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先週のコラムでは、つい先日発表があった新語・流行語大賞についてネーミングの観点からお話しました。
そして、ちょうど先週のコラムが発表された日に清水寺の「今年の漢字」が発表されましたね。
今年は「熊」でした。「くま」。。。
被害に遭われた方もいるので笑ってはいけないんでしょうけど、なんだか違和感が。。。
まあ、決めてるのは一般公募による投票らしいので(今年は18万9122票、昨年は22万1971票)、清水寺の人が決めているわけではないようです。
ということは、ニアリーイコールでマスメディアが決めていると言っても過言ではなく(世論誘導できてしまう)、急にこの年末行事をさめざめした目で見てしまいそうになります。
あと、「熊」になったのは熊の被害だけでなく「熊猫」も絡んでいるそうです。これで「パンダ」と読みますね。帰っちゃうから、中国に。
「今年の漢字」史上、動物が選ばれるのは2回目らしいです。さて、1回目の動物はなんだったかわかりますか?ヒントは、2003年です。
答えは、「虎」。
想像がつくと思いますが、「阪神タイガース」の「虎」です。この年、18年ぶりに阪神タイガースがリーグ優勝したからなんだそう。
ちなみに、「今年の漢字」はいつからスタートしたかわかります?けっこう昔からやってそうですよね。
実は、はじまったのは1995年なんだそう。「え?そんなに昔じゃないじゃん」と思いません?
では、なんで昔からやっているように感じるのか?
それは、「清水寺が(で)やっているから」にほかなりません。「お寺の行事」に見えるから、古くからやっているように感じるわけです。
しかし、実は主催しているのは公益財団法人 日本漢字能力検定協会(漢検協会)なんですよ。
タネを知ってしまうと拍子抜けするかもしれませんが、うまいことブランディングしましたよね。お寺や神社の行事に見せることで、由緒正しいように感じさせるとは。。。
そんな由緒正しいもうひとつのイベントが、本日執り行われます。なんと、今年で16回目。「今年の漢字」と14年しか差がないです。
その名も、
- ロゴマークオブ・ザ・イヤー2025
です。
え?「ロゴマークオブザイヤー」は知らない?なんと!それは驚きです。先月のコラムでも告知させていただきましたYO!
というわけで、本日、ついに発表のときを迎えました!ロゴマークオブ・ザ・イヤー2025の結果を発表いたします!
と、その前に。。。
一応おさらいでロゴマークオブザイヤーの概要、歴史についておさらいさせてください。
ロゴマークオブザイヤーとは?概要、歴史
ロゴマークオブザイヤーはあの日本一のロゴ専門デザイン会社ビズアップがはじめたイベントです(笑)。
その歴史は「まあまあ」あり、2010年からはじまって今回でなんと16回目!!
でも、ロゴに優劣をつけるなんてそもそもできません。だって、そのお客さまごとにさまざまな想いや感情が入ってできあがった大切なものだから。
起業当初からショーレース系のイベントをロゴの業界でもやりたいと思っていましたが、この部分(優劣をつけなければいけないのか)がボトルネックになってどうしてもできませんでした。
そんな時、ビズアップ代表の津久井氏に(私のことですけど。。。)アイデアの神が降りてきたといいます。
「その年の世相を表すロゴを決めればいいんだ!」
その年にあったできごとから、その年の風潮、世相、または来年に向けての願いなどを導き出してそれに近いロゴを決めればロゴそのものの優劣ではなく近いか近くないかという評価基準ができる、というアイデアを思いついたと(当時の)津久井氏はいいます。清水寺の「今年を表す漢字一文字」に近いですが。。。
概要はこんな感じです。
- この1年間(ざっくり2024年11月〜2025年10月)に作成させていただいたロゴのみが対象。
- 5部門を設定。デザインの優劣を競うものではなく、テーマにあったロゴはどれかを選ぶ。たとえば「元気がでるロゴ部門」などを設定し、もっとも元気がでるイメージのロゴを選定。
- 一般の方300名程度にWEBリサーチをかけて選定
発表は毎年12月初旬〜中旬のメルマガにて発表。しっかりとプレスリリースを打っていくようにしていますので御社のロゴがメディアに取り上げられるかも!
