ロゴコラムLogo column
株式会社樋口 Bacatsプロジェクトリーダー 北岡 弘章さま |
株式会社樋口さまは、北海道札幌市に本社を置く老舗キッチンメーカーです。2022年に新事業としてキャンプ用品ブランド「Bacats」を立ち上げました。
ブランドにとって、ロゴは重要。各製品がブランドのプロダクトであることを伝える、いわば看板のような存在です。ブランドの存在を印象づけるだけでなく、製品コンセプトを伝え、ブランドイメージをあるべき姿に醸成する役割があります。
北岡さまからは「必要最低限のやりとりだけで、想像以上のでき栄えに仕上げてもらえたから、忙しい事業のスタートアップ時期にとてもありがたかった」と、ご満足の声をいただいております。今回は北岡さまに、ロゴ制作時のお話を詳しく伺いました。
目 次 |
94年間培った金属加工技術を活かし、新規事業にチャレンジ
ーーはじめに、株式会社樋口さまの事業内容を教えてください。
北海道札幌市に本社を置いて営業しています。昭和5年の創業時は、樋口鉄工所という名前で、銅製の風呂釜を作り始めたのがビジネスのスタートでした。
その後、ステンレス加工の技術を磨き、サッシ・シャッター・キッチン流し台などの製造を開始。昭和48年に株式会社樋口となりました。主力商品は、ステンレス製の流し台です。今日まで多くの公営住宅などにも納めてきました。
ーー創業から94年!長い歴史をもつキッチンメーカーが、新たにキャンプ用品ブランドの立ち上げに挑戦したきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけとなったのは、コロナ禍によって訪れたキャンプブームです。それを機に、さまざまな会社が競うようにアウトドア事業に参入しましたよね。
当社の強みは、長年培ったステンレスや鉄などの金属加工技術です。耐久性と携帯性を求められるキャンプ用品の製造にも、技術を応用できるだろうと話が持ち上がりました。
ーーそして、プロジェクトが動きだしたのですね。
そうですね。コロナ禍前からキャンプを趣味にしていた私に、チーム運営の白羽の矢が立ちました。私と社長、開発部長の3名で、2022年の5月頃に新規事業立ち上げのプロジェクトがスタートしました。
ロゴデザインの元になったのは、願いを込めてつくったブランド名
ーーすべてゼロからのスタートだったのですね。ちなみにブランド名の「Bacats(バキャッツ)」は、どのようにして決めたのですか?
Bacatsは、「Base camp tools」の略です。この名前を思いついたのには、自身の体験が由来しています。
私が初心者キャンパーだった頃に、キャンプ先で火おこしがうまくいかず、困ったことがありました。助けてくれたのは、近くでキャンプをしていたベテランキャンパーさんです。火おこしの道具を借りるために、キャンパーさんのキャンプ場所を訪れると…そこはまるで、秘密基地。選りすぐりのキャンプ用品が並べられた空間は「ベースキャンプ」と呼ぶのが相応しいものでした。
ブランド名を考えるときに、そのときに見た光景を思い出し、ベースキャンプという単語を使おうと心に決めました。それぞれの単語を並べ、頭文字を組み合わせたのがBacatsです。
ーーなるほど。ちなみにロゴに使われている猫のシルエットは、ブランド名に含まれる「cat」にあやかっているのですよね?
そうですね!「cat」がブランド名に入ったのは偶然の産物です。しかし、ブランド名を決める要因にもなりました。
ブランドのイメージキャラクターに動物を使う手法は定番ですから、ロゴなどもつくりやすくなるだろうと思いました。そのうえ、猫を飼って育てるイメージと、キャンプ用品を長年愛用するイメージは、通ずる部分があります。まるで猫を飼うように、愛しながら育ててもらえるキャンプ用品をつくりたい。私たちの想いを体現する名前になりました。
忙しいブランド立ち上げ期、「やりとりのシンプルさ」で発注を決めた
ーーブランド名を決め、いよいよロゴ制作だったのですね。始めからビズアップの存在は知っていたのですか?
