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東京では選挙の真っ最中です。仕事をしていると選挙カーがうるさい。。。
選挙のときだけがんばって、議会の最中に昼寝するような政治家ばかりでイヤになります。選挙では日本は変わらないと思っていますが、まあ、一矢報いる可能性を否定せずに選挙に毎回行っています。
あのうるさい選挙カー、迷惑千万だと思ってしまうのですが、実は選挙カーで名前を連呼して走り回るのと得票率には相関関係があるようです。
つまり人の迷惑を顧みずに(毒)連呼したほうが、当選の確率が上がるというデータがあると以前何かで知りました。
人の無意識に影響するのかもしれませんね。
先輩経営者の方が、今回の港区議選に立候補しています。それを他の経営者仲間もお手伝いしています。
話を聞くと、やっぱりものすごく大変のようですね。まずは知ってもらわなければならない、そして理解してもらわないといけない。これって私の提唱するブランディングとほとんど同じ。
それが選挙になると本当に大変で、とにかく人手が必要。いや、言葉を選ばず言えば取りも直さず「金」が必要です。
選挙カーを出すのもウグイス嬢をつけるのもポスターを貼るのも金がいる。つまり選挙に受かるかって、わりと金次第なんですよね、よく言われていることですが。
ということはですよ。選挙に受かる人、または政党ってやっぱりバックに資金提供者がいないと成り立たないわけです。
「ジミン」にしても「コウメイ」にしても「リッケン」にしても「キョウサン」にしてもバックに大金を動かせる組織がいる。想像できる組織もあれば、我々が想像していない組織もあるでしょう。
広告スポンサーとなる企業の意向でテレビ番組がつくられるのと同じように、選挙も資金を提供する人間に必ず思惑があるわけです。その思惑は、おそらく日本を良くするための思惑ではない。。。
ということはですよ。大金をベースに選挙カーを走らせまくったり人を大量投下している候補者や政党には票を入れてはいけないということなのではないかと考えるわけですよ。
選挙はほとんどの人が「どこの政党か」または「どんな公約か」という「what」に着目して投票すると思います。
が、構造(当選する人のウラに思惑とともに大金が動いている)という、ある意味「how」に着目して票を入れる(お金がない候補者に投票する)というのは、切り口として意外とクリティカルかもしれません。
私は最近、山本太郎氏に着目しています。昔はちょっとウラに「左」の匂いを感じたのでどうかな、と思っていましたが、You Tubeなどのショート動画で彼の国会質疑とかを見ていると、すべてとは言いませんが言っていることのわりと多くがまともなんです。それこそ野次ったり昼寝しているヤツらなんかよりぜんぜんマシ。
「竹島なんか韓国にあげちゃえ」という発言から多くの右よりの方々に叩かれましたが、あれもどうやらその部分だけを切り取られて拡散されただけで、「あげちゃえ」はどうやら皮肉として言った発言のようですね。
で、れいわ新選組もやっぱりお金ないんですよね。ここが当選すると困るスポンサー(既得権益者)が多いからだと思うんですよ。
まあ、政治は所詮プロレスなんで、残念ながら選挙で国は良くならないと思いますけども。経営者仲間で政治家や官僚とのつながりがある友人が言ってました。「政治家の半分は本当にバカだし、官僚の8割は頭はいいが人間性がクソ」だと(泣)。
そんな日本ですが、コ□ナ前は政治家や官僚に多少腹は立ってもどうでもよかった。自分ががんばればいい話だから。今はそうとは言い切れない状況になってきてしまいました。本当に瀬戸際だと思う。
というわけでコロコロニュース。今日はちょっと趣向を変えて。
リーガル・ハイというドラマから、私が大好きなシーンの動画を2つご紹介します。ぜひご覧ください。
ひとつ目は、ある村に大企業の化学工場ができて住民が原因不明の病気に苦しむ、おそらくその化学工場のせいだろうから、村人みんなで一致団結して戦おうとしていた矢先、金でつられて戦うのを村人がやめてしまいそうになるシーン。
堺雅人さん演じる主人公の古美門(こみかど)研介がブチ切れるシーンです。ぜひわくわくする注射の害と提供している企業を想像しながらご覧ください。
ゴミクズ扱いされているのをわかっているのになぜ納得しようとするのか?
もうひとつは、民主主義の弱点をもろについた動画。知ってました?民主主義って「バカ」しかいなかったら地獄ですよ。そう、今の日本のようにね。「バカ」の多数決の結果を想像してみてください。ゾッとしませんか?