ロゴマークオブ・ザ・イヤーはお客さま側にしていただくことは一切なく、費用を徴収するということもまったくないです。
ちなみに、2010年にこのアイデアを思いついた時点では「ベストロゴ大賞」という仮称でした。
なんだかしっくり来ないなー、もっといいショーレースのネーミングがあったはずだなーと思ったとき、日本カーオブザイヤーを思い出して「これだ!」と直感しました。はい、「パクリ」と言われてしまうとそうかもしれません。
で、ちょっと不安になりましたがネットで調べると「〜〜オブザイヤー」は他にもいろいろありました。というわけで定番の言い方ということでどうぞよろしくお願いいたします(笑)。
さて、なぜこんなことをお金をかけてまでやるのか、という疑問を持たれるかもしれません。
はじめは単純に「面白そうだから」という理由でした。いまでもそこから大きくはずれていません。でも、面白そうというだけではここまでやるモチベーションにはなりません。
で、私が大事にしている考えがあります。それは、「日本一だったらどう振る舞うか?」というものです。
自分が日本一の◯◯だったらどうするか。どんなことを言うか、どんな行動を取るか。これってとっても大切な考え方だと思います。本当に日本一になる前でも全然OK!日本一として考え、振る舞うことが大切!
だからこのイベントも日本一だったらやるしかないでしょ!と思っています。
そして、もうひとつ大切なのが「つづけること」だと思っています。毎年年末は社内も忙しいですが、そこはみんながんばって準備をしてくれています。
ということで、ロゴマークオブザイヤー2025、まずは2025年を象徴する5部門の紹介です。今年はどんな部門が設定されたのでしょう?
ロゴマークオブザイヤー2025について
今年で16回目となるロゴマークオブザイヤー2025。さて、今年はどんな5部門が設定されたのか?
今年の部門は以下の5部門です!
2025年になってからマーケティングのキーワードとして上昇してきている「老舗」。インバウンドの第4の波としても注目が集まっているようです。また、映画『国宝』が興行収入160億円を超える大ヒットという、実写日本映画では22年振りの快挙を受けてこの部門を設定しました。
「国宝(観た)」が流行語大賞にもノミネートされていましたが、ワタクシ、まだ見てないんですよね(面白いんですか?)。
22年ぶりの快挙ということですが、22年前の映画はなにか知ってます?チャッピーに聞いたら「レインボーブリッジ封鎖できましぇーん!」のあの映画とのこと。
【最も「個性爆発な」ロゴ部門】
ミャクミャクみたいにキャッチー。なんだかミャクミャクした動きを感じる。どうにもこうにもミャクミャクしてる(笑)などなど。大阪万博のマスコットキャラクター『ミャクミャク』を感じる!? たまにはこんな「なんじゃこりゃ!」な部門があっても楽しいのかも?と思ったことを受けてこの部門を設定しました。万博の象徴として後世に残るであろうミャクミャクの存在感に敬意を表して。
ということだそうです。。。ちなみにこれらの部門は私が設定しているのではなく、ビズアップのスタッフたちががんばってやってくれております。ワタクシ、ミャクミャク嫌いなんだけどな(みんなごめん汗)。
でも「メリコの法則」の「メ(目立つこと)」だけは異様に飛び抜けてましたよね。
【最も「平成を感じる」ロゴ部門】
ビビッドなカラーリングやカクカクしたデジタル感、華やかな近未来感が特徴の平成。今年は当時のファッション、音楽、キャラクター、ゲームなどがリバイバルされ新しい魅力として受け入れられた年でした。特に、Z世代(1990年代後半から2000年代生まれの世代)にとっては、新鮮でおしゃれでエモい文化として人気を博したためこの部門を設定しました。
昨年は【最も「昭和を感じる」ロゴ部門】がありましたが、早くも今年は昭和から平成へと時代が移ろいだようです。たしかにそうだよな。平成のスタートって、私は小学6年だったわけで、もう40年近く前。
今のZ世代といわれる人たちにとって、40年前ってはるか昔ですよね。私が二十歳そこそこのころの40年前って、まだ戦後からちょっとしたくらい。そのころのことなんて大昔のイメージでしたが、今の子たちにとっては初期の平成はもはや大昔なんでしょう。
【最も「SNSで推したくなる」ロゴ部門】
かねてからの推し活ブームは衰えを知らず、アイドルやアニメだけでなく企業や自治体のキャラクターやシンボルも推しの対象となってきている昨今。ソニー銀行の推し活口座、100均の推し活コーナーの充実、timeleszやHANAなどのオーディションブームなどを受け、より一層推し活がブームとなった年でした。それと併せ、TikTok発のカルチャーやZ世代・α世代がけん引するカルチャーが話題になっていることを受けこの部門を設定しました。
そもそも「α世代」って何よ?おじさんそこからしてもうわからんのよ。チャッピーに聞いたら、「Zの次で一周してα」なんだそうです。ふーん。
「推し活」なんて鼻で笑っちゃうと当初は思っていましたが、なかなかどうして侮れませんね。そもそも「誰か、何かを応援する」って、人間の本能的欲求に近いのかもと思っちゃいます。
サッカー日本代表がはじめてワールドカップに出場したとき、今はなき歌舞伎町コマ劇場前をたまたま通過したときにオーロラビジョンで日本対アルゼンチン戦をやっていて、そのままサポーターに紛れて応援したんですね。そのときに「応援ってめっちゃ楽しい!気持ちいい!」と思ったんです。
SNSの時代はまさに「色の時代(バリエーションの時代)」で、この「応援活動」がめちゃくちゃ細分化されたのが「推し活」なんでしょうね。
2025年は終戦80周年の年でした。年々語り部が減る中で、その役を買って出て積極的に活動する若者の存在が目立った年でした。また、代名詞とも言える「我が巨人軍は永久に不滅です」の名ゼリフを残した長嶋茂雄さんの逝去や、イチローの殿堂入りなど、球界からも語り継ぎたい出来事が多かったことを受け、この部門を設定しました。 」に変更しました。
そうなんですよね。今年は終戦から80年(ちなみに昭和にすると100年)。戦争のことをリアルに体験した方々がどんどんいなくなってしまって久しいですが、そうなるとちゃんと軍事的緊張が高まるから、人間って本当に愚かですよね。
小学校の時の修学旅行の夜、戦争体験者の先生に「戦争の怖い話して!」と生徒たちが詰め寄ったことがあります。
その先生が静かに、「おれも君たちも寝られなくなるからやめよう」と言ったことを思い出します。厳しい先生でしたが、その静かな物言いがかえって恐ろしいほどに戦争のリアルみたいなものを感じさせました。
その後、自分の祖父にもほとんど同じことをいわれ、戦争の恐ろしさを間接的に体感したような気持ちになったものです。
戦争は、いつの時代も、どんな国でも、はじめるのは年寄り、犠牲になるのは若者と女性、子どもですからね。イヤですね。
さてさて、2025年は果たしてどんなロゴマークが選ばれるか!?
ロゴマークオブ・ザ・イヤー2025 結果発表
それではいよいよロゴマークオブ・ザ・イヤー2025結果発表です!!ダララララララララララララ、ダン!(ドラムロールです 汗)
はい、いかがでしたでしょうか。
一般の方のアンケートの結果ですので、デザインと深い関わりがあるわけではない方の感性がわかります。この色、この形、この質感から一般の人は何を感じるのか、何のイメージを持つのか。。。
我々のような立場の人間からすると本当に学ぶことがあります。300人分の「第三者視点」ですからね。
また、得票率に着目するのも面白いです。次点との差が大きいのか、僅差なのか。それらのデザインは似ているのか似ていないのか、などの視点を持つと違う楽しみ方ができますね。
さて、受賞されたみなさまには特別冊子を年明けにお贈りしますので、そちらも楽しみにしていてくださいね!
ちなみに来週のコラムは年内最後になります。あと少しで今年も終わりですね!コラム、今年もやり切ったぜ!!
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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