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最近、Netflixでハマっている海外ドラマがあります。「コブラ会」というドラマです。ご存知でしょうか?こちらです。
「いや、知らねーよ」と言われてしまいそうです。では、これはご存知ですか?
R-40かもしれませんが、ご存じの方も多いのではないでしょうか。こちらは、1984年のアメリカの映画「ベスト・キッド」です。
ベスト・キッドはいじめられっ子の主人公「ダニエルさん」が空手に出会い、師匠の「ミヤギさん」とともに空手のトーナメントでいじめっ子たちを擁する「コブラ会」に打ち勝つ、という映画です。
私はこの映画に中学生のときにドハマリしました。見たのはたしか中学2年生のときで、中1から伝統派空手をはじめていた私は主人公にめちゃくちゃ感情移入しました。
何年後かのリメイクで師匠が「ミヤギさん」からジャッキー・チェンに変わって「は?」ってなりましたけど。「お前はカンフーやん、しゃしゃり出てくんなや!」と思ったものです(笑)。
ダメな子とかダメな人が這い上がるみたいなストーリーに弱いんですよね(ダメ男が生まれ変わる「101回目のプロポーズ」についての考察コラムはこちら)。
で、冒頭の「コブラ会」というドラマ、そうです。ベスト・キッドに出てきたコブラ会と同じ名前。
これ、ベスト・キッドの続編というか、当時の登場人物のその後の人生を描いたドラマなんです。主人公の「ダニエルさん」はもちろんのこと、ライバルのいじめっ子だった「ジョニー・ロレンス」とか、コブラ会の指導者「クリーズ先生」とか、みんな登場。
しかも、どちらかというといじめっ子だった「ジョニー・ロレンス」が主人公に近い立ち位置なんです。役者陣も当時の人たちがそのまま演じていて、それがまた時代を感じていい!!
先週の土曜日の夜から見て、数日でシーズン4までを一気見。昨日の夜シーズン5に突入したところです。ぜひオススメです!
それにしても、「ベスト・キッド」や「コブラ会」のように、なんだか自分の琴線に触れてしまうことってありますよね。私は大概の人と仲良くなれますが、「この人とは気が合いそう!」と感じるのは、「笑いの琴線」が同じときです。
今日は、ひじょーーーにくだらないお話。あとちょっと下品かも(汗)。
でもそこそこクスッとできると思いますし、私と「笑いの琴線」が一緒だったらうれしいなと思いつつ。。。
もちろん、ブランディングなんかにも約立つ要素も盛り込んでお話します。
●笑いが止まらなくなった「なんだ君たちは?」
大阪万博の子ども用トイレが個室になっていない、というニュースが流れました。そして、ネットでは万博への大きな批判の的となりました。
この写真を見ると、たしかに何らかの意図があるか、そうではないとしたらあまりにも浅はか、というように感じます。
- プライバシーが守られていない
- 小児性愛者にとって都合が良さそう
- なんで中国式なんだ
- 万博運営側は人権感覚がない
などさまざまな批判がありました。私もわりとそう思います。「これはないだろ」という感じ。
しかし、なんで個室になっていないといけないのでしょうか?ここから急に不謹慎ですが話を「笑い」と「見た目から感じる情報」に持っていきます。
まず、「個室になっていないといけないのか」ということに関してですが、男子用の小便器であれば未だに現代のトイレは個室になっていません。ここで、「個室であるべきか個室であるべきでないか」は、実はロジカルに考えるなら「どちらでもよいのかもしれない(少なくとも男性にとっては)」となります。
では、大便か小便かという切り口ではどうかというと、女性もおしっこであれば個室に入ります。なぜ男子はおしっこのときは個室ではなく、女子はどちらの用を足すときも個室なのでしょう?
こう考えると、用の大小や性別も、実は「個室であるべきか」とは関係ない要素なのではないかということになります。
ここからはしょうもない持論ですが、私はあの「見た目」に答えがあると思うんです。ズボンをズリおろして腰掛けているあの光景が「滑稽」だから、個室にしているのではないかと思うんですよ。
だって、もし「うんちだったら個室がいいけどおしっこだったら個室じゃなくていい」という考え方があったとして、じゃあ全員が小便器ではなく洋式のトイレでズボンをズリおろして座っておしっこをするとしたら、そのとき個室になっていなかったとしたらどうなるでしょう?
この世のトイレに個室が一切ないとして、新橋駅とかでおっさんが5人くらい横一列に並んで、ズボンをおろして座って用を足しているシーンを思い浮かべたら、私は笑えてきてしまいます。
立ちションは恥ずかしくなくて、野●ソ(すんません下品で)は恥ずかしいのも、あの「している様」が滑稽だからだと思うんですよ。
だから、個室が必要な理由は、本当は「面白くなっちゃうから」だと思うんですね(笑)。
で、トイレ談義がしたくてお話しているわけではないんです。「パッと見ただけで笑ってしまうほど面白い」ということが人にはあると思うんですよね。何でかわからないけど笑えてきてしまう、みたいなこと。
昨日の夜、ヨメに「これ面白いから見てみて」と言われた画像がこちらです(左の文章を読んでみてください)。
これは見た目(視覚)ではなく文章(聴覚)なのですが、これを見てなんだか笑いが止まらなかったんです。意味わかりますか?
これは、ジブリの映画「君たちはどう生きるか」のタイトルを思い出せなかった旦那さんが、「なんだ君たちは?」と間違えて言ったというものです。
「君たちはどう生きるか」は私はマンガで読みましたが、あの重い内容が急に「志村けんワールド」になった瞬間に笑いが込み上げてきて、そのあともずっと思い出し笑いしてしまったんですよね。
なんだか「直感的に面白い」みたいなことが人にはありますよね。何かを見たり友だちと話したりしていて笑いが止まらなくなって「笑い死にする〜!」と思った経験は誰にでも1回や2回はあると思います。
●人が◯◯するシーンはなぜ面白いのか?
ここからさらにくだらなくなり恐縮ですが、私が「直感的に笑ってしまう」と思うシーンをご紹介します。動画や写真があれば合わせて。。。
まず、私が直感的に笑ってしまうのは、「人が口の中のモノを吐いたとき」です。これも下品ですんません。
でもよくやりませんでした?子どものころに給食の時間に友だちを笑わせて牛乳を吐かせるの。
あれって「口からモノを吐くのは遺伝子に面白いと刻まれているのでは?」と思うくらいに直感的に面白いから、「なぜ面白いか?」という理由を考えることがまだできない子どもでも直感的にやってしまうのではないかと思います。
私が好きなのは、バナナマンの日村がコーラを早一気飲みして好タイムを目指す動画。途中で苦しくなって吐いてしまうのですが、そのときの相方設楽の笑いにも誘われて笑いが止まらなくなります。
他にも相席食堂での狩野英孝。わさびサイダーを飲んで吐くシーン。これもなんでか笑ってしまうんですよね。
他にも、おじいちゃんの入れ歯が外れるシーンとかも直感的に面白いです。昔、「元気が出るテレビ」という伝説のバラエティ番組に登場した素人のおじいちゃん、「エンペラー吉田」の入れ歯が外れるシーンは定番でした。
そもそもおじいちゃんやおばあちゃんが「直感的に面白い」というところに気づいたという意味では、志村けんはやはり天才だったのではないかと思います(志村けんが最初かどうか知りませんが)。
「ゆうこさんよー、めしゃーまだかな?(飯はまだかな?)」とか。あとやっぱり「ひとみばあさん」は最高です(笑)。
まだまだロジカルに物事を考えられない年齢だったころの我が家の長男と次男も、志村けんやドリフだけは小さいころから大好きで大笑いしていました。つまり、理由がわからなくても「直感的に面白いと感じる」ということを物語っているにほかなりません。
「変なおじさん」の動きとか、何であの動きをすると面白いんでしょうね。いまだにわからないけど見たら面白い。ほくろに毛が生えていたらなんで面白いんでしょう。
志村けんは見た目の面白さ、たとえば「変なおじさん」のメイクや動きもさることながら、「音」でも笑わしてくるのがすごいです。
だって、「なんだ君は!」が「なんだちみは!」になっただけでなんで面白いんでしょう。わからないけど直感的に面白い。「いいよなおじさん」の「〇〇はいいよな〜」も普通のことを言っているだけなのに何でか面白い。
ちなみに「直感的に面白い」の代表格が「リアンクション芸」じゃないでしょうか。あつあつのおでんを食べようとして食べれないのはなんで面白いんでしょう。わかりません。普通だったら心配になってしまうのに、笑えるのはなんでなのか。わかりません。
ちなみに決してリアンクション芸人というわけではないのですが、数年前、アンガールズ田中のこちらの「大型扇風機に立ち向かう」動画を見て息ができなくなるくらい笑いました。
そのまま再生できます(音が出るのでご注意を)
この動画は私がこのコラムのために家のテレビからスマホで録画したものです(笑)。我が家ではハードディスクが録画でいっぱいになってもこの田中の動画だけは絶対に消しません(笑)。
しかし、なんでこんなに面白いんでしょうね。理由がわかりません。特にこれ。なんで横向きになったら、この顔になったら面白いのでしょう(笑)。
さて、このコーナーの締めくくりはこちら。昔なぜか爆笑した板尾創路の「ゴレンジャイ」です。これもなんでか理由はわからないけど面白いと感じてしまう。。。
●「そのホームページをじっくり見るか立ち去るか」を判断するのにかかる時間は◯秒
さて、くだらないお話がつづきましたが、まとめに入りたいと思います。
いつもお話していることですが、人間は直感的に何かを「感じる」「感じてしまう」生き物です。今回は「面白い」と「感じてしまう」というテーマでお話しました。
この「感じる」「感じてしまう」をコントロールすることこそ、ブランディングなわけです。
ブランディングとは、我々の定義では
- 選ばれるため、選ばれつづけるための施策全般
としています。
決して「カッコよくすること」がブランディングなわけではありません。「カッコよくすること」は、「カッコよければ選ぶ」という人がターゲットのときに有効なだけであって、そうではないターゲットには有効ではないからです。
なので、世間一般で認識されているであろう「ブランディングとはカッコよくすること」という定義を我々はしていないわけです。それも含めて「施策全般」と言っています。
ブランディングは「言葉と画(え)」を使って行います。つまり、さらに詳しくいうならば「(ブランディングの)施策全般」とは「言葉と画(え)」で行うこと。
なので、「ブランディング」を言い換えるといかのようになります。
- ブランディングとは、「言葉と画(え)」を使って「感じる」をコントロールすること
なので、今回のような「面白い」とか「笑える」も私にとっては研究テーマなわけです。
さて、「感じる」には「感じるまでの速さ(早さ)」というものがあります。
たとえば、今回でいえば「人が口に含んだものを吐く」やアンガールズの田中の動画は、何も考えずにすぐに(早く)笑えるものです。
対して、ヨメが勧めてきた「なんだ君たちは」は、少し考える時間が必要です。「あ、<君たちはどう生きるか>のことね!」と理解してから「面白い」と感じ、笑いが起こります。
この「感じるまでの速さ(早さ)」や「時間差」を図解すると、以下のようになります。
情報が入ってから「感じる」までの間を「考える」というわけです。「直感的に笑える」というのは、ひとつは、ここの間(=「考える」)がほとんどないことを指します。情報が入ってすぐ感じてしまう(=「笑う」)ということ。
対して、「なんだ君たちは」は「感じる」までに少し時間がかかりますが、なぜ面白いかはわからない。なので、こちらもある種「直感的に感じている」とも言えるでしょう。
つまり、「直感的に感じる」というのは、
- すぐに(そう)感じてしまう
- 理由はわからないけど(そう)感じてしまう
の2つあるわけです。今回のお笑いの例でいけば、「すぐに笑ってしまう(面白いと感じてしまう)」と「なんでかわからないけど笑ってしまう(面白いと感じてしまう)」、これが「直感的に面白い(と感じる)」ということです。
で、なんでこの話がブランディングで重要なのかというと、多くのクリエイターは「理由はわからないけど(そう)感じてしまう」というほうはわりと意識する人が多いのですが、「すぐに(そう)感じてしまう」ということについてはあまり考えていないというか、気づいていない人が多いなと感じるからです。
でも、現実には「すぐに(そう)感じてしまう」のほうが重要なシーンもたくさんあります。
たとえば、駅のポスターなどの広告、スーパーに陳列されている商品、こういったものは一瞥(いちべつ)される程度であることがほとんどです。「パッと見て終わり」ということです。
この「パッと見て終わり」の間に「感じさせられるか」が勝負になるわけです。それなのに「直感的にわかるか」を意識していないデザインやメッセージだったらどうでしょう?相手に刺さりません。感じさせられません。
「おれは駅に広告とか出さないから関係ないや」
「スーパーに卸しているような商材はうちは扱っていないよ」
とおっしゃる方もいるかもしれませんが、お待ちください。では、人がホームページにランディングしてから、「そのページをじっくり見るか立ち去るか」を判断するのにかかる時間をご存知ですか?
これはけっこう昔からいわれていて、かつ諸説あるのですが、ChatGPTに聞いてみたら、3〜5秒だそうです。
つまり、
- 商品を買おうとしている人
- 仕事を依頼する先を探している人
- 就職活動している人(採用応募)
これらの人に3〜5秒で「この会社のホームページは見る価値がありそうだ」と(ほぼ直感的に)感じさせることができなければいけないということなんです。
駅の広告やスーパーでは関係ないと思った人も、ホームページとなるとすべてとは言いませんが多くの人が関係あるのではないでしょうか。御社のホームページはこういった点を考慮してつくられていますか?
前段のