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Logo column

2015年10月09日 デザイン メールマガジン 所感 【第301回】東京オリンピックロゴの選考方法に物申す!

2015年12月25日掲載開始


こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
急に寒くなりましたね。
9月、東京は
残暑らしい残暑もありませんでした。
急激に気温も下がり。。。
季節のグラデーションを例年に比べ
あまり感じられないと思うのは
私だけでしょうか。
そして我が家では
次男→長男と体調不良のバトンタッチが
見事に行われております。
特に長男のほうは
今朝39.8度まで熱が出て
下痢や嘔吐がひどい様子です。
胃腸風邪でしょうか。
今、朝の5時半ですが
長男が悶え苦しんでおります。
がんばれ長男。
そして私も体調に気をつけねば。。。
仕事とサッカーに支障をきたしてしまいます(汗)。
さて、
10月も10日近くが経ち、
芸能人の結婚ラッシュがメディアを
賑わせておりますが、
そんな中に隠れて
密かに(?)動いているのが
・東京オリンピックロゴ
の件です。
もうすっかりメディアでも
取り上げなくなってきましたが、
ひっそりと進んでいるのです。
まだ正式募集はスタートしていませんが、
概要は固まりつつあるようです。
そこで本日は、
新しい東京オリンピックロゴ公募について
解説をしたり問題点をピックアップして
みたいと思います。
ちなみに
東京オリンピックロゴの応募要項らいきものが
東京オリンピックのサイトにアップされています。
→http://bit.ly/1Oo8RXj
次の3つのポイントで
お話をしてみたいと思います。
●応募資格について
●審査委員について
●決定方法について
●応募資格について
応募資格は、
サイトには以下のように書かれています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【応募資格】
・経験、受賞歴の有無は問いません。
・18歳以上とします。
・日本国籍の方及び日本在住の外国籍の方とします。
・個人だけでなくグループでの応募を認めます。
→年齢・国籍の条件は代表者のみに求めることで、
子供や外国の方も参加できるようにします。但し、
応募者の管理などの観点から1グループは10名以内とします。
・なお、個人・グループを問わず、
応募は一人(1グループ)一作品とします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これだけ見ると
前回の時と比べかなり改善され
問題はなさそうに感じます。
なにせ、
デザイナーというものは国家資格が
あるわけでもなんでもなく、
デザインソフトが
なんとなくさわれるだけで
デザイナーをかたってしまう人もいるので
応募資格の設定はとても難しかったと思います。
公平性が感じられる応募資格となると
結局今回のようになるでしょう。
しかし、現実問題として
それじゃあどのくらいの応募があるの?
というのがウェイトの重い問題になると考えます。
審査委員会ですべての案に目を通す
というのは、応募総数次第ではありますが
あまり現実的ではありません。
何万件も応募があったら
すべて見ることはむずかしい。
特にすでに一度問題になって
相当なタイムロスがありますから、
時間的な面で考えても厳しいわけです。
そこで重要になってくるのが
審査の方法ということになりますが、
このテーマは後に譲ります。
今回、
応募資格に関連して問題だな、と感じたのは
以下の点です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【応募者の氏名の公表】
当選作品の作成者の氏名の公表やそのタイミングについては、
本人と相談の上対応します。(非公表でも可とします。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いろいろと検討した結果、
このような形にしたのか、
それとも何かウラがあって。。。
一度問題になっているだけに
へんな勘ぐりをしてしまいますね。
このような形になった
経緯、議論の過程などがあるならば
ぜひ知りたいというのと、
個人的には名前は公表したほうが良いと思います。
今回のロゴ、
賞金については要項では触れられていません。
前回、
問題になった際は賞金は100万円でした。
この金額は破格的に「安い!」です。
東京オリンピックのロゴを
つくれるなんてデザイナー冥利に尽きるから
お金の問題じゃないんだよ、
なんていう理屈があります。
個人的にはその考えは悪いことではないので
ありだと思います。
しかし、
実際にはロゴを使用した
オリンピック関連のアイテムは
1万点以上に及ぶと言われており、
ここには大きな利権が発生します
(1万種類×製作数という膨大な製作物)。
佐野氏の問題、私はかねてから
某大手広告代理店が諸悪の根源だと
感じているわけですが、
佐野氏を担いで
某代理店が一儲けしようとしていた、
という構図がウラにあったと思っています。
賞金が安くても
使用権が佐野氏にも入る形になっていたのか、
はたまた
某大手広告代理店出身の佐野氏は関係上
おそらく逆らえないから神輿として最適と
判断したのか。
佐野氏は結局、
トカゲの尻尾きりにあった、
ということだと考えられます。
あくまで憶測だということも付け加えますが。
で、
何が言いたいかというと、
名前を非公表にすると、
私のように
へんに憶測をして疑う人が
たくさん出ると思います(苦笑)
「誰なんだ?受賞した奴は!
公表できないってことは某大手広告代理店の
関係者なんじゃないか??調べろー!」
みたいなことが起こってしまう可能性があるし、
すでにこの応募要項(草案)で疑いの目を
かけられはじめているわけです。
なので、
ここはしっかりと応募資格のひとつとして
・個人名を公表できる人、または団体
とするべきだと考えます。
●審査委員について
私も入りたかった審査委員(笑)
以下の方々に決まったようです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★委員長
宮田 亮平(みやた りょうへい)
東京藝術大学 学長
★委員 (五十音順)
今中 博之 (いまなか ひろし)
社会福祉法人素王会理事長
榎本 了壱 (えのもと りょういち)
クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学客員教授
王 貞治 (おう さだはる)
福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長/
一般財団法人世界少年野球推進財団理事長
柏木 博 (かしわぎ ひろし)
武蔵野美術大学教授
志賀 俊之(しが としゆき)
日産自動車株式会社取締役副会長
杉山 愛(すぎやま あい)
スポーツコメンテーター/元プロテニス選手
田口 亜希(たぐち あき)
パラリンピック射撃日本代表/
一般社団法人パラリンピアンズ協会理事
但木 敬一(ただき けいいち)
弁護士/元検事総長
田中 里沙(たなか りさ)
「宣伝会議」取締役副社長兼編集室長
夏野 剛(なつの たけし)
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授
西崎 芽衣(にしざき めい)
一般社団法人ならはみらい事務局(立命館大学休学中)
長谷川 祐子(はせがわ ゆうこ)
東京都現代美術館チーフキュレーター/多摩美術大学教授
林 いづみ(はやし いづみ)
桜坂法律事務所弁護士
フミ・ササダ
株式会社ブラビス・インターナショナル 代表取締役社長
松井 冬子(まつい ふゆこ)
日本画家
松下 計(まつした けい)
東京藝術大学教授
マリ・クリスティ-ヌ
異文化コミュニケーター
山本 浩(やまもと ひろし)
法政大学スポーツ健康学部教授
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、
前回は8名しか審査委員はいませんでした。
そのほとんどがクリエイターでした。
今回は肩書でしか判断できませんが
スポーツ関連の方やビジネス界の方なども含み、
前回よりもはるかに良い委員会が形成されたと
感じています。
とはいえ、
それぞれの方がどんな人なのかということは
わかりませんし、そこをこのメルマガで
つっつくつもりもありません。
あくまで肩書からしか判断していません。
某代理店と絡みがある人もいるかもしれません。
面白かったのは、
私がテレビ朝日のワイドスクランブルという
番組に出演した時にご一緒した方2名が
審査委員にちゃっかり(笑)入っていることです。
ひとりは「宣伝会議」という
業界では超有名な雑誌などを出版している会社の
取締役副社長兼編集室長である
田中 里沙(たなか りさ)さん、
もうおひとりは
株式会社ブラビス・インターナショナル
という企業ブランディングの会社の
代表取締役社長であるフミ・ササダさんです。
番組は、もうおひとりと私の4名で
今回の東京オリンピックロゴ問題を斬る
という座談会形式の内容のものでした。
その時、
フミ・ササダさんは「応募者として参加する」
って言ってたんだけどなぁ(笑)
しかし、いずれにしても
このおふたりは審査委員としては
ふさわしい方だと思います。
田中里沙さんは待ち時間の間に話した時、
メディアに携わる方として、変に業界に肩入れしない
ジャーナリスト魂を持っている方だと強く感じましたし、
フミ・ササダさんは
長野オリンピックのロゴを作成し、
実際に運用までしたことのある経験者だからです。
さて話が少しそれましたが、
審査委員会についての懸念のひとつは
今度こそ不透明でないか、もっと強烈な言葉を使えば
不正はないか、という点です。
これについては前述のとおり
それぞれの人がどんな人で審査委員に
ふさわしいのかをほじくり返すつもりはないので、
ここまでにとどめておきます。
もうひとつの懸念としては、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クリエイター関連の人に対して
ロジカルに戦える人がいるか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
という点です。
審査委員の顔ぶれを見ると、
だいぶ幅広い分野の人が入ったとはいえ、
まだクリエイター関連の方が多いです
(大学教授なども含め)。
田中里沙さんもフミ・ササダさんも
言ってしまえばこの業界の方々です。
また美大の教授が多いのも気になります。
クリエイター関連の人が多いので、
「デザインつーのはこういうもんなんだよ」
という言葉で片付けられそうになった時、
もっと言えば
「わからんヤツはそこに口出しするな」
という空気になった時でも
臆さずに
「そこをわかるように説明してくれなければ
 納得はせん!」
と戦える人がいるかどうか。
そして一度議論が交わされれば
デザインのことを知らなくても
ロジカルに反論できるかどうか、
そういう人がいるかどうかが気になる点です。
例えるなら、集団心理を使って
「この服の良さがわからない人はセンスがありません」
といった裸の王様状態の空気になった時でも、
