ロゴコラムLogo column
5月になっちゃいましたよー。ということは、2026年も3分の1が終わったということです。
光陰ミサイルの如し。早すぎる。ちなみに、年明けから同じだけの時がここから過ぎると9月に入るわけです。私の中では9月はもはや「年末」です。そっからあっという間だから。
そして何を隠そう、私は来月には50歳になってしまいます。50歳って。初老っす。やべえ。半世紀生きた。道半ばもいいところ過ぎる。
しかしながら、ワタクシ100歳まで生きる宣言をしておりますので、今はまだ折り返し地点。しかもあと20年くらいしたら、技術の進歩で平均寿命120歳くらいになるんじゃないですかね。
それにしても、ビズアップを創業して20年ですよ。本当に早い。自宅でひっそりと起業したのがつい昨日のことのよう(遠い目)。
本日は、起業したころの感傷に浸りながら、「なぜビズアップがブランディングの仕事をしているのか?」といったところに触れてみたいと思います。
いえ、昔話ではないですよ。御社にもきっと役に立つ話です。
「ロゴの会社」から「ブランディングの会社」になった理由
起業したばかりのころは、ビズアップはロゴの仕事しかしませんでした。名刺や封筒のご依頼などは、なんならお断りするくらい「選択と集中」をしていました。
しかし、今ではブランディングの仕事全般を承っています。ロゴだけではなぜダメなのか、そのあたりを長々とお伝えしてみたいと思うわけです。
最近、「ブランディングをきちんとやりたい!見直したい!」というご相談はとても増えています。
- 社外に向けたアウターブランディングも
- 社内に向けたインナーブランディングも
どちらもお話が増えてきているんですね。
それだけ、
- モノだけでは売れない時代になった
- 働く理由が昔以上に必要な時代になった
このような時代の変化がこういった事象を引き起こしている、と考えています。
これを多くの経営者が肌で感じはじめている。それを感じはじめた経営者からブランディングに着手しだしている。
なので、このあたりに敏感な企業から成功していく時代になる、と言い換えてもいいかもしれません。
ビズアップをただのデザイン会社、ただのロゴ作成会社だと認識しているお客さまはまだ一定数いますが、やはりこのコラムを読みこんでくださっている方の認識は少し違うようです。
なぜ「ロゴだけではダメなのか」、「なぜこれからブランディングが重要なのか」という話は、私の「心の師匠(会ったことないので)」、サイモン・シネック氏の提唱する
- ゴールデンサークル
の考え方を使って説明することができます。
まずは、「ゴールデンサークル」とはなんぞや?というお話からします。
こちらの動画を見ていただくと早いのですが、20分近くあります(ちょっと長いですね)。
私がこの動画をはじめて見たのは、今から16年も前、2010年のことでした。衝撃を受けましたね。
今では7000万回以上再生されている!うちの社員にも研修で必ず見せています(日本語字幕もつけられます)。
20分近くある動画なので、見なくてもわかるよう、カンタンではありますが解説してみます。
まず、ゴールデンサークルとはこの写真のようなものです。

同心円状になっていて、
- Why
- How
- What
と書いてありますね。
Whatは、
- 御社の商品
です。我々でいえば「ロゴ」もそうですし「名刺」や「封筒」といったものも「What」です。
「モノ」だけでは、なぜ売れなくなってしまったのか?