いえ、実は知りませんでした。なにせロゴ制作をすること自体が初めてだったので、「そもそもロゴ制作を請け負っている会社はあるのだろうか?」とWeb検索をすることからのスタートでした。
その結果、ビズアップさんのホームページにたどり着き、資料請求したという経緯です。
ーー資料請求をした後、「ビズアップに頼もう!」と決めたポイントは何だったのでしょうか?
1番惹かれたポイントは、やりとりのシンプルさです。
新規事業の立ち上げは、タスクが山積みです。さらにBacatsの事業チームは3名と少人数で運営していたため、それは目が回るような忙しさでした。ロゴはブランドに欠かせないものですが、制作のやりとりに手間や時間をかける余裕がありませんでした。
その点、ビズアップさんは、スタートが抽象的なイメージでも、少ないやりとりで完成できることをうたっています。当社のニーズにマッチする会社だと思い、発注を決めました。
最低限のやりとりで120点のでき栄えのロゴに
ーー実際に発注してみて、やりとりのスムーズさはいかがだったでしょうか?
とてもスムーズでした。やりとりの回数は、おおむね2回でしたね。ふんわりとしたイメージしか持ち合わせていないスタートにもかかわらず、少ないやりとりだけで、理想のロゴに仕上げてもらえてありがたかったです。丁寧に対応してくださった点も、満足しています。
ーー1回目のやりとりは、ご要望のヒアリングが主だったと思います。どのようなご要望をお伝えいただいたのでしょうか?
当社の場合、1回目のやりとりは電話でのヒアリングでした。「本当に電話でイメージがうまく伝わるのだろうか?」と心配していましたが、丁寧に要望を聞き取ってもらえました。
ロゴの具体的なイメージは未だ持ち合わせていなかったので、始めに伝えた要望の中身は、かなりざっくりとしていました。ブランド名を決めた経緯や、製品の頑丈さを連想する無骨な雰囲気にしたいこと。加えて、猫の姿を入れたいけれども、かわいらしさよりもワイルドさを感じる山猫のようにしてほしいこと、などですかね。
その後2週間ほどして、3つのイメージが添付された、第1回目の提案が届きました。
ーー第1回目のロゴ案で、良かった点、改善が必要だった点をそれぞれ教えてください。
良かった点は、猫のシルエット部分です。この部分に関しては、第1回目の提案から完成まで、手を加えていません。スタイリッシュなシルエットに、爪痕のような模様など、山猫のようなワイルドさが十分に表現されています。針葉樹の影と融合しているのもオシャレですよね。猫のシルエット部分については、始めから非の打ち所がありませんでした。
改善をお願いしたのは、カラーやテキストフォントの部分です。始めはベージュのような色合いで、少しやわらかめのフォントが使われていました。しかしBacatsの語源ともなったベースキャンプをより連想しやすくするため、ミリタリーテイストを目指し、白・黒・グリーンを基調とするようにお願いをしました。テキストフォントも、より無骨な雰囲気になるように調整を頼みました。
2回目のやりとりは、文章の方が伝えやすいだろうと判断し、メールで行いました。第1回目のロゴ案から、完成形に近いイメージを提示してもらえたので、「ここをこうしてください」と具体的な話をしやすかったです。第2回目のロゴ案は、その後1週間ほどで届きました。
社内一丸となってブランドの成長を見守っている
ーー完成したロゴを見て、北岡さまの満足度はどれぐらいだったのでしょうか?
点数で言えば、100点中120点です。オリジナリティーがあり、大満足のでき栄えです。
私のイメージが固まっておらず、ロゴづくりのヒントになる情報が少ない状態だったにも関わらず、よくここまで意図をくみ取って制作してくれたと感動しました。
ーーロゴも決まり、Bacatsのキャンプ用品の製作がスタートしたのですね。
そうですね。始めに作ったのは、ソロやデュオキャンプ向けのアルミ製折りたたみテーブル「Light Metal Grill (LMG) Table Set」です。テーブルは折りたためるうえ、2つの空洞に他アウトドアメーカー製品や当ブランドオリジナルのグリルなどを埋め込むことができます。素材にアルミを使うことで、木よりも劣化が少なく、鉄よりも軽く、耐久性と携帯性を実現しています。
こちらの製品は2022年12月に、クラウドファンディングを通じて発表しました。
ーー新たなキャンプ用品ブランドを立ち上げたことで、社内に何か変化はありましたか?