「いや、これ服じゃないじゃん」
と言えるかどうかです。
もっともそういう空気になるかわかりませんし、
今度こそそういった業界人のみの視点で
物事が決まることはないと信じていますけどね。
●決定方法について
さて、
一番の問題はここです。
どんな基準、方法で採用案を決めるのか。
基準については
「審査の際に考慮する事項」となっている以下の点が
デザインの審査基準と言って良さそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・多くの人に共感してもらえること(共感性)
・東京2020大会のシンボルとなること(シンボル性)
・オリジナリティにあふれ、個性的であること(オリジナリティ)
・デザインとして優れていること(デザイン性)
・ライセンス商品や大会装飾など、
 さまざまな媒体で展開可能であること(展開性)
・カラーだけでなく、モノクロや拡大・縮小で再現しても
 デザインイメージの変化が少ないこと(再現性)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは
基準といえるほどブレのない判断の指針になるか、
つまり審査委員の誰が応募案を見ても
この言葉だけで正しい判断ができるかというと
そうなっているとは言いがたいです。
しかし、
ここまでで仕方ないと私は考えます。
デザインの基準というのは
定義する=言葉のみで表現するのが
とても難しい定性的なものです。
これ以上言葉できつく定義してしまうと、
つくり手(応募者)のイメージを制限してしまい、
幅広いアイデアを得ることが難しくなります。
さまざまなアイデアを出してもらえるというのが
そもそもの公募の重要なメリットでもあるわけです。
なので、
審査委員の判断が難しくなったとしても
デザインの基準はきつくし過ぎない、
というのは大切なことだと考えます。
しかし、
その判断基準のある種の曖昧さが
誰もが納得しないロゴを生んで
しまうことになりかねないのも事実です。
そしてこの曖昧さは
佐野氏の問題の重要なポイントの
ひとつでもあったわけです。
佐野氏が「コンセプトが云々」と
後付けしなければならなかったのは
そもそもデザインの判断基準が曖昧だったからですし、
言い訳のように聞こえてしまったのは後付けだったことと、
デザインではなくコンセプトという「言葉」で
説得しようとしたときにそれすらも曖昧だったからです。
判断基準に曖昧さが残る限り、
これは常についてまわる問題です。
一般企業に置き換えた時、
人の採用だと思うとわかりやすいでしょう。
どういう判断基準でその人を「良し」とするのか、
学歴や経歴などいろいろな指標はあるにしても
最終的に感覚で選ぶことが中小企業では多いと思います。
その結果、
うまく行ったことも大失敗だったことも
中小企業経営者なら多かれ少なかれ
あるのではないでしょうか。
これも、
選考の判断基準が曖昧だから
(きつく定義しきれないから)起こる問題です。
では、
どうすれば良いのでしょうか。
私の考えでは、
明確にするのは判断基準ではなくてプロセスです。
決定プロセスを明確にして、
しかも公表する必要があります。
どういう方法で
数万点に及ぶであろう応募の仕分けをするのか。
どういうプロセスを経たら
19名の審査委員のもとに挙がるのか。
19名の審査委員のもとには
そもそも何点の候補案を挙げるのか。
それも良い案があればその数だけ、
ではなくてはじめから◯◯点ピックアップする、
としたほうが良いと思いますし、
いきなり採用案を出すようなことはせず、
途中経過を公表しながら進めるべきだと思います。
最終候補案はメディアに露出してもいいかもしれません
(法的な問題がクリアできれば)。
また、
19名の審査委員の採点基準や採点方法は
どういうものなのかも公表すべきです。
つまり、
審査委員の方々の役割は、
どのロゴを採用するかを決めることと
同じかそれ以上に、
★どういう方法で、プロセスでロゴを決定するか
 これを徹底的に議論して公表すること
です。
ほんと、
どの案が良いかを決めるよりも
こっちのほうが重要だと思います。
人の採用も同じで、
判断基準を決めることと同じかそれ以上に
どういうプロセスで採用に至るかを明確にしたほうが、
仮に失敗した際にも
どのプロセスに問題があったのかという
仮説を立てることで改善しやすいはずです。
大切なのでもう一度言いますと、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
議論しなければならないのは
そして公表しなければならないのは
ロゴそのものの良し悪しやデザインの判断基準よりも
決定プロセスである
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ということになります。
さて、
東京オリンピックはイヤでも
2020年にやってきます。
私はせっかくやるなら
成功してほしいし楽しみたい。
そのためにも、
東京オリンピックロゴは
誰もが納得するようにしたい。
誰もが納得、満足するロゴを
つくることは不可能に近いです。
しかし、
誰もが納得する決め方をすることは
できるはずです。
今回はここまでです!
津久井
好評いただいてます。
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投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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