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1月ももう終わり。2022年は早くも1ヶ月が経過します。今日は第4金曜日。そういえば「プレミアムフライデー」です。
プレミアムフライデーってどうなったんだろう?と思ってネットで調べました。事実上終わっているようです(哀)
それにしてもこれって経済効果あったんですかね。一部の店舗や企業は活用できたようですが、そもそも経済を活性化させるというのが目的だったはず。しました??
このように国や行政が考えることなんて、うまくいっていないこともいろいろあるわけです。
たとえば東京都の新コ□対策は本当に効果があるのでしょうか?というか、政治は全体最適を考えなければいけないのに、コ□ナのことだけを考えた政策が本当に正しいのでしょうか。個人的にはそうは思いません。以下、「だめんず・うぉ~か~」で有名な倉田真由美さんのツイートより。
2019年には9000億以上あった東京都の貯金が、今は21億円だそうです。この中には緑のおばさんが勧めたよーわからんアプリの広告費が10億円(完全なるドブ金)くらい入ってます。
ねえねえ、今の現状って企業の社長だったらクビだよね。解任ですよ。
まあ、そんな中、コ□ナ対策やワクに対するメディアの報道に少し変化が現れてきたようです。潮目が変わってきたのか、過剰対策とワクの危険性について触れる新聞や芸能人が出てきました。
- 中日新聞
- 熊本日日新聞
- 北海道新聞
- 上毛新聞
- 西日本新聞
- 北野たけし氏
- 松本人志氏(ダウンタウン)
など。いいぞもっとやれという感じです。どんなに苦しい状況になろうと、最終的には人間の良心、モラルが勝つとどこかで信じているんですよね。芸能人にもメディアにも良心とモラルを持った人がいると信じてる。
それにしても、コ□ナやワクに対してもっともっとズバズバいえる、とがった政治家や芸能人、メディアは出てこないものか。どれくらいとがっているかと言えば、このくらいでしょうか。
すんません、急に話が方向転換しましたが、本日は出だしの内容とは打って変わって超絶くだらない内容となっております。なので忙しいときに無理して読まないでください。
こちらの写真、ネットでは一時期有名でしたが「メンズナックル」というファッション誌のものです。こちらのファッション誌は、写真を見ていただくとわかると思いますが、いわゆる「オラオラ系」「ギャル男系」のような方々が好んで読まれる雑誌です。
本日はこう見えてもキャッチコピーのお話です(笑)。
●説得力とは
まず基礎のお話をしましょう。堅苦しいですよ(笑)
以前のコラムでもお伝えしたのですが、説得力というのはどこからくるのか。それは「why」または「so what」という2語を使って説明することができます。
たとえば、
- A子ちゃんはかわいいです
- 赤ちゃんだからです
という2文があったとして、「A子ちゃんはかわいいです」のほうは「主張」です。「赤ちゃんだからです」は理由です。この主張と理由を「why」または「so what」を使って表すと次のようになります。
「A子ちゃんはかわいいです。なぜなら(why)赤ちゃんだからです」
「A子ちゃんは赤ちゃんです。だから(so what)かわいいです」
このようになります。「why」「so what」を使って主張と理由を伝えたとき、結びつきが強ければ強いほど「説得力が強い」となります。例の場合、哺乳類はだいたい幼児をかわいいと感じるプログラムがセットされていますから(育児放棄しないため)、この主張は大雑把ですが一応説得力が強いということになります。
ところが、
- A子ちゃんはかわいいです
- 長澤まさみに似ているからです
となると微妙です。長澤まさみさんが好みではない人からしたら、説得力が強いとは言えないでしょう。
とにかく「説得力」は「主張」と「理由」を結ぶ「why」「so what」の結びつきの強さで表すことができます。
で、ポイントがあります。「why」「so what」が結びつけるのは、「主張」と「理由」のような「言葉と言葉」だけではない、ということです。
- 画(え)と画(え)/イメージとイメージ
- 言葉と画(え)
というパターンもあります。
「画(え)と画(え)/イメージとイメージ」のほうでいえば、かんたんなところだと「社長so what腕組み」とか「お医者さんso what白衣」とかですね。
では「言葉と画(え)」はどうか。たとえばこちら。
これは「宣伝会議」という、デザイン業界の中ではかなり有名な業界誌を出している会社の「コピーライター養成講座」の広告です。「言葉と画(え)」の結びつき、弱くないですか?
以前もこのコラムでこの写真をテーマに説得力についてお話しましたが(【第590回】写真でひと言「この画像にあなたならどんなキャッチコピーをつけますか?」)、この写真に最適なコピーは
- あれ?ヤカンの火、切ったっけな?
です(笑)。
「この写真だからこのコピー」という必然性がとても弱いし、「ズバッと」とか言っているくせにまったくズバッと感がないですね。
●この写真だからこのコピー
そこにきて、冒頭の写真を思い出していただきたいのです。単語はわかっても、「なぜこんなことを言うのかわからない」意味が不明なコピーですが、「写真と言葉が合ってる感」は半端なくないですか?(笑)
そんなメンズナックルから説得力の強い(?)秀逸なコピー案をご覧いただきましょう。事例集。こちらのサイトから引用させていただきました。
夏モテ?悪いがオレは一年中モテだ
え・・・神でもないのにオレに話しかけるのか?
素敵すぎるオレの独壇場で完売御礼
来いよ、何処までもクレバーに抱きしめてやる
AKBとか知らないけど、たぶん全員抱いたぜ
100回愛を囁いた後に、1万回抱いてやる
YES WE CANをアイツに教えたのはオレだ
俺クラスになると鏡とジャンケンしても勝てる。
ねえ、オーラの消し方知らない?
カーキで見せるオトナの色気
ガキは笹でも喰ってろ
朝までに何回KISSして欲しいか決めとけよ
俺のフェザーから鳥人拳を繰り出す!
救急車通ったろ?
俺に失神した女が乗ってるよ
くどいっ!赤パンはシャアとオレの専用だ
モテの女神が舞い降りた・・・
いやオレと同化したんだ
「パねぇ」って言葉はオレのためだけに使え
気がついたら「完全無欠」だった
でもコレがオレの「自然体」。
ほら、聞こえたか?
渋谷の街がオレに抱かれたくて共謀する
モテろって囁くのさ
俺の伊達って止まないワル魂(ソウル)が!
ファーが天使の羽根に見えるなら天国は近い
無限の未来と女、この腕で抱き締めてやる
真のハイソサエティが今、覚醒する
育ちの良さと激しさを同居させた自宅警備員
カッコイイという賛辞に、もはや飽きたオレ
俺はもう既に本物のヒョウなのかもしれない
「艶」という言葉のWikipediaに
この写真が載る日も近い。
水玉!それは美女の涙でできた宝石
すでにオレの魅力に耐えられない?
悪いがオレは変身をあと2回も残している
いやー、秀逸。個人的に好きなのが、「え・・・神でもないのにオレに話しかけるのか?」ですね。あと「AKBとか知らないけど、たぶん全員抱いたぜ」も大好き(笑)。
「救急車通ったろ?俺に失神した女が乗ってるよ」は最近救急車がよく通るのでその都度使えますね(笑)
あとこれ。「俺クラスになると鏡とジャンケンしても勝てる。」どうやったらそんな言葉を思いつけるんでしょう?たぶん「不可能はない」的なことを言おうといろいろ考えたんでしょうけども。
「ねえ、オーラの消し方知らない?」もいいな。たまらん。
「YES WE CANをアイツに教えたのはオレだ」は「ウソつけ!」という話なんですが、この後出てくる「堂々とホラを吹く」というやつです。
「育ちの良さと激しさを同居させた自宅警備員」はニートなんかい!ということになりますし、「俺はもう既に本物のヒョウなのかもしれない」はぜひそこを目指してもらいたいですね(笑)
いかがでしょうか。彼らの生命力が言葉に乗っていると感じるのは私だけでしょうか(笑)
●このコピーにはつくり方があった
で、調べていくと、このメンズナックル風コピーのつくり方をパターン認識した人がいました。すごい。これで再現性を持ってコピーがつくれます(笑)。
今回はその再現性を発見した「カフェオレ・ライター」さんのサイトから引用させていただきます。
- パターン1【誰かを褒めると見せかけて、結局自分を褒める】
- こんな俺様をDROPした母親に本気リスペクト!
「DROP」とは産み落としたの意のようですが、カフェオレ・ライターさんも書いているとおり、結局「オレがすごいのでおかんもすごい」という構図になっています(笑)
- パターン2【堂々とホラを吹く】
- 数多のセレブに俺の着こなしをパクられたよ
- 戦場で戦う兵士の気持ちが、オレにはわかる
- オレには100%女を落とせる超能力がある
- YES WE CANをアイツに教えたのは俺だ
これ好きだなー。めっちゃ面白い。先ほど出てきた「AKBとか知らないけど、たぶん全員抱いたぜ」もこのパターンですね。しかもこのコピーは「AKB」の部分を他のグループに置き換えて使えるので便利!(笑)
「逆に明らかに嘘だとわからないような微妙な嘘をつくと色々ややこしいことになる可能性があるので、これ以上ないくらいにデカい嘘にしておくのがコツです。(カフェオレ・ライターさん)」とのこと。
- パターン3【前提にする】
- なぜ天は俺という男をエコヒイキするのか…?
- さて。気が付けば俺の時代が来たわけだが。
- 街中で噂のクールワイズメンとは俺のこと
- 至極の人生に達したのは・・・生まれつきかな
- 朝までに何回KISSして欲しいか決めとけよ
これもいいですね。「「オレはこんなにすごい」とか「●●してやるぜ」という部分を前提にして物事を語ることで、あたかもそこについては揺るぎのない事実であるかのように錯覚させるレトリック。(カフェオレ・ライターさん)」。
なるほど。これも真似してみたい。「朝までに何回・・・」はたしかにキスすることが前提になってますもんね(笑)
- パターン4【意味がわからなくてもいいので、とにかくなんか凄そうな単語を混ぜる】
- かつて勾玉に封印された俺の魂が解き放たれる
- 闇より深い夜をまとった夢幻紳士の参戦
- この身に宿した前人未踏の快楽領域
「「勾玉」とか「夢幻紳士」とか「前人未踏」とか、意味不明でもいいのでなんか凄そうな雰囲気が漂う単語をとりあえず混ぜとく手法。別名“中二病”。(カフェオレ・ライターさん)」。
これは思いの外難しいのではないでしょうか。単語の知識とワードチョイスのセンスの両方を問われそうですね。
- パターン5【意味がわからなくてもいいのでカタカナ言葉を使う】
- 俺というエルニーニョが異常気象を誘発する
- メタファーの魔術師が魅せる艶密な佇まい
- 世界を包むオレ色・虹色・エンデバー
- 身をゆだねればヘヴンへエスコートするぜ
- またハードラックとダンスっちまったぜ!
「これが一番よく見られるメンナク的キャッチコピーのパターンであり、いわば黄金パターン。(カフェオレ・ライターさん)」とのこと。基礎中の基礎ですね。
解説文にはさらに「その根幹にあるのは「カタカナ言葉はなんかすごそう」というイメージであり、(カフェオレ・ライターさん)」とあり、「感じる」ということについてよくわかってらっしゃる感が半端ないです。
- パターン6【理由もなく挑戦的】
- オレの心を奪いたいなら、死に物狂いで来な
- このオレと対等に話そうったって無理だぜ
個人的にはこの「理由もなく挑戦的」も好きです。カフェオレ・ライターさんも解説文の中で「何に対して挑戦的なのかはさっぱりわかりませんけど、」と書いていて、何と戦っているのかわからない迷子感と、迷子になっていることを認めない意志のギャップみたいなものを勝手に感じてしまいます。
- パターン7【名言や定型句をもじる】
- オレを構築する99%の才能と1%のカオス
- 一身上の都合によりこの世界のトップ貰います
- 俺は女にかけては必殺仕事人
これはつくりやすそうな印象。「自画自賛エッセンス」を加えることでメンズナックルのコピーとして十分成立するとカフェオレ・ライターさんは解説しています。
- パターン8【押し付ける】
- 俺のブロマイド、送っといてやったぜ
- 100回愛を囁いた後は、1万回抱いてやる。
カフェオレ・ライターさんの解説が秀逸。
「とにかく自分に自信を持っているということを表現するために、相手に何かを押し付ける。押し付けるものは自己愛が表現できていれば何でもいいが、本当に喜ばれるものをあげるのはキャッチコピーとしてインパクトがなくなるので、基本的には迷惑なものを押し付けるのがポイント。「前提にする」の応用編。」
「基本的には迷惑なものを押し付けるのがポイント」って(爆)
- パターン9【何も思い浮かばなくてもとりあえずひねり出す】
- ルールルル、怖くないよ・・・おいで、子猫ちゃん
- ちなみに伯爵はバロンより格が上だ
コピーを考えるメンズナックルのライターさんもたいへんのようです(笑)。「ちなみに伯爵はバロンより格が上だ」は「写真とはまったく合っていないただのトリビア」とカフェオレ・ライターさんは解説しており、まさに宣伝会議の広告と同じ問題を抱えてしまっています。
- パターン10【「これ無理だろ……」と思ってもがんばる】
最後は写真付きで(笑)
神の視点でしかオレを理解できないぜ
これが人間を超越した先にある奇跡の世界だ
いかがでしょうか(いかがもクソもないですね 笑)。宣伝会議の広告とメンズナックル、どちらが言葉と画(え)の説得力を持っていたでしょうか。
残念ながら一目瞭然という感じです(苦笑)。宣伝会議「コピーライター養成講座」に通う前にメンズナックルを読み込むことをオススメします(冗談ですよ)。
最後に私からもひとつ。。。
世界最高峰のロゴディレクションが見たいか?なら早くオレに出会うんだな。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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