多くの企業が、このWhatを売り込もうとします。
昔(モノの時代)はそれでよかった。売れました。しかし、今はそういう時代ではないです。
昔のようにモノを売ろうとしてもなかなか売れない時代に、我々はどうすればいいのか。
サイモン・シネックは
- 「Whyからはじめなければいけない」
と言っています。たとえばどういうことか?動画の中にはAppleの事例が出てきます。Appleは、
- わたしたちのやることは、世界を変えられると信じている(Why)
- 世界を変える方法は、美しいデザインで、かつ直感的に使える、今までにないデバイスだ(How)
- その結果、このような製品ができあがった(What)
このようなメッセージを発信しつづけている(特にスティーブ・ジョブズの時代)からこそ、コアなファンがいて、多くのユーザーがいる、とサイモンは主張しています。
「Why」からはじめるのは今の時代より一層必要性が出てきたと前述しました。しかし、昔から本質的には変わらないともサイモンは言っています。
動画の中には、
- ライト兄弟
- マーチン・ルーサー・キング
など、歴史上の偉人も出てきますが、そういった人たちはすべからく強い「Why」を持っていた、人々はその「Why」によって動かされていた、というのです。
さて、なぜ昔は「Why」がなくてもモノが売れ、なぜ今の時代は売れないのか。
それはこのコラムで度々登場する、私のもうひとりの師匠、伊吹卓先生の「3つの時代」の理論で説明できます。
時代は、「モノの時代」「デザインの時代」「色の時代」の3つを繰り返している、という理論です。長くなるのでざっくりとした解説をします。
昔はモノが圧倒的にありませんでしたから、「モノの向こう側」を説明する必要がなく、売れていきました。
たとえば、たべものが腐りづらくなる箱(冷蔵庫)を買うことで自分たちの暮らしがどうなるか(Why)、ということは説明するまでもなかったわけです。
この「売れた時代の経験」のせいなのか、「良い商品をつくっている!」という自信がある人ほど、「Why」を伝えることをおろそかにしてしまう傾向があります。
多くの消費者は、モノそのものがほしいのです。しかし、これだけ選択肢の多い時代になった今、やはり多くの消費者が、モノをとおして「この人、会社、お店から買うべきか?」という「Why」を見ています。
つまり、あなたから買わなくたって、別にいいわけです。
それなのに、売り手側は商品の、または自分たちの「Why」を伝えようとすらしないわけです。消費者は「Why」を感じることができなければヨソにいきます。
これが、モノが売れづらくなった理由。
そして、これに気づけないと、一生「What」にフォーカスしてしまうことになります。商品の改良をはじめたり、新商品を開発したり。
いや、どちらも大事なことです。しかし、「Why」を伝えようとしなければ、そういった努力の多くはムダになるのです。順番が間違っているのです。
カンタンにまとめると、
- 人がモノを買う理由は、「それがほしいから」というもの以上に、その向う側にある「Why」によるものとなった(それが意識的にしろ無意識的にしろ)。
ちなみに、このコラムではこの「Why」を「商品の向こう側」と表現したりしています。
「Why」はストーリー化できる(「Why」の事例)
私のブランディングの理論は、サイモン・シネックのゴールデンサークルを基礎的な考え方に置いています。
たとえば、ハーレーダビッドソンはなぜバイクとしてあれほど売れるのでしょうか?バイクを移動手段と考えれば、もっと安くて機能の良いものもたくさんあるはずです。なのに、なぜ売れるのでしょうか?
まさに「なぜ?」=「Why」です。
ハーレーダビッドソンはバイクを通して何を見せているのでしょうか?私はバイクには乗らないのでわかりませんが、
- 「バイクの向こう側」
という「Why」を感じる人がファンになっていることは間違いありません。
リッツカールトンはなぜあれほどまでに、「泊まってみたい」と思わせる力があるのでしょう?「宿泊料金がめちゃくちゃ高いけど、それでいい」と思わせる力があるのでしょう?
そして、多くのファンをつくれているのでしょう?ただ泊まるだけだったらビジネスホテルで十分なはずなのに。そこには、
- 「ホテルの向こう側」
という「Why」があるわけです。
ちょうどTikTokでわかりやすい動画を見つけたのでご紹介します。
この動画にあるとおり、少しライトな考え方ではありますが、「Why」とは「どんなストーリーがつくれるか?」と置き換えると非常にわかりやすいかもしれません。
御社でいえば、どんなストーリーがつくれそうですか?
ここまで「Why」の重要性について語ってきましたが、ブランディングにおいても「Why」はものすごく重要だというお話を今からします。
ブランディングは、
- 価値を高める
- 価値を広める
という活動に大別されますが、価値を高めるためには、まずはこの「Why」が大切になります。
というか、この「Why」を考えることこそブランディングだと言っても過言ではないかもしれません。
ブランディングは私の定義では「選ばれるため、選ばれつづけるための施策全般」としていますが、今の時代は「Why」がないと選ばれないよ、という話をここまでしてきたわけです。
なので、ブランディングの肝は「Why」にあるというわけです。
しかしながら、「Why」をきちんと表現できない人、会社はめちゃくちゃ多いです。
『「Why」をきちんと表現できない』をもう少しわかりやすく分解すると、
- 「Why」の重要性を理解していない
- 自分の、または自社の「Why」がわからない、気づいていない
- 気づいたとしてもそれをどのように表現していいかわからない