営業担当者は、アピールできる商材が増えたため、やりがいを感じると言っていました。実際にお客さまからの問い合わせもあるようです。
ロゴがブランドへの興味の入り口に!女性キャンパーにも人気
出典:Bacats 公式サイト
ーー社外に製品をPRする際、ロゴは役立っていますか?
ロゴが、ブランドに興味をもっていただくきっかけにもなっています。
Bacatsは、ミリタリーテイストを基調としたアウトドアブランドです。当初のメインターゲットはソロキャンパーで、「どちらかといえば、男性に好まれるだろう」と予想していました。しかし、ロゴに猫が描かれていることがきっかけとなり、女性キャンパーさんも興味をもってくださっています。
近年流行しているキャンプスタイルに、ソログループキャンプというものがあります。キャンプに複数人で訪れるけれども、キャンプサイトは1人ずつ個別に設置します。ソログループキャンプを好む方は、キャンプ用品集めを楽しむ方が多いです。デザイン性の高いBacats製品とロゴに魅力を感じて、わざわざロゴが映り込むように写真を撮ってSNSに投稿してくださる方や、商品を購入してくださる方もいます。Instagramなどの公式アカウントにも、少しずつフォロワーが増えてきました。
Bacatsの場合、ロゴはブランドに興味を持ってもらう入り口となっています。ブランドの看板であり、ブランドに活力を与える存在です。ビズアップさんにBacatsのロゴ制作を依頼し、本当に良かったと感じています。
ブランドの製品ラインナップを増やし、ターゲットを世界に広げたい
ーー今後、Bacats製品のラインナップも徐々に増えていくのでしょうね。
そうですね。折りたたみテーブルの後には、小型の薪割り機、焚き火台の販売を開始しました。すべてソログループキャンプ向けの製品ですが、今後はファミリー層に向けた製品の開発にもチャレンジしてみたいです。
加えて、海外展開も考えています。アメリカや韓国では、現在もキャンプブームが続いてるといいます。プロダクトの質の高さを武器に、クラウドファンディングを活用して、名を広めていけたらと思います。
ーービズアップのロゴが、Bacatsの製品と共に世界へ飛び立つ日を楽しみにしています!
ロゴやデザインの知識がなくても、目線を合わせてくれるビズアップ
ーー北岡さまから、今後ロゴ制作を考えている企業さんへのアドバイスをお願いします。
Bacatsは新規ブランドということもあり、ブランド名もロゴもゼロスタートで制作をしました。プロジェクトチームメンバーにはデザインに精通している者もいなかったため、初めてのロゴづくりはわからないことだらけで、敷居が高く感じていました。
しかしビズアップさんは、ロゴづくりのプロとしてのスキル・知識を持ちつつ、素人の目線に寄り添ってロゴづくりをサポートしてくれます。私たちのぼんやりとしたイメージからでも満足度の高いロゴに仕上げていただけました。
不安があっても、まずはビズアップさんに気軽に相談してみると良いでしょう。ロゴづくりのハードルを下げてくれるような、提案をしてもらえますよ。
今日はありがとうございました!
この度、株式会社樋口さま、そして北岡さまが挑まれたのは、新たな事業の立ち上げという、難しい課題です。未踏の山中に道をつくるように、幾多の不安や困難があったと推察します。
Bacatsの名前とロゴには、製品コンセプトを表現すると同時に、「ユーザーから長く愛され、育てられるブランドになってほしい」との願いが込められています。
私たちの仕事は、単にロゴをつくることではなく、お客さまの不安や悩みに寄り添い、成功への道を共に切り開くことではないでしょうか。これからもロゴ制作というサービスを通じて、お客さまの未来に寄り添えるビズアップを目指して参ります。
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投稿者プロフィール

- ロゴ専門デザイン会社、ビズアップの編集部です。ロゴに関する情報やビズアップのロゴづくりに対する想い、お客さまの声をご紹介するコンテンツで、「ロゴをつくる体験」の素晴らしさを発信していきます。
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