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いきなりですが、本日のコラムは、超超超超超長いです。いつも長いですけど、もっと長いです。
ですので、時間があるときにお読みください。
さて、今から政治的なお話をしますので、イヤな人は書き出し部分は飛ばしてくださいね。
東京都知事選、終わりましたね。
個人的にはとてもとてもとてもとても残念です。「とても」と書き過ぎてゲシュタルト崩壊(通称「ゲシュホ」)するくら残念。
既得権益と組織票のおそろしさをまざまざと感じました。
「不正選挙」があったかどうかというと、あったと思います。
「不正選挙」って「先進国のこの日本においてそんなことがあるわけない」と多くの人が思っていると思います。
でも、テレビでやらないだけで状況証拠はいくらでも出てきています。過去の選挙も都知事選に限らずそうでした。
これって、「宇宙人はいるの?」みたいな質問に本質的には限りなく近い気がしています。
誰も宇宙人を見たことがないからいないのか(あるという人もいますけど)、でもこの広大な宇宙で人間のような知的生命体が本当に地球にしかいないのかといったら、私はいると思います。
不正選挙も物的証拠がないからといって(そんなもの公に出てくるわけがない)、ないとは思えない。
それでも今回の選挙は、仮に不正選挙がなかったとしても負けたのかもしれないと思います。
今回の投票率は60.62%で、前回よりも5.62%上がったとはいえ、まだ政治に興味がない人が有権者の4割もいると思うと、そりゃ負けるわな、と思ってしまいます。
緑のおばさんは、秋葉原、新宿、池袋、銀座のどこで演説しても「辞めろコール」をされてしまうほどでしたが、それでも小池都政で甘い汁を吸った人たちが現状を変えたくないと思って緑のおばさんに票を入れたのを逆転することはできませんでした。
長男の同級生のお母さんも、緑のおばさんに入れるとヨメに言っていたそうです。そのお母さんは都の関連団体の職員のようで、「知事が変わるといろいろと面倒くさいから」という理由だったそう。
これも既得権益のひとつで、「面倒くさいから」という理由で一般市民の暮らしが犠牲になっているわけです。ムカつきません?「面倒くさい」から選挙に行かないのも同罪。
日本の選挙はもはやAKB48の総選挙と同じで、ただのイメージに成り下がりました。その人が何をやってきたか、何をやろうとしているかよりも、テレビにたくさん出ている、なんとなくイケメン、現職、ただそのイメージだけで票が入る。つまりエンタメ。
グローバリストや既得権益者にとって、これほど楽なことはないでしょう。市民にはバカのままでいてほしいのもよくわかります。バカの集まりの民主主義は最悪です。
ちなみに2位と大躍進した石丸伸二氏ですが、この方自身もまわりの人もいろいろときな臭いなと思います。
私は安芸高田市長時代の彼の動画を見て、とても良い政治家だなと感じていました。しかし、都知事選に立候補すると聞いて、「おや?」となりました。
そこからは調べてみるといろいろ出てきました。彼を持ち上げるような動画の切り抜き投稿をするという仕事がクラウドワークスというところで募集されているのを見て、「やっぱりウラに誰かいるな」と感じました。
これを彼は都知事選の最中にも行いました。明らかに公職選挙法違反だろうと言われています。
そもそもこういう仕事が発注できるということは、誰かが彼に金を出しているということです。金を出しているということは、一般市民よりもそのスポンサーのために政治をしなければならないということです。
なので、私は石丸氏には入れないと決めていました。多くの人が、こういうウラ側を知らず、お金を払って拡散された動画を見て彼に投票してしまいました。私のまわりもそういう人が多かったです。
様相が変わってきたのは選挙後でした。急に石丸叩きがはじまったのです。
彼を批判するTwitter(現X)のポストは、投票日前は「いいね」の数が多くてもせいぜい1万から多くて2万でした。しかし、投票後の彼を批判するポストには、7万とか8万、多いと10万とか12万の「いいね」がついたのです。
ウラ側で何かあったんだろうと推察してしまいます。
