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昨日、47歳となりました。
起業したのが30歳。もう17年も社長をやっています。でもまだまだです。もっと成長して会社を大きくしたい。人としても社長としてもかっこよくなりたい。そう決意を新たにしています。
しかし、この歳になると本当に1年が早い。というか5年が早い。5年でワンセットくらいの感覚。
人生はあっという間ですね。タモリさんがテレビで言っていました。「40代はF1だ」と。言い得て妙です。
私は起業とほぼ同時に長男が生まれましたので、そんな長男ももう高校2年生です。身長は177センチある私を3センチくらい上回ってしまいました。先日は長男が履けなくなったスニーカーを私がもらうほど。足の大きさも抜かれました。
子どもは3人いますが、彼らにとってもかっこいい父親を目指したいなと思います。とりあえず筋トレは1年以上つづけてます。身長は長男に負けたけど筋肉は負けん!(笑)
本日のコロコロニュースですが、今日はちょっと趣向を変えて。。。
与野党関係なく、日本の政治家のほとんどは腐っています。そして官僚はもっと腐っているかもしれません。それはきっと間違いない。しかし、彼らを批判してもあまり意味はありません。
日本で今もっとも問題なのは、テレビをはじめとしたメディアです。
たとえばコ□ナが良い例です。テレビで「危険だ!」と騒げば騒ぐほど、「危険ではないです!」と主張する政治家は、選挙で当選する確率が減っていきます。
政治家がメディアに圧力をかけているという印象操作がされていますが、もちろんそういう面も一部あれど、基本的には逆です。メディアが世論を形成し、その世論にあわせたことを選挙で落ちたくない政治家がしゃべっているわけです。メディアのほうが上位なんです。
今回のきっしーのダメ息子のニュースも、政治家がメディアを掌握しているなら完全に揉み消せたと思います。
実際はきっしーですらメディアを掌握なんてできていなくって、むしろもっと大きな爆弾ニュースを抱えていて(抱えさせられていて)、「我々はいつでももっと大きい爆弾を落とせるよ、だからいうこと聞けよ」という脅しとしてダメ息子ニュースが報道されたんじゃないかと勘ぐっています。
なので、日本はメディアが改革されない限り良くはなりません。政治家や官僚を批判しても物事は解決せず、メディアをなんとかすると解決していくわけです。
では、そのメディアを支配しているのは誰なのか?これはネットを叩けばいろいろ出てくるので調べてみると面白いですよ。
ただ、メディアを改革といっても、誰がメディアを支配しているかも含めて一筋縄ではいかないです。私たちが今できること、それはメディアの情報に疑いを持って見てみること。疑いから入り、そして自分で調べてみること。
これならやろうと思えば誰でもできます。多くの人がこれをやったら、多少は世界が動くと思うんだけどな〜。頭の体操だと思ってやってみてほしい。
さて、今日のお話です。
以前、経営者の知り合いと話をしていたときのこと。雑談の中で、「服装と成約率」の話に及びました。彼は、
「きちんとスーツを着たときとカジュアルのときで成約率に差がある」
と言っていて、なかなかおもしろいなと感じました。
服装も広い意味でデザインです。今日はそんなお話をしたいと思います。
●「ノンバーバルの情報」を知っていますか?
ビズアップのロゴ作成サービスでは、お客さまのご要望にお応えしてロゴをデザインしています。
不思議なもので、「お客さまのご要望」とはいえ、その言葉を鵜呑みにして「ご要望のとおり」につくればうまくいくとは限らないという事実があります。
なぜかというと、デザインは非常に感覚的なものだから。そして、感覚はすべて言葉に置き換えることができるとは限らないからです。
感覚を言葉に置き換えきることができないのには、実は明確なロジックがあります。
人間の感覚は、言葉が生まれるずっと前からあります。脳科学的には、言葉を司る大脳新皮質という脳の部位は「新皮質」とあるとおり比較的新しい部位なんです。
対して、感情は大脳辺縁系というところが司っています。
これは言葉が生まれるずっと前、つまり大脳新皮質ができるずっと前から、それどころかまだ人間が人間らしくないもっと原始的な哺乳類のときからあるといわれる部位です。
なので、直感的に「好き」とか「キライ」とか「怖い」とか感じるものに対して、必ずしも「なぜか」を言葉で表しきることはできません。
たとえば、奇妙な例えで恐縮なのですが、何かイヤなことがあったときに「今日は(お酒を)呑んでわすれよう!」は人に話してもわりと共感してもらいやすいです。
対して「今日はかわいいおねえちゃんと(性的な)チョメチョメして忘れよう」は人に話しても共感してもらいづらいです。「キモい!」といわれることが予想できますよね。
このとき、「なぜキモいと感じるのか」の理由を言葉で説明できる人はあまり多くありません。また、説明できたとしても、それはただの好みの問題だったり、個人の感性の問題であることがほとんどです。
だって、左脳的に考えるなら、つまりロジカルに考えるなら、同じ効果(イヤなことを忘れる)をもたらすならどちらもアリ、ということになるはずです。
しかし、多くの人が納得感を持てなかったり直感的に嫌悪感を持つ可能性が高いのは想像に難くないはずです。
これを私は「直感的嫌悪感」と呼びたいと思いますが、感情、感覚をすべて言葉で表しきれない代表的なもののひとつにこの「直感的嫌悪感」があると考えています。
このように、感覚をすべて言葉で表しきることはできない、デザインのような感覚的なものは特にそう、ということです。
では、言葉からではすべての情報を得られないとき、どうすればよいのか。どうやって情報を得るのか?
そのときに必要なのが「ノンバーバル情報」です。
「ノンバーバル」とは「非言語(的)」という意味です。言葉以外のところからお客さまの要望の真意や本来もっている好み、センスを感じ取るわけです。
たとえば「声」。
電話でお話するときの声のトーンは高いのか低いのか、声そのものはやわらかいのか固いのか、話す速度は早いのか遅いのかなどなど、言語的ではない情報も参考にするわけですね。
当然ながら「見た目」はその中でもとても大きな非言語情報を含んでいます。
たとえば「シンプルなロゴをつくりたい」というご要望をお聞きした時に、お客さまにとっては「シンプル」はひとつだとしても我々からするとさまざまな「シンプル」があります。
しかし、お客さまはそんなことはわかりませんし(お客さまにとっての「シンプル」はひとつ)、我々もさまざま「シンプル」ひとつひとつにすべて適切な言葉をつけることはできません。「シンプル」は「感覚」だからです。
では、以下のふたりの女性がどちらも「シンプルなロゴをつくりたい」と言ったとしたらどうでしょう?
その「シンプル」は、左の女性と右の女性とではちょっと違うだろうと感じませんか?そして、それぞれどんな「シンプル」が良さそうかなんとなくイメージできませんか?これがノンバーバルの情報です。
その中でも、実は「服装」はかなり重要なノンバーバル情報です。
たとえばそのお客さまがハイブランドを身に着けている方であれば、そのお客さまがいう「シンプル」はシャネルやエルメスなどのブランドがつくる広告のように、シンプルだけど華美さも感じるものだと考えられます。
はたまたナチュラル系の服装をされている方であれば、そのお客さまにとっての「シンプル」は華美とは逆の無印良品に代表されるような素朴なシンプルになると推測できます。
服装は人の感覚を表す重要な情報であり、我々の場合、ロゴデザインでその情報が大いに役立つことがあるというわけです。
ちなみに以前は電話でお客さまとお話することが多く、話し方や声の質などくらいしかノンバーバルの情報がありませんでした。最近だとZOOMなどでお客さまと対面に近い形で打ち合わせができて、ノンバーバルの情報がより多く手に入るようになりました。
●面接では応募者に「私服」で来てもらう
私たちは、スタッフを採用する際の面接で応募者に必ずお伝えしていることありがます。
それは「私服でお越しください」ということです。
前述のように、私服姿をみるとその人のセンスがある程度ノンバーバル情報としてわかるからです。
「私服でお越しください」とお伝えすると次のパターンにだいたい別れます。
- バリバリの私服姿で来る人
- 面接でも耐えうる私服で来る人
- それでもスーツで来る人
どれも不正解ではありませんが、スーツより私服のほうがより情報が多いのは間違いありません。
ただ、私たちが見ているポイントは服装そのものよりも、
- どんな服装であれにじみ出るセンス
です。
応募者ごとに「その服装で来る理由」みたいなものが、それなりに正当なものとしてあると思います。たとえば「バリバリの私服で来る人」は「個性をアピールしたい」などです。
しかし、服装が私服であれスーツであれ、「相手がどう感じるかにまったく配慮しない人」というのがいるものです。
むとんちゃくな人もいれば、個性が強すぎて相手が抱く印象を考えられない人もいます。こういう人はブランディングの会社にふさわしくありませんし、それは服装を見ればある程度わかるのです。
面接で「相手がどう感じるかにまったく配慮しない人」なんているんかいな、と思うかもですが、以前、穴の空いた靴を履いてきた人がいます(汗)。しかも東大卒の才女。当然不採用でしたが。
面接に何度も失敗してきた私としては、結局意外と信頼度が高いと感じる情報が「どんな服装であれにじみ出るセンス」という直感的な情報で、特にそこから「相手がどう感じるかを配慮しようとする人か」を見ています。
その服装が単純に似合うかどうか、直感的嫌悪感を感じないかどうか、こういったロジカルに判断できない情報は、意外と信頼度が高いと経験上感じるわけです。
特にこのあたりは女性スタッフはシビアに見ていますね。我が社はデザイン会社だから、ということもあるとは思いますが、デザイン会社でなくても言葉で表現しきれない重要な情報がその中に盛り込まれていると考えます。
だいたいの会社が面接は一度でなく数回行うと思いますから、1回目はスーツで、2回目は私服で、といった組み合わせで面接をしてみるのも面白いと思います。
●「服装」と「成約率」は関係があるのか?
さて、冒頭にもお話しましたが、服装によって営業の成績などは変わるのかどうか、についてもお話したいと思います。
ここまでの文脈だと、ざっくり言えば「ちゃんとした服装の人のほうが成約率が高い」と感じると思います。仮説としてはそれはあるだろう、と私も思っていました。
冒頭の経営者の知り合いの話では、スーツでプレゼンに行った時とカジュアルベーシックで行った時では成約率に違いがあると感じたそうです。スーツのほうがよかった。
その人はBtoBの会社を経営していて、その前は某大手生命保険会社で営業マンとして働いていましたが、どちらも同様だったそうです。
やはり「服装は成約率に影響する」という仮説は正しそうです。だから(スーツなど)きちんとした服装で営業に行かなければならない。。。
ところが、こんな話もあるのです。
ある植木屋さんは、初回訪問時の服装は成約率に影響を与えるのかを調べるために、次の5つのコスチュームで実験をしたそうです。
- 1.スーツ
- 2.ジーパン+ジャケット
- 3.ジーパン+Tシャツ
- 4.作業着
- 5.作業着+地下足袋+頭にタオル
個人的にはこういった教科書的ではない実地調査が大好き。どんな結果だったと思いますか?
- 「1.スーツ」「2.ジーパン+ジャケット」は本当に論外で、この上なく疑いのまなざしを浴びせつづけらるだけだった。いずれも、1回ずつ試してやめた。
- 「3.ジーパン+Tシャツ」は可もなく不可もなく。実験した地域が湘南だったので、地域柄OKだったのかもしれない。
- 「4.作業着」「5.作業着+地下足袋+頭にタオル」がダントツの成約率で、特に地下足袋&タオル付きだと、成約率100%に近かった。
- 実験により、「5.作業着+地下足袋+頭にタオル」が一番ということが分かったので、以降、どんな状況であろうとも、初回訪問にはこの服装で行くことになった。
驚きです。
「1.スーツ」
「2.ジーパン+ジャケット」
が成約率が悪いなんて!しかも「3.ジーパン+Tシャツ」よりも悪いというのが本当にびっくり。
ということは、この時点で確実に言えることは
- 【仮説1】服装は成約率に影響する → おそらく正しい
- 【仮説2】だから(スーツなど)きちんとした服装で営業に行くべき → 間違っている
ということになります。つまり、
- やはり服装は成約率に影響する。しかし、業種によって最適な服装は違う。
ということです。そして、
- 実験により、「5.作業着+地下足袋+頭にタオル」が一番ということが分かった
ということから、植木屋さんの最適な服装は「作業着+地下足袋+頭にタオル」の可能性が高い、ということも言えそうです。
実はこれとまったく同じ経験をした人がいます。私がお世話になっている「社長の日報コンサルタント」の中司(なかつか)さんです。彼はニュースレターの中でこのように語りました。
当時23歳と若かったころ、中司さんは工務店に勤めていました。ターゲットは不動産屋さんです。
飛び込み営業をつづけてもなかなか仕事が獲得できなかった中司さんは、成績が悪かったために現場仕事と兼務させられることとなってしまいました。
午前中は現場に、午後は着替えてシャツとスラックスにネクタイを締めてきれいな服装で営業に出回っていましたが、やはり結果は出なかったそうです。
そんなとき、現場仕事が延びたためにその日は作業着のまま営業に出ることとなってしまいました。すると、いつも社長とまともに話すらさせてもらえない不動産屋さんで、その日はお茶を出され座るように言われるのです。
席についてゆっくりと話すことができれば、要望をすべて聞き出すことが可能です。その後、その不動産屋さんからは定期工事を受注するに至ったそうです。
いつもと同じ内容、時間、話し方、どう考えても違うのは服装だけでした。
そこで、別の営業先にも作業着で営業に伺ったところ、なんとやはり社長の警戒心が解け、しっかりと要望を聞き出すことができた。
それから中司さんは常に作業着で営業に行くようになったそうです。
植木屋さんや中司さんの例、これは一体何なのでしょう。
おそらくこれは、メリコの法則でいうところの「リ」=「理解できるかどうか」、つまり「らしさがあるかどうか」を表しているのではないかと推測します。
「植木屋さんがスーツ」
という「らしくない」服装(=デザイン)は、直感的嫌悪感を生む可能性があるのではないか、ということなんですね(たとえば詐欺師っぽい胡散臭さを感じるとか)。
ここには大きな示唆があります。
まず、「ブランディング」というと多くの人が「見た目をかっこよくする」と勘違いします。「ブランドと言えば?」と聞けば、シャネルやエルメスが出てくるのもこれが理由でしょう。
では、「驚安の殿堂ドン・キホーテ」はブランディングができていないのでしょうか?
彼らは店内の雰囲気に一貫性を出していますし、ドン・キホーテのPOPは統一されていてそのクリエイティブが話題にもなりました。
ちょっと前のコラムでは「自虐広告」として、ドン・キホーテの「その程度の機能ならドンキで十分だ!」という秀逸なコピーを紹介しました。
そして結果どうでしょう?ある一定の層の人たちから(しかもドンキが狙った層の人たちから)選ばれています。
「服装」も「デザイン」で「ブランディング」の一環ですが、「かっこいいものがブランディングだ」としてしまうと、植木屋さんや中司さんの成約率が上がった(つまりより多くの人に選ばれるようになった)り、ドンキが多くのお客さんに愛されている理由の説明がつきません。
だから、私は「ブランディングとは選ばれるための(そして選ばれつづけるための)施策全般」と定義づけているわけです。
服装と成約率、もしかしたらこの現象は日本人特有のものかもしれませんが、日本でビジネスをする上では覚えておいて損はない情報ですよね。
御社の場合、どんな服装だとビジネスがうまくいきますか?それを競合よりいち早く見つけて実践できたら強いですよね。より選ばれますよね。だからこれは「ブランディング」と言えますね。
御社の服装における最適解、見つけてみませんか?
今回はここまでです。
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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