルもありました。

何もしなくても給料は上がるし、「財テク」という言葉に代表されるように、お金がお金を生む時代。定期預金の金利が8%とかあった時代。

8%って、1000万預けたら毎年80万増えますからね。1億円預けたら年収800万と同等。

とにかく、ちょっとがんばれば、目に見えて自分の生活が良くなる時代でした。つまり「子楽する」の時代。

そして今、我々の時代はどうですか?「失われた30年」と言われ、給料は上がらないどころか可処分所得は減っている。まさに「孫貧乏する」の時代です。

さらに奇妙なのが、世界の動きです。第二次世界大戦の前後を経験したわけではないですが、テレビでタモリさんが「新しい戦前」と言ったように、またあの時代に戻りそうな気配がありませんか?

ちなみに、江戸の川柳でこんなのがあるそうです。

  • 売り家と 唐様で書く 三代目

どういう意味かというと、

初代が築いた身代(しんだい:一家の財産・家の資産のこと)を三代目が潰し、「売り家」の札を唐様(当時の洒落た書体)でスラスラ書くことから、商売は潰したが字だけは上手い、という皮肉。

なんだそう。会社は潰したが、ロゴタイプのセンスは良かった的な?(笑)。これも「親苦労する、子楽する、孫貧乏する」ですね。

アメリカのことわざには、

  • Shirtsleeves to shirtsleeves in three generations(作業着から作業着まで三代)

というものがあるそうです。これも「親苦労する・・・」にまあまあ近い意味合いで、

初代はシャツの袖をまくって汗水たらして働き、財を築く。二代目はその財産で上着(スーツ)を着る身分になり、豊かに暮らす。三代目は働き方を知らずに財を食い潰し、再びシャツ一枚で働く暮らしに戻る。

ということらしいですね。

他にも、14世紀イスラムの歴史家が『歴史序説』で、王朝は約三世代で滅ぶと論じているんだそう(クロちゃん調べ)。そう考えると、徳川家康、超やべー。

とにかく時代は3つで繰り返されるというのは、洋の東西を問わず、よく観察されているわけです。

マジカルナンバー「3」ということでいえば、日本には「仏の顔も三度」「三度目の正直」「石の上にも三年」「三つ子の魂百まで」「三種の神器」「三方良し」など、「3」を使ったさまざまな言葉があります。

ビズアップの「ロゴ無料提案」も3案提案です(笑)。

 

なぜこれから「吉本新喜劇」なのか?

「吉本新喜劇」と断定するのはちょっと違うんですけどね、でも「あの形式」のお笑いが流行ると思っています。

お笑いの世界にも、実は「3つの時代」があるというのが私の考えです。

  • ズッコケまたは型の笑いの時代
  • 悪ふざけの時代
  • シュールの時代

「ズッコケまたは型の笑いの時代」に代表されるのは、「ザ・ドリフターズ」でした。もっといえば志村けん。

このころの笑いは、ある種の型がありました。「くるぞくるぞ・・・来た!」みたいな感じ。そして、リアクションのほとんどがズッコケか叩かれるか。

ギャグ漫画でも、主人公のオチに対し、ほとんど登場人物がズッコケている、そんな時代でした。

これらの笑いはテレビで披露されるわけですが、テレビが普及する前の「舞台の笑い」がそのままブラウン管を通して放送された感じ。

テレビを見るときは、ほとんど家族揃って茶の間のテレビで。そのため、家族全員が笑える笑いが求められました。

そして、この笑いにも少しずつ「飽き」が現れます。そんなときに出てきたのが、ビートたけしやとんねるず。彼らの笑いは悪ふざけでした。

私なんかはこのころが青春真っ只中でしたから、この笑いが大好きでしたね。ちょうど小学生の時にドリフを見て、その後中学生くらいで「元気が出るテレビ」や「みなさんのおかげです」を見はじめた感じです。

このころの笑いの特徴は、「悪ふざけ」「いたずら」でした。なので、素人がやたらとテレビに取り上げられた時代といえます。ドッキリ番組もその象徴のひとつでした。

実際に、元気が出るテレビは社会現象を巻き起こしており、素人時代にこの番組に取り上げられてメジャーな芸能人になった人が後を絶ちません。

  • X JAPAN
  • 的場浩司
  • 山本太郎
  • 岡田准一(V6)
  • LL BROTHERS
  • エンペラー吉田(笑)

この番組出身ではありませんが、おぎやはぎの矢作(幸福の黄色いハンカチ)も、女優の稲森いずみ(勇気を出してはじめての告白)も出演しています。

X JAPANなんて、元気が出るテレビに出ていたときはちょっと「お笑い枠」っぽいいじられ方してましたからね(笑)

この悪ふざけの時代は、深夜ラジオや深夜テレビによりさらに拡張したと考えられます。

テレビが1人一台に近づき、若者は自分の部屋で深夜に見る、聴くようになります。

親と一緒に見ないのだから、「親に見せられない」がそのまま価値になったわけです。「ギルガメッシュないと」とか、覚えている方も多いのではないでしょうか(笑)

いや、ズッコケの時代にもちょっとエッチな番組は深夜にあったんです。「11PM」とか。

でもこれは、「子どもが寝静まったあとに大人が見る」番組でした。

悪ふざけの時代では、「親が寝静まったあとに子どもが見る」わけです。というか、寝静まってなくても部屋にこもって見るわけです。

視聴が「家族」から「若者だけの密室」に移ったということです。

そんな悪ふざけの時代にもかげりが見えはじめます。まさに、西からの風により。そうです。ダウンタウンの登場です。

ダウンタウンの笑いは、当時は私にとってはちょっと理解不能なこともありました。いや、多くの人がそのイメージだったのではないでしょうか?