それにしても、得票数上位3人が全員公職選挙法違反の疑いで告訴されたり裁判で敗訴している都知事選って。バカにしてんのかと思いましたが、この3人が上位3位ということは、やはり一般市民はバカにされても仕方ないバカだったということです。
今後の東京都の動きですが、緑のおばさんにより、水道と東京メトロが民営化されます。これは取りも直さず、東京都民の財産が外資に売っぱらわれるということです。郵政民営化と同じ。
水道料金も地下鉄料金も値上げするでしょうし、水道の質は落ち、電車の中は治安が悪化するでしょう。人件費を減らしてより利益を出すための動きをしてくるためです。
というわけで、もはや書き出しのレベルを越えた長さになってしまいましたが、本当に政治の話は本来ならしたくないんです。ある種の後ろめたさすら感じています。早くこういう話をしなくてよい世の中になりますように。
ここまでが長かったので、コロコロニュースはひとつだけ。
ちなみに日本ではこの3年間の超過死亡(平均寿命などから予測した死亡者数以上の死亡者、予測できなかった死亡者)の数が60万人です。原爆2発、沖縄戦、東京大空襲をあわせても40万人だったのに、です。
フィリピンといえばドゥテルテ大統領ですね。ネットではやっている彼の名言(?)。
さて、やっと今日のお話です。今日はコンセプトについて。
定期的にこのコラムでご紹介していますが、新しいコラム登録者の方に向けて、また今までのみなさんにはおさらいとしてお話してみたいと思います。
●「コンセプト」がなにか説明できますか?
「コンセプト」って何かわかりますか?
この言葉は「ブランディング」と同じくらいよく知られているのに正確に把握できない言葉ですよね。
主にこういう言葉はデザインと関連していることが多いです。
デザインは「画(え)」ですから、言葉ですべて正確に表現するのがそもそも難しいです。だから、デザインに関係する言葉も正確に把握されづらいわけですね。ゴッホの「ひまわり」を言葉ですべてを説明できないのと同じです。
「ブランディング」や「コンセプト」などのようなある種「ふわふわした」言葉。私は「ふわふわ語」と名づけています。
こういったものを今よりもわかりやすい言葉で表現したりわかりやすく定義付けすることは、私の重要な使命の一つだと思っていまして、何ならもう「ライフワーク」といってもよいかもしれません。
さて、「コンセプト」を辞書で調べるとこう説明されています。
- 概 念
確かに。昔、学校で英語の勉強をしている時に出てきました。では、「概念」とは?これもウィキペディアで調べました。
ご安心ください。私も意味がわかりません。
しかし、ビジネスの現場などでは普通に「コンセプト」という言葉が飛び交っています。みなさん、意味を理解して使っているのでしょうか。それとも、「何となくこういう意味だろう」ということで使っているのでしょうか?
どちらかというと後者のように思います。私は少なくともそうでした。たぶんみなさん、「概要/概略(概念ではなく)」みたいな意味で使っていると思うんですよね。個人的には「節子、それコンセプトやない。ただの説明や(火垂るの墓より)」と言いたい。
「じゃあ、お前のいうコンセプトは何だ?」ということで、ビジネスの現場(特にブランディング)においての「コンセプト」の定義をお伝えします。
●コンセプトとは?
私たちはブランディングの会社です。
ブランディングとは「お客さまに選ばれる、選ばれつづけるための施策全般」と私は定義づけていますが、その施策は基本的には
- (1)言葉と画(え)で自社を表現する
- (2)それを幅広く伝える
ということになります。
言葉と画(え)で自社を表現し(1)、幅広くそれを伝える(2)活動がブランディングです。
言葉と画(え)で自社を表現する(1)をわかりやすくまとめたのが、私が考えた以下の「表現のマトリックス」です。
「コンセプト」はここに出てくる「イメージを言葉で説明したもの」となります。そうです。コンセプトは「言葉」なんです。ここ、大前提。ひとつ例を出しましょう。
- 「料理の鉄人」
これはかなり昔のテレビ番組のタイトルです。タイトルでもありますがコンセプトになっています。「鉄人」というだけで多くの人が
- ものすごい修行を積んでそう
- 超一流の料理人(なかなか食べられない)
- すごい厳しい人っぽい
- 女性というより男性のイメージ
- 三つ星レストランとかにいたのかな?
