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2020年02月07日 デザイン メールマガジン 経営 【第514回】デザインにお金をかけるとどうなるか?

こんにちは。

ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz

いやー、びっくりしました。

自分が予知能力者なのではないかと
思ってしまいました。

先週のメルマガでお話させていただいた
陳腐化の例で挙げた「としまえん」、

なんと今週の月曜日に
「閉園」のニュースが流れました。
いやはやなんとも。。。

陳腐化を防ぐことができず、
組織を、仕組みを、サービスを
変えることができなかった。

一度ゆであがってしまったものは
カエルだろうと卵だろうと
元に戻ることはありません。

知らず知らずのうちに
元に戻れないところまで来てしまう、
陳腐化恐るべしです。

それにしても
なぜ「としまえん」について
先週のメルマガでお話したのか。

本当に思いつきでした。
何を例にしようか考えていたときに
本当にふと浮かび上がっただけでした。

それなりに
青春時代の思い出がある場所でしたから、
虫の知らせでしょうかね。。。

さて、
今日のお話です。

いつもメルマガでお話していますが、
日本は知的労働の価値をもっと高めて
いかないといけないと思います。

知的労働の代表格と言っても過言ではない
デザインやブランディングに関わる仕事は、
その価値を誰もがもっと認めていくべきだと、
ポジショントークも含めて声を大にして言いたい(笑)。

先日、
こんな記事を発見しました。

企業のデザイン投資が加速、
デザイン最高責任者を迎え入れたい企業が54%以上
→こちら

いよいよデザインについての
大きな潮流が来そうです。



記事の内容をかんたんにお話すると、

IT・通信業界を中心にマスコミ、金融業界など
約100社へアンケートを実施した結果、
以下のようなことがわかりましたよ、
ということでした。

・デザイン最高責任者を迎え入れたい企業が54%
・デザイン組織の投資を2~5倍以上に拡大予定の企業も54%
・向こう一年でデザイン組織を拡大したい企業は58%

ということで、
さらにこのアンケートを行った
株式会社グッドパッチが配布している資料を見ると

57%の企業が
「デザインの投資」に効果を
実感しているということでした。

デザインへの投資の潮流が来ているのは、
やはり国の働きかけが大きかったようです。

同サイトからの引用ですが、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2018年5月に経済産業省・特許庁が
「デザイン経営」宣言の推進を提言し、
ビジネスにおけるデザインの重要性が増しています。

ビジネスを成長させるために
デザインを差別化要素として捉え、
機能的価値だけでなく「情緒的価値」に投資する
企業が増加する潮流を読み取ることができます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とあります。

まあ、
「国はもうデザイン経営に向けて
動いていますよ」ということです。

経済産業省が出した
「デザイン経営」宣⾔には、

・デザインに対する補助制度の充実・税制の導⼊

ということが記載されていて
金銭的なインセンティブも
いずれつくことになるでしょう。

「デザイン経営」宣⾔

ちなみに同資料の中には
日本以外の国のデザイン投資について、
効果があるという分析結果が載っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5. デザインの投資効果

「デザイン経営」は、
そのリターンに⾒合うだろうか。


各国の調査は
「YES」であることを⽰している。


欧⽶ではデザインへの投資を⾏う
企業パフォーマンスについての研究が⾏われている。


それらはデザインへの投資を⾏う企業が、
⾼いパフォーマンスを発揮していることを⽰している。


例えば、British Design Councilは、
デザインに投資すると、
その4倍の利益を得られると発表した。


また、Design Value Indexは、
S&P500全体と⽐較して過去10年間で
2.1倍成⻑したことを明らかにした。


その他の調査を⾒ても、
「デザイン経営」を⾏う会社は
⾼い競争⼒を保っていることがわかる。


これがデザインを取り巻く
世界の常識となっている。


⼀⽅、
⽇本の経営者がデザインに
積極的に取り組んでいるとは⾔い難い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「デザイン経営」宣⾔より引用

もう、
デザインを後回しにしようとか
お金がたまったら頼もうとか
そういうことを言っている場合ではありません。

というか
このメルマガでも何度もお伝えしています。

デザインをおろそかにするというのは
「機会損失」なんだと。

機会損失が回避できるれば
利益が4倍になるのもうなずけます。


さて、
「デザイン経営」はなぜいいのでしょうか?