ということに大別されます。
そこで、私たちの出番というわけです。私たちはお客さまの「表現代理人」と自分たちを定義づけています。
私たちは、
- ロゴ
- パンフレット
- ホームページ
- 名刺や封筒
- 経営理念やビジョンの策定
- ネーミング
- タグライン(キャッチコピー)作成
- その他
などさまざまなものを取り扱っていますが、それは「What」であって、その「Whatの向こう側」に
「多くの人に自社の価値を見出して広めてもらいたい」
という「Why」を持っています。
- 多くの人(会社)の表現代理人
- 自社の価値を表現できない人の代わりに表現する
これが私たちの本当の仕事であり、その手段(How)が「言葉と画(え)」というわけです。
そしてこれが私たちがブランディングを請け負う理由です。
それにしても、なぜ私(私たち)はこの「Why」を持つようになったのか。「Why」のさらに深いところのお話もしてみたいと思います。
感動、応援、共感の力を引き出すのが「Why」
このコラムでもたびたび登場しますが、私の行動の源泉は
- 「普通コンプレックス©」
というものです。
小中学生のころ、私は自分が友人や先輩、後輩、先生や親などから「重要な存在ではない」と思われていると感じていました。
今思うとくだらないことですが、
- 普通
- どこにでもいる
- 取替がきく
こう思われることが、それはもうコンプレックスになるほどイヤだったわけです。周りの人が実際にそう思っていたかは知りませんが、自分はそう思われていると感じていました。
それくらい、自分を重要な人だと思ってほしい、承認してほしい、という思いが人一倍強かったんですね。
自己愛性人格障害みたいな話ですが、「普通の人」だと思われるくらいなら「変人」だと思われたほうがマシ。「変わっている」はほめ言葉だと本気で思っていたくらいです(高校生のとき言われていちばんうれしい言葉だった)。
常に自分の中には、「オレにだって価値がある!」「なんでみんなオレの価値に気づいてくれないんだ!」という思いがありました。
ところが、です。
じゃあ、それを表現できていたかというとそうではありませんでした。実際の言動は至って普通(汗)。そりゃ、あると思っている自分の価値が伝わるわけなどありません。「表現していない」に等しいんですから。
ところが、中学終わりころから高校生くらいになってくると、だんだんと自分の表現ができるようになってきました。
そしてそれを通してどうすれば目立てるのか、どうすれば価値があると思われるのか、ということをつかみはじめてきました。まわりのリアクションも変わっていきました。
これは当然、こんなに概念的に気づいたのではなく、体験を通して無意識的に気づいたことです。
そして、ビズアップをはじめて、あるワークをして気づいたのが、少年期を通して自分は「表現」という力を手に入れた、ということでした。
自分がやってきた活動は、すべて自分の価値を知ってもらい価値が高いと思ってもらうための表現活動だったわけです。
- 文章を書くのが好きなのも、
- バンドでデビューしかけたのも、
- バカ高校から現役で国立大学に受かったのも、
- 新入社員で社長の仕事を引き継げたのも、
- デザインやディレクションのスキルを身につけられたのも、
- そして何より起業したのも、
すべて自分にとって必要な「表現活動」だったわけです。
この表現活動は「How」です。自分の価値を知ってほしいと願ってやまない少年が身につけたスキル(How)であり、これを「コアスキル(人生を生きしのいできた力」)といいます。
私は、今では自分の価値に気づけました。なので昔のように「普通コンプレックス」はありません。
しかし、「価値があるのにないと思っている、思われている状態」はいまだに「たまらなくイヤ」なんです。それが誰であろうと、何であろうと。そこに昔の自分を見てしまうのです。
- すごくいい商品をつくっているのに、売れなくて困っている会社
- すごくいいチームなのに採用に困っている会社
- すごくいい社長なのに、社員が辞めていく会社
- すごくがんばっているのに、結果がともなわない社員
- すごくいいデザインをするのに仕事がないデザイナー
こういう人や会社、商品を見るのが辛いんです。なんとかしたくなってしまうのです。
これが、ビズアップが在る「Why」です。自分が身につけた「人生を生きしのいできた力」を使って今度は周りの人を救いたい。
そして、その想いを象徴する言葉が「ブランディング」なのです。そしてこれが、「ロゴだけではダメな理由」というわけです。
こんな想いを持っている会社に、パンフレットやホームページの作成(What)を頼みたいと思いませんか?
ゴールデンサークルで表すとこうなります。

さて、御社の「Why」は何ですか?御社の商品やサービスの「向こう側」は何ですか?
私の場合は「商品(ブランディング)」と「自分の人生」がとてもリンクしていますが、必ずしもそうでなくても構いません。
つまりは、
- そのストーリーで人が感動、応援、共感してくれるかどうか
ということです。
- 会社が潰れそうになって地獄を見た
- めちゃくちゃ貧乏で育って成り上がった
- 親に復讐するためにビジネスをはじめた(そして親の偉大さを知った)
みたいな、商品と関係のないストーリーでも、人に感動、応援、共感してもらえるものであれば構いません。
では最後に、私の大好きな言葉をお伝えいたします。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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