- 腕組みとかしてそう
などのイメージを「勝手に」持ちます。
そして、腕組みしている一流の料理人などの画(え)がなんとなく浮かびませんか?その料理人が料理をしているダイナミックかつ繊細な情景を思い浮かべる人もいると思います。
「イメージを勝手に持つ」と言いましたが、これを言い換えるとするなら「感じてしまう」ということです。つまりコンセプトをさらに別の表現をするならば「感じる言葉®」といえるわけです。「感じる」とは考えなくてもわかってしまう、理解できてしまうということです。
もうひとつ例を出すならば、以前、水曜日のダウンタウンという番組で
- 「ヤバめ素人」
という人がロケ中に勝手に入り込んできてリポーターの芸人を困らせるという企画がありました。
「ロケを邪魔するヤバめ素人」と聞いただけで、なんとなくこんな人だろうということを「感じ」ませんか?または番組を見ていたら「たしかにヤバめだ!」と感じませんでしたか?
実際に画像をご覧ください。
さらにもうひとつ例を。以前やっていたテレビ番組から。
ある番組で「ヒットソングのおなまえSP」という特集が組まれていました。
番組では70年代80年代などの歌謡曲に詳しいゲストを呼び、そのころの有名なヒットソングを作詞作曲プロデュースした人などにインタビューを行いながら、ヒットソングの名前にまつわるエピソードを紐解いていました。
番組のゲストには湯川れい子さんが出演していましたが、彼女が作詞した
「♪ダイヤル〜 回して〜 手を止め〜た〜」
など、切ないシーンが思い浮かびませんか?(先週のコラムにもこのひと節を載せましたが、なぜこの曲なんだというツッコミは受け付けません 笑)
これは歌の歌詞でありコンセプトではありませんが、シーンを連想させることができています。つまり「感じる言葉」になっている。しかも「スマホ」じゃダメ。「ダイヤル」だから感じる奥行き。昔の作詞家は本当に天才です。
で、湯川れい子さんはアン・ルイスの「六本木心中」の作詞もしていますが、番組の中で「”心中”という言葉にはある種のエロティシズムがある」と言っていました。
これは「そう感じる」ということであり、まさに「感じる言葉」をつくる達人だからこそこういうことを言語化できている証拠でもあります。
作詞家が感じる言葉を紡いでつくった歌詞で、狙い通りの感情を聴き手が感じれば成功。その歌詞に「感じる」人の多さが曲がヒットするかどうかを決めるわけです。
ちなみに「コンセプト」についてダメな例も挙げます。
たとえば以前、ドトールコーヒーの店内ポスターにこんなコピーが書いてありました。
- DOUTOR LOVERS GIFT 今年も「愛すコーヒー」を贈ります。
季節は夏だったのですが、おそらく大手の広告代理店さんが、「今年のお中元のコンセプトは『愛』でいきましょう!」なんてことを言って提案したと思います。
しかし、私の考えではこれはコンセプトではありません。画が浮かばないからです。つまり何も感じない。何ならダジャレとしてのレベルも低すぎる。
言葉を聞いて画が浮かぶと、思考(連想)がはじまりますが、ドトールのコピーでは何も思考がはじまりません。
テレビCMを見てみてください。今の広告はけっこうな割合で「ダジャレ」です。そのレベルも印象に残るくらい笑えれば、高ければいいのですが(「笑う」ということは「面白い」と自然と感じている)、そうではないですよね。
だいぶ昔のCMですが、ダイドーの缶コーヒー「デミタス」は「ミタス(満たす)、デミタス」というコピーを使っていました。CMを見たとき、思わず「だから何?」と心の中で冷ややかなツッコミを入れたくらいです。ドトールも含め、コーヒー関連の会社のセンスを疑います(毒)。
●「コンセプト」があると何がうれしいのか?