つまり、民主主義は私たちひとりひとりの「バカでいてはいけない責任」が常にセットでないと成立しないということです。
ちなみに、リーガル・ハイ2ではこんなお話もありました。
自分がブサイク男子であることにコンプレックスを感じている依頼人は、「絶対に美人と結婚する!」という強い願望を持っていた。
念願叶い、美人と結婚したまでは良かったが、その結婚相手が実は全身整形をした元ブサイク女子だったということが判明し、ブサイク男子は離婚&慰謝料請求を古美門研介に依頼。
いくつかある裁判の争点の中で
- 見た目だけで人を判断をするのは非人道的だ、心が大事だ
といった論調が相手弁護人から出てくる。
あなたはどう思いますか?
まあ、見た目だけで交際相手や結婚相手を選ぶことが良いか悪いかは個人的にどっちでもいいのですが、ビジネスにおいて「会社」や「商品」がブサイクだとそれはまずいわけです。利益を損なう可能性が高いからです。
というわけで、今日お伝えしたいのはこんなことです。
●見た目だけで判断するのは悪いことなのか?
●「デザインの無拒否性」とは?
●御社のその見た目に反応した人が集まる
ではいってみましょう。
●見た目だけで判断するのは悪いことなのか?
見た目だけで判断することが悪いことかどうか。
私は必ずしも悪いことではないと考えています。というか、人はむしろ無意識的に見た目で判断していると考えます。
人間が脳で処理している情報の、実に70%以上は目から入るものだと言われています。この数字は実験方法などにより若干の幅(ばらつき)があります。私の師匠の伊吹卓先生は87%と言っていました。
さて、「ファーストインプレッション」という言葉があります。「第一印象」ともいいますが、これは
- 最初に感じたイメージ
のことです。この「イメージ」を意識的にコントロールすることはできるでしょうか?
たとえば、何かを見て
「こういうふうにイメージするぞ!」
「勝手な思い込みを持たないために何もイメージしないぞ!」
こんなふうに意識的にできますか?できないですね。
ということは、人間は見ただけで何らかの情報を得て、何らかの判断していると言い換えることができます。
はじめて見たものは、人にしろ商品にしろ会社にしろ、
- 見た目しか判断基準がない状態
なんです。
その後、話をしてみて、商品を使ってみて感じ方が変わることはありえますが、最初の入口は電話営業やオレオレ詐欺でもない限り、ほとんどが見た目です。料理ですら、食べる前に目からの情報の影響を受けています。
なので、見た目で判断することは悪いことではないどころか、人は見た目で判断してしまう生き物なのです。道徳的にどうだろうと、そういう機能になっているのです。
この意味は非常に大きいんですね。なぜなら、
- 話してみて印象が変わる
- 使ってみて印象が変わる
ということは確かにありえますが、最初に見た時のイメージが悪いがために
- 話さない
- 使わない(買わない)
という選択肢もあるからです。
どんなに良い商品、サービスを提供していても、見た目しか判断基準がない状態の時にファーストインプレッションが悪ければ
- その商品、サービスの良さを知ろうとすら思わない
こういうことが起こりえるので、会社やお店、商品、営業マンの見た目は非常に大切になります。
ただし、見た目だけで判断すると間違える可能性があることもいい添えておきます。見た目で判断することは悪いことではないですが、それだけでは見誤ったりだまされたりすることもありうるということですね。
犯罪者なども、近所の人が「まさかあの人が」とインタビューに答えることがありますし、詐欺師は完璧な見た目を装う人が多くいます。
それともう1点補足です。
「見た目」さえ良ければいいのかというと、もちろんそれも違います。人間で言えば、どんなに美人でも性格が悪かったら、やはり友だちになろうとか付き合いたいとは思わないですよね。
これをビジネスに置き換えるのなら、「性格」は「商品力」と言えます。
どんなに「見た目」が良くても「商品力」が悪ければ、「二度と買わない」と感じるわけです。クレームを言う人もいるでしょう。リピートなんて絶対にしてもらえない。
だから、「見た目」と「商品力」は両輪です。
●「デザインの無拒否性」とは?