実際に、ダウンタウンが東京をメインに活動しはじめたころは、ウッチャンナンチャンといっしょに番組をやることが多かった印象です。

ダウンタウンとウッチャンナンチャンの4人の中で最も人気なのは、ナンチャンでした。私もナンチャンのわかりやすい笑いのほうが馴染みがあり好きでした。

ところが、徐々に松本人志のシュールな笑いが理解されはじめます。

その理解に一役買ったのが、何を隠そう「巨人戦」だと私は考えています。どういうことか。

お笑い界の絶対王者だったビートたけし率いる「元気が出るテレビ」は、日テレの番組でした。夏になると、日テレは巨人戦を放映することが多くなります。

日曜日の夜8時(元気が出るテレビの放送時間)は、月4回のうち3回くらいは巨人戦の放送になってしまいました。私はこれで巨人が嫌いになりました(笑)。

我々はここではじめて「ダウンタウンのごっつええ感じ」を見はじめることとなるのです。日曜夜8時、元気が出るテレビのウラ(フジテレビ)でやっていたのが「ごっつええ感じ」だったのです。

よく考えたら日曜夜8時によくこんなの放送してたな(笑)。しかし、この動画ひとつとっても、ズッコケシーンは一切ありません。

当然ながら、接触頻度が多くなればなるほど、人間は好感を持ちはじめます。東京の学校では「ニセ関西弁」がはびこることとなります(笑)。

ここで、松本人志のシュールな笑いは一気に時代を築きはじめます。

「天才・たけしの元気が出るテレビ」は、巻き返そうと装いも新たに「超天才・たけしの元気が出るテレビ!!」へ改題してリニューアルしましたが、1年で終わってしまいました。「悪ふざけの時代」の終焉でした。

そこからは記憶に新しいというか、よく知っている人も多いのではないでしょうか。ダウンタウンの、まっちゃんの笑いがデフォルト(生まれたときから「シュールの時代」)という人も多いはずです。

私の目論見では、それもそろそろ終焉を迎えるのではないかということです。つまり、「ズッコケ」の時代に戻ると。

「ズッコケ」というとちょっと限定的なのですが、「型の笑い」「様式美の笑い(東洋経済がそのような分析をしているらしい)」みたいなものではないかとクロちゃん(claude)が申しております。たしかに。

個人的に面白い気づきもあります。

ダウンタウンの次にお笑い界を牛耳るのは、私はおそらく「千鳥」の2人だろうと思っています。

その千鳥の大悟は、志村けんの最後の弟子的なポジションの人物でした。笑いが「あの時代」に戻る可能性を感じさせる「符合」がそこにあるなと思っています。

また、AIにより動画の価値が堕ちると私は考えています。動画の価値が堕ちるというより、リアルの価値が上がる、といったほうが良いかもしれません。

「いやいや、新喜劇ならテレビでも放送してるやん」という声も聞こえてきそうですが、私は「劇場に足を運ぶ人が増える」ということも踏まえて、新喜劇の台頭を考えています。

テレビやスマホで見られるものをわざわざ見に行くのか?行くと思います。

これについてはキングコングの西野氏が鋭い見解を示しています。

  • ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない。

西野氏は、多くの批判を受けながらも、自身の作「えんとつ町のプペル」を全ページ無料公開にしました。

これは「絵本業界をダメにする愚策」くらいの批判を受ける行為でした。「タダで読めるなら誰も買わない」と言われたわけです。

しかし、蓋を開けたら実際は逆で、絵本の売上が伸びたわけです(累計75万部)。

西野氏は、言います。

現代人は時間がなく、失敗したくないので、中身を知らないものにお金と時間を使わない。逆に、中身を知っているもの=ネタバレ済みのものを「確認」するためになら動く。ヒット曲だらけのライブに行きたくなるのも、旅行番組で見た場所に行きたくなるのも同じで、無料公開は試食でありネタバレではなく広告だった。

これが、AI時代にはもっと加速すると私は考えるわけであります。リアルをみんな求めはじめると。。。ムスメが新喜劇を見たいと言ったのも、フラグのような気がしてなりません。

というわけで、中身はお笑いの話で、「これがビジネスで何の役に立つんや」と思われたかもしれません。

しかし、重要な法則を私はお伝えしました。「時代は3つを繰り返す」。

ご自身の業界、商材に置き換えたら、どうですか?「時流を読む」ことができるのではないでしょうか。場合によっては徳川家康のような長期政権を業界でつくることができるかもしれませんね。

最後に、私がもっとも尊敬してやまないお笑いタレントは、高田純次大先生です。

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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