というわけでまとめると、コンセプトとは「イメージを言葉で説明したもの」であり、「画(え)や情景が自然と浮かぶ言葉」です。
では、「コンセプト」があると何がうれしいのでしょうか。それは、
- 短い言葉の中に圧倒的な情報量を詰め込むことができる
ということです。
「料理の鉄人」の例で考えるならば、単純に「料理がすごく上手な人」というよりも伝わる情報が圧倒的に多いです。
「どこそこで修行したんだろうな」とか「何年も修行したんだろうな」とか「厳しい下積み時代があったんだろうな」などを、勝手に連想します。しかも、その情報が正確かどうかは問いません。「そう感じる」のです。そして「そういう印象になってしまう」のです。
つまり、コンセプトの定義は
- 短いのに圧倒的な情報量を詰め込むことができる「感じる言葉®」
です。
これはものすごい強烈な力です。「短い言葉」ですから、うまいコンセプトがつけば瞬時に相手に持ってほしい印象を与えられるということです。それができれば選ばれる可能性が高くなりますから、コンセプトづけはブランディングには欠かせないというわけです。
ということは、「コンセプト」が社名やブランド名に内包されているとそのネーミングは強力なものになるということです。「カギの救急車」などは好例ですよね。社名やブランド名につけられなければキャッチコピー(タグライン)にコンセプトを内包させます。
このようにコンセプトをしっかりとつくりこんでいくことで、自社をわかりやすく、速く、深く相手(お客さまや採用応募者)に理解してもらうことが可能となります。
もうひとつうれしいことは、「デザインにしやすい」ということです。「画(え)が浮かぶ」わけですから、それをもとにすればデザインに起こしやすいです。
ちなみに人間は
- 概念的記憶システム(主に言語的・バーバル)
- 心像的記憶システム(主に画像やイメージ・ノンバーバル)
の2つで認知を強くすると言われています。
つまり「コンセプト」と「デザイン」が両輪になっていると、認知はより強力になるわけです。ロゴマークの必要性のひとつもまさにここにあります。
さて、ここまででもだいぶ長いのですがもう少しだけお付き合いください。
「じゃあ、コンセプトはどうやったらつけられるの?」
という疑問をお持ちではないですか?はっきり言って難しいです。ですから私たちのようなプロがいるわけです。プロに考えてもらうのがおすすめですが。。。ちょっとしたプレゼントをみなさんに。
「コンセプトテンプレート©」と私が名付けたものがあります。これを使うと比較的かんたんにコンセプトをつけられたり、コンセプトを考える足がかりになったりするものです。
電車に乗っている時とか、トイレに入っている時とか、呑み会で仕事の話をまくしたててる時とか、こういった時に思いついた、または何かで見た「コンセプトをつくるのに役立ちそうな言葉」を私は常に書きためていまして、それをご紹介して終えたいと思います。まさに「感じる言葉集」です。
【おとなの〇〇】
たとえば、「大人の修学旅行」など。「〇〇」に本来的には子供が行うことが入るとコンセプトになりやすい。
【子供の〇〇】
逆に、本来は大人が行うことを「〇〇」に入れると良い。「子供新聞」「子供の株式投資」など。
【〇〇のお医者さん】
専門家であることをアピールしやすいテンプレ。「腕時計のお医者さん」など。
【〇〇の鉄人】
鍛錬を積んだ凄腕の技術を持っていることをアピールしやすいテンプレ。「料理の鉄人」など。
【〇〇界の□□】
「サッカー界の貴公子」「飲食業界のチェ・ゲバラ」などなど。「〇〇」と「□□」にはギャップがあったほうが良い。
【和製〇〇】
「和製メッシ」「和製マリリンモンロー」などなど。「〇〇」には日本人の名前が入る。世界的な実力者を連想させる。
【黒い〇〇】【白い〇〇】
色が持つイメージを使ったテンプレート。通常色がつきそうにないものが「〇〇」に入る。「黒い社労士」「白餃子」など。
【〇〇ファンタジスタ】
たとえば「ロゴファンタジスタ」と言えば、独創的なアイデアを出す人をイメージさせられる。
【〇〇オタク】
ものすごい知識や技術を持っている感じを演出できるテンプレ。ただし、コミュニケーションがうまくないかもという若干ネガティブな印象も含む。
【〇〇が通う〇〇】
プロ中のプロを表すテンプレート。実際にヨメに言われた「歯医者が通う歯医者」という言葉を聞いて私は歯医者を決めました。
【〇〇の成長痛】
成長過程におこる問題や歪みを表すことができる。たとえば「会社の成長痛」「組織の成長痛」など。
【〇〇×〇〇】
契約デザイナーのひとりが経営する「書庫×BAR」から思いついたもの。やはり前後の「〇〇」にギャップが必要。
【〇〇の特効薬】
薬を使うようなことではない問題を解決できることを表現できるテンプレ。「人事の特効薬」「算数嫌いの特効薬」など。
【〇〇のソムリエ】
ワインのソムリエがいろいろなワインに精通しているように、ある特定の分野に精通している人を連想させる。「目利き」というイメージも含む。「アプリソムリエ(実際にいます)」など。
【〇〇の錬金術師】
無から有を生み出す人を表現できるテンプレート。「香りの錬金術士」など。
【〇〇の鬼】
厳しい人を表すテンプレート。自分より人に厳しいイメージを含む。「ラーメンの鬼」など。
【〇〇の救急車】
緊急事態を解決してくれるプロフェッショナル感を感じるコンセプト。有名なのは「カギの救急車」。
【〇〇のレスキュー隊】
こちらも緊急事態でかつ難易度の高い問題を解決してくれるイメージを表現するコンセプト。
【〇〇の学校】
一から丁寧に教えてくれる場所、入門編をやってくれる場所というイメージを出せるコンセプト。「お金の学校」など本来学校では教えてくれなさそうなギャップのある言葉と使うと効果的。
【平成(令和)の〇〇】
その時代を代表するイメージを生むコンセプト。「〇〇」には違う時代の言葉が入ったほうが良い。「平成の坂本龍馬」など。
【昭和の〇〇】
「平成の〜」とは違う効果を生む。懐かしさを連想させるコンセプト。「昭和のナポリタン」というと昔の喫茶店や洋食屋さんを連想させる。
【〇〇の応援団】
サポートしてくれるイメージを生むコンセプト。「運動会の応援団」はただの説明文だが、「係長の応援団」となったときにターゲットが明確になり、「私のことをサポートしてくれるのね」というイメージを生み出すことができる。
【工場直、産地直】
安さと品質の高さを表現するコンセプト。津久井が担当した自動車修理工場さまのキャッチコピー「工場直の価格」はディーラーよりも安くて品質も担保されているイメージを生み出し集客を2.5倍にした。
【〇〇の軍師】
頭脳明晰で正しいことに導いてくれるというイメージを生むコンセプト。「集客の軍師」はただ集客が上手い人以上の情報量を含む。
【ウラ〇〇】
表向きのものとは違うすごさ、良さ、視点を連想させ期待値を上げるコンセプト。また、希少性も感じさせることができる。「ウラメニュー」などに代表される。
【もうひとつの〇〇】
こちらも「ウラの〇〇」と近い。「もうひとつの放課後」というと普通の放課後よりも期待値を上げることができたり興味関心を引き出せる。
【第2の〇〇】
代表されるものだけがいいものではない、というイメージを連想させることができる。実はもうひとつあるんだという新しい認識を生み出すのに有効。
【〇〇の教習所】
こちらも「〇〇の学校」に近く、入門編の人向けに響くコンセプト。かつ実技が伴うイメージがある。
【ポスト〇〇】
次世代を表すコンセプト。今のものよりも進化しているイメージを生み出す。
【土地+〇〇】
「東京ばな奈」「スープストックトーキョー」のようになぜか土地の名前が入っただけでオリジナリティを感じさせることができる。「〇〇」にはその土地特有ではない一般的な言葉が入る。
【〇〇甲子園】
大人になっても夢や青春と競い合いを正々堂々としていると感じさせるコンセプト。「居酒屋甲子園」が有名。
【〇〇クラブ】
「コミュニティ感」「通の人の集まり」を連想させることができるコンセプト。実際にはなさそうなギャップが必要。「食パンクラブ」など。
【究極の〇〇】
「知る人ぞ知る」感や、いろいろある中でもっとも優れていると感じさせるコンセプト。「1件1円の究極のプロモーション」というコンセプトでサービス展開している先輩経営者がいる。
【ライバルは〇〇】