さて、「見た目」と何度も言いましたが、では、どういう「見た目」なら正解なのかについてお話します。
たしかに、美しさの絶対的価値のようなものはあります。美しい風景というのはある程度万人に共通していますし、テレビに出る女優は美人が多いというのも、この美しさの絶対的価値によるものです。
で、難しいのはここに「好み」という個人の価値観が入るということです。
なので、絶対的な美しさを持っていても、必ずしもそれがある個人にとっては大切ではない、ということが起こりえます。
美人女優でも「オレは別にこの女優は好きじゃない」という感情を持つのは、この「好み」によるものです。デザインもまったく同じことが言えます。
ここで、非常に重要になってくるのが、
- デザインの無拒否性©
というものです(私が名づけた理論です)。
人は前述のとおり、見たものから何かしらの印象を感じてしまいます。これは拒否できません。
美しい景色を見れば「キレイだ」という印象を持ってしまいますし、無精髭で寝ぐせだらけ、歯が黄ばんでいる太ったおじさんを見れば「汚い」と感じてしまいます。
たとえまったく同じ味の料理だとしても、盛り付けがキレイなら「美味しそう」と感じますし、グチャグチャで汚ければ「まずそう」と感じます。
超有名シェフがつくった料理でさえ、ビニール袋に残飯のように無造作に放り込まれていたら「食べられない」と感じます。
美しいか美しくないか、よりも実はこの「何らかの印象を与えてしまっている」ということのほうがよっぽど重要になります。
そこで大切になってくるのが、「では見た人にどういう印象を持たせたいか」という考え方です。
「安心感」を与えたいのなら、安心感を感じることを拒否できないデザインになっているか、「最新」「先進的」というイメージを与えたいのなら、それを感じることを拒否できないデザインになっているか、こういうことを逆算する必要があります。
「どのような見た目にするべきか」ということに対する答えは、
- 与えたい印象を拒否できない見た目にするべき
が正解となるわけです。
●御社のその見た目に反応した人が集まる
ところが問題があります。
いわゆる「デザイナー」は、この
- 与えたい印象を拒否できない見た目にするべき
ということをわかっているようでわかっていません。
どちらかというと、「美しさの絶対的価値」のほうに意識がいっています。
たとえば、「ダサいものはつくりたくない」と考えます。
でも、場合によってはダサいものをつくる必要だってあります。驚安の殿堂「ドン・キホーテ」は、オシャレとは言えませんが、明らかにわざとそうしていますよね。
物事には、だいたいオモテとウラ、陰と陽とでもいうべき2つの意味が背中合わせになっています。
あまりに美しすぎる人には、「美しい」というポジティブなイメージと、「近寄りがたい」というネガティブな印象があったりするわけです。
同じように、ダサいデザインだからこそ安心感が出て、「売れる」というケースも大いにある。
もちろん、これも人によって感じ方が違います。美しいからこそ近寄る人もいますし、ダサいからこそ避ける人もいます。
ではどうしたらよいのか?それは、
- 誰をターゲットとするか(誰に与えたい印象を感じてもらうか)
これを考えること、つまりターゲティングがとても大切なのです。
繰り返しますが、デザイナーは美しさの絶対的価値だけに縛られる傾向が強いです。
結局、人は見た目で判断してしまう生き物なのですが、その「見た目」というのは必ずしも美しさによるものだけではありません。なのに、デザイナーは「美しさ」のみに縛られてしまうことがある。
デザインの無拒否性の重要さを理解しないと、どういうことが起こると思いますか?
もちろん、商品やサービスがまったく売れない、ということも十分ありえますが、それ以上に、
- ターゲットじゃない人が集まってしまう
ということが起こります。
- 来てほしくないお客さま
- 入社してほしくない社員
が集まってしまうのです。人は無意識的に見た目で判断してしまいますから。そして、クレームになったり争いごとになったりするわけです。
まとめると、
- 美しさの絶対的価値だけを基準にしてはいけない
- かといって感じ方は人によってぜんぜん違う
- これを解決するのが「ターゲティング」
ということです。
そして、デザインには無拒否性があるからこそ、ターゲティングをきちんとしないと来てほしくない人が集まってきてしまうというお話でした。
ちなみに、「じゃあ、完璧なターゲティングにより100%狙い通りの印象を与え、ターゲットだけを集めることがデザインだけで可能なのか?」というと、答えは「NO」です。
だから、私が普段からこのコラムで書いているように「言葉と画(え)両方を使って表現する」必要があるわけですね。
ちなみに、私は女性に対して「絶対的な美」を求めるかというとそうでもありません。それよりも、お化粧や服装、仕草がステキになるように意識できている女性が好きです(照)。
今回はここまでです。
津久井
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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