デザインを経営において
重要な位置づけにすると利益が増えるというのは、

経済産業省の資料の中では
データとして示されているのは前述のとおりです。

デザイン経営を語る上で重要なのは
クリエイターと呼ばれる人たちが
どんな人たちかということを知ることです。

クリエイターというのは
私の考えでは以下の2点の感性を
持ち合わせている人です。

・人と違うモノの見方
・新しいモノへのアンテナ

まず、
クリエイターというのは
言い換えるならばある側面では

・人と違ったものの見方をしたくて仕方ない人たち

と言えると思います。

「スコトーマ」という言葉があります。
これは「心理的盲点」という意味です。

これらは
ひとつの物事に固執している期間が
長ければ長いほど起こります。

会社を経営していれば、
同じ商材を扱っていれば、
必ずこのスコトーマが生まれてしまうと
言っても過言ではないわけです。

クリエイターの
「人と違ったものの見方をしたくて仕方ない性質」は
この心理的盲点を取り払ってくれる場合があります。

ひとつの商品をぜんぜん違う使い方で
ヒットさせてしまったりがあるのはこのため。

沸騰した牛乳でカップヌードルを
つくったら美味しいのではないか、
と発想をしたのは日清食品の人ではなく
一般ユーザーです(その後に商品化された)。

この場合一般ユーザーは
私の中ではもはやクリエイターの素質が
あると感じてしまいます。

「クリエイティビティは顧客にあり」
なんていう言葉もあるくらいで、

これは
当事者ではスコトーマによって
気づくことが難しいということを
よく表した言葉なわけです。

これらが経営に一定の効果をもたらす、
ということでデザイン経営が
推奨されているわけです。

もうひとつが
クリエイターは「新しいモノへのアンテナ」を
持ち合わせているという点です。

先週もお話した「MAYA段階」。
ヒット商品の影にはMAYA段階あり
と言われています。

「MAYA段階」とは
「受け入れられるギリギリの最先端」と
ざっくり覚えていただければいいと思います。

別の表現でいうと、

クリエイターと呼ばれる人たちと
一般の人たちのセンスの境界線、
みたいなものです。

新しすぎると売れないです。
新しすぎると理解されないです。

MAYA段階というちょうどよい新しさが、
ヒット商品をつくる上で重要なのです。

で、
このMAYA段階は「センスの境界線」です。

人々のセンスは人類の成長とともに
好みの違いはあるにせよ少しずつ成長します。

つまり
MAYA段階が上がっていきます。

このMAYA段階を
吊り上げているのがクリエイターです。

iPhoneの登場によって
世界中の人々のデザインセンスは、
つまりMAYA段階は上がったと考えます。

クリエイターの仕業です。

理解に苦しむような
現代アートの作家さんたちは
MAYA段階のはるか先を突っ走る開拓者です。

では、
新しいモノへのアンテナを持ち合わせて
MAYA段階の向こう側に果敢に挑もうとすると
なぜ経営にとって良いのでしょうか。

そのキーワードは
先週のメルマガでお話した「陳腐化」です。

クリエイターの新しいモノへのアンテナは
「酸化防止剤」ならぬ「陳腐化防止剤」の
役割を果たしうるということです。

企業を陳腐化させず成長させていくには、
少し先走っているヤツが必要だということ。

ただ、
どのくらい先走っているかは重要で、

現代アートの作家さんのように
MAYA段階のはるか先まで文字通り
「イッちゃってる」人だと経営には
役立たないかと思います(汗)。


ここで注意が必要です。

「よし!じゃあうちも社内にデザイナーを入れよう!」

と考えたとしたら
それは「ちょっとまった!」と言いたい。

私、
「デザイナー」という言葉を
使っていないとお気づきでしょうか?

先ほどの株式会社グッドパッチのアンケートでは
「デザイン人材」とは書かれていましたが
「デザイナー」とは書いていません。

そうです。
単純にデザイナーを入れりゃいい、
という話ではないから注意が必要です。

以前のメルマガでもお話したことがありますが、
世間一般のイメージに反して、デザイナーが

・人と違ったものの見方をする
・新しいモノへのアンテナがある

とは限らないという現実を抑える必要があります。

デザイナーの中にはただ純粋に絵が好きで
デザインをしている人も大勢います。

「デザイン経営じゃー!」

と息巻いて
デザイナーを社内に入れても、
断言しますが8割方の企業が使いこなせません!

デザイナーを使いこなせる人が必要です。

「デザイン人材」とは
デザイナーに限らずそういった人も
幅広く包括した言葉だと考えられます。

私が考えるデザイン経営に必要なデザイン人材は
デザイナーよりもディレクターだと考えます。

もちろん企業のフェーズによっては
デザイナーも必要だったりいたほうが良いでしょうが、

ほぼすべての企業が優先順位は

1.ディレクター
2.デザイナー

だと理解すべきだと考えます。

そして、
これも注意が必要ですが、

デザイン「経営」というくらいですから、
ディレクターだって経営のことが
わかる人でないと成り立ちません。

・人と違ったものの見方
・新しいモノへのアンテナ

を業績向上のために
使いこなせるかが肝なわけですから、

そのためには当然
経営のことがわからなければ
使いこなせるはずもありません。

こう考えると
結構人材は限られてきてしまうと思います。

デザイン経営を広める前に、
デザイン経営人材を育てられる
社会、しくみがないといけない。

ここの重要な視点に気づかずに、
国も

「デザイン経営やれやー!」

なんて強引に押し進めてしまうと、
結局

「デザイン経営なんて効果でねーじゃん」

となって、
デザイン業界の価値を逆に落としかねないです。

せっかく
デザインの重要性が増す潮流が来ているのに、
やり方次第では逆に価値を落としてしまう
かもしれないわけです。

さて、
最後のほうはみなさまにとっては
どうでも良い話だったかもしれませんが、

・デザインの重要度が上がる波が来ているよ
・デザインの投資対効果はあるよ
・みなさまもデザインを重視したほうがいいよ

という
ポジショントーク全開バリバリのお話として
受け止めていただいて結構です(笑)

私も
数少ないデザイン人材として
どっかの社外取締役とかやろうかしら(笑)

今回はここまでです!


津久井

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