自分の会社や商材の比較対象をスライドしたりティーアップしたりする。「ライバルはApple」だと比較対象を高め自社をティーアップできる。また友人は格闘技道場を経営しているが、「ライバルはフィットネス」と謳い、格闘技をやりたい人ではなくフィットネスに関心がある人の集客に成功している。
【〇〇の最終形】
いろいろ試した結果、これがもっとも優れていると感じさせるコンセプト。
【季節+の〇〇】
「〇〇」にはその季節では普通体験できない言葉が入る。これにより興味関心をそそる。「夏のいちご」「秋の夜桜」がもしあると、ギャップによりそれを知りたいという欲求を生み出すことができる。
【プロ〇〇】
プロとギャップがある言葉がつづく。「プロ市民」や「プロヒーロー」「プロ彼女」など。ネガティブな意味になるケースが多いと思われる。
【〇〇男子、〇〇女子】
「草食男子」「佐川男子」などに代表されるコンセプト。「そういうカテゴリー、ジャンルがある」と認知させることができるが、メディアの力を必要とすることが多い。
【ミスター〇〇】
よく使われるコンセプト。その業界の代表を表現する。
【最後の〇〇、ラスト〇〇】
希少性を感じさせるコンセプト。すでに存在しないと思われる言葉と使うことが多い。「ラストサムライ」。
【間違いない〇〇】
失敗したくない人に、正しい選択をイメージさせるコンセプト。
【〇〇スタイリスト】
たくさんの中からその人にあった最適なものを提案してくれるイメージを生み出すコンセプト。
【〇〇の救世主】
誰かを救ってくれるイメージを生むコンセプト。いろいろな人に助けを求めたが結果が出なかった人などに響く。
【形のないものに形を与える】
「音」には形がないが、「音の形」というと「形があるとしたらこんなイメージだろうな」という連想を相手にさせることができるコンセプト。
【音のないものに音を与える】
こちらも上記と同様の効果を生む。「夜の音」など。
【味がないものに味を与える】
こちらも同様。「甘い記憶」など。
【人間〇〇】
本来人間ではないものと組み合わせて使うコンセプト。「人間パワースポット」と言えば「すごい力を秘めた人間」というよりもさまざまな連想を刺激できる。
【〇〇から□□まで】
幅を表すことでさまざまなことに対応しているイメージを生み出す。弊社林に津久井がつけたキャッチコピーは「秘書から田植えまで」。経験の豊富さを「経験が豊富です」というよりも伝えられる。
【すてきな〇〇】
「すてき」という言葉を本来使わない言葉と使うと効果的なコンセプト。「おいしいスパゲッティ」よりも「すてきなスパゲッティ」としたほうが聞いた人の興味関心を刺激できる。
【〇〇問屋 〇〇の問屋さん】
「工場直」と同じような効果を生む。本来問屋さんが関係しないような言葉と合わせて使う。安さと専門性による品質の良さをイメージさせる。
【R-〇〇の□□】
年齢制限が無いものにあえてかける。「R-18のプラネタリウム」などは大人らしいロマンチックな期待感を生む。
【箸で食べる〇〇】
〇〇には通常箸で食べないものがくる。和と合うテイストとともに、今までにはなかったのだろうという期待感を生む。
【〇〇が何分の何】
友人が手掛ける花粉症に効くハーブの謳い文句は「ティッシュの使用量が5分の1」。数字が入ることで自分の鼻が楽になる情景を連想させる。
【〇〇すぎる□□】
「美人すぎる国会議員」など。一定ラインを超えたクオリティや期待感を生む。「〇〇」と「□□」はギャップがある言葉を入れるとより効果的。
【心の〇〇】
「心の報酬」「心の花束」など、人間の心に訴えかける大切なもの、というイメージを連想させる。
【今日の〇〇】
限定感を生むコンセプトをつくれる。喫茶店の「本日のコーヒー」など。
【奇跡の〇〇】
偶然の産物でないと得られないクオリティの高さを感じさせる言葉。「奇跡の一枚」など。
【あぶない〇〇】
背徳感やヤバさ、グレーなイメージを演出する言葉。生々しさを消すためには「〇〇」に少しポップでかわいい言葉が入ると良い。「あぶないガールフレンド」など。
【世界一楽しい〇〇】
〇〇にギャップ言葉が入ることで価値や視点を切り替えさせる言葉。「世界一楽しいゴミ拾い」など。
【数字をひとつ付け足す】
たとえば、「東京24区」「(サッカーの)12人目のプレーヤー」など、本来であれば入らないはずの数字を足すことで新しい価値や視点、興味関心を与える。
【〇〇以上□□未満】
特別なポジショニングを表現できる言葉。「友だち以上恋人未満」が有名。
【〇〇のアップデート/アップグレード】
本来アップグレードしないようなものが〇〇に入るとギャップを生み興味を引く。また「今までより一段上」という印象を出せる。
【月曜日〜日曜日】
曜日には何かを連想させるイメージが内包されているため、情報量が増える。「月曜から夜ふかし」などは意味も「感じる」ことができる。「水曜日のダウンタウン」「水曜日のカンパネラ」なども意味が直感的にわからなくても言葉としての面白さや「意味ありげ」さを感じさせる。
【〇〇の取扱説明書(トリセツ)】
〇〇には取扱説明書が普通はない言葉が来る。「旦那の取扱説明書」「B型のトリセツ」など。
【食べる〇〇/飲む〇〇】
〇〇には通常食べたり飲んだりしないものが入るとギャップを生み刺さる。「食べる美容液」「飲むヨーグルト」など。
【〇〇プライス□□クオリティ】
ギャップのある2語がはいると一見矛盾しているものが成立するように感じる。「金町プライス銀座クオリティ」「牛角プライス叙々苑クオリティ」など。
【みんなの〇〇】
親しみと分け隔てなさを感じる言葉。通常ハードルが高そうなものの敷居をかわいく下げてくれる。「みんなのゴルフ」「みんなの党」など。
本来毎日は来ないものを入れる。「毎日が給料日」とすると、デイトレーダー養成セミナーなどのコンセプトになる。
「お口の恋人、ロッテ」が有名。「常にそばにいる素敵な存在」を感じさせることができる。
不思議な力で何かをしてくれそうな印象を与える。「マジックミシン」というお店があるが、どんなに傷んだ洋服でも直してくれそうな印象を生む。
「愛」ではなく「恋」にすることで、切なさや甘酸っぱさなどを感じさせることができる。「恋するチーズケーキ」など、本来恋の対象にならないものが入るとギャップが生まれて印象が強くなる。
背徳感とそれによる魅力を感じさせることができる。「真夜中のスパゲッティ」など。
「ここで購入しないと二度と出会えないかもしれない」という希少性を感じさせることができる。
〇〇にぜんぜん控えめではない言葉が入るとギャップを生み感じる言葉になる。「控えめに言って最高傑作」など。
「創業手帳」「おしゃれ手帖」が有名。メディアの名前などに使える。
「ハック」は「仕事の質や効率、高い生産性を上げるための工夫や取り組み」のこと。これに加えて、「裏ワザ」感を感じさせることができる。「ブランディングハック」など。
「パワーワード」のように強力であり効果が高い印象を与える。力とは関係なさそうなものをあわせて使うとよい。
「キラーワード」のように、一点集中、芯を食っているイメージを与える。
熟成されたイメージを与える。「熟成させています」というよりもそれを感じる。「寝かせ玄米」は友人のブランド。
ギャップと興味関心を引くテンプレート。ビズアップは「デザイナーのいないデザイン会社」です(ディレクターのみ)。
ネガティブではあるが、とても下手くそなイメージ、要領が悪いイメージを与える。「IT音痴」など。「IT音痴が最も選ぶスマホ」などとすると、ITに自信がない人に刺さるコピーになる。
一発で歴史を感じさせることができる。
一見再現性がなさそうなものにつけることで、科学的に解決できる印象を与える。「恋愛工学」など。
「罪なカルボナーラ」など、やってはいけないことだからこその背徳感や魅力を感じさせる。これの派生形で、「痛風丼」などがある。
「小さな朝」など、本来大きさをつけられないものにつけると興味関心を感じさせることができる。
ダイハツ「ワンダフルスモール」のように、本来ネガティブな意味になりがちなものを上手に正当化してくれる。
あたかもそういった形式のものが存在する(市民権を得ている)ように感じさせることができる。「名駅式坦々麺」「燃焼系アミノ式」など。
専門家の集まりを感じさせることができる。「そんな集団があるんだ」と感じさせるワードが〇〇に入るとより効果的。「物流創造集団」など。
こちらも「そんな集まりがあるんだ」と感じさせることができる。専門家の集まりというイメージはないが、業界を代表するイメージを生む。「お笑い向上委員会」など。「弁当向上委員会」は昔キョンキョンが出ていた味の素のCM(R-40)で使われていた。
公的な組織のイメージを与える。「スマホの相談センター」であれば行政から委託を受けていそう。また、ある種の正当化を感じさせることができる。昔、ビズアップでは住宅街にオフィスがあったときに「松原デザインセンター」と名乗っていた。あえて住宅街にある(正当化)というイメージを生むため。
本来うわさになるようなものではないようなものが〇〇に入ると、ギャップを生み興味関心を引く。ちなみに「うわさの青汁」というキャッチコピーの青汁があったが、そのうわさを聞いたことはない(笑)。
「くだもの屋さんのジェラート」のように、〇〇に入る言葉により□□の期待値を高めることができる。「お肉屋さんのハンバーグレストラン」など。
ディズニーランドは「地上で一番幸せな場所」。最高であり、一度は体験してみたいと思わせるテンプレート。
普通ではないな、という期待感を醸成するテンプレート。「ガーリックモンスター」などは「ただのガーリック(またはガーリックに詳しい人)」ではないなと感じさせることができる。
こちらも「ただの〇〇ではないな」と感じさせることができるテンプレート。「ザ・パーティー」というと、ただのパーティーではないな、と感じ興味関心を与えることができる。
目には見えないけど、確かに存在しているものというイメージを与えることができる。さらには、目に見えないからこそとても大切、という印象も与える。ビズアップのお客さまは「透明資産」として飲食業のコンサルをされている(本も出しています)。
〇〇には同じ言葉が入る。繰り返すことでかわいらしさを感じさせることができる。「サイクル&サイクル」など。
「X」の持つイメージから、ブラックボックス感、それによる期待感を感じさせることができる。ちなみに「東京X」という豚肉ブランドがあるが、これにはあまりブラックボックス感を感じない。なんで豚肉のブランドでこのネーミングにしたんだろう。
〇〇には本来義務教育ではないものが入る。それにより、「重要な何か」を感じさせることができる。「お金の義務教育」「大人の義務教育」など。
すでにあるジャンルの新しいバージョンだと一発で理解できるとともに、すでに市民権があると感じさせることができる。また、アップグレードした〇〇だと感じさせることができる。「新体操」「シンゴジラ」など。
「ここ一軒で青森県」というコピーの居酒屋で思いついたテンプレート。ここだけで十分というイメージを与えることができる。
「クッキー界のフェラーリ」と称している商品がある。ただ高級なだけではなく、ある特定の美的センスや希少感、コアさを感じさせることができる。
都会のイメージとギャップがある言葉が〇〇に入るとよい。「都会のオアシス」など。「都会の森」というテレビドラマが昔あった。
つつましやかな幸せ、幸福感を感じさせることができる。「天使のチーズケーキ」など。「天使のウインク」は名曲(R-45)。
甘酸っぱい思い出のような期待感を醸成することができる。「みかんの初恋」というみかんジュースがあったらどうだろう(すでにあるかな?)。
「たまにはいいよね」「がんばったからいいよね」と購入することを正当化してくれるテンプレート。ローソンは最近「ご褒美スティックケーキ」という商品を販売している。
〇〇の気持ちについつい共感してしまう、または経験してみたいと感じてしまうテンプレート。「王様の気持ち」というベッドがあったら、寝てみたいと感じる。
切なさやセクシーさ、甘さを感じさせるテンプレート。「葡萄の吐息」というブランドのぶどうジュースがあったらどうだろう(昔「桃色吐息」という曲があったな)。
さて、いつも以上に長いコラムになってしまいました。なにせ、書き溜めていたものをほとんど吐き出しましたので。
ぜひ活用いただければと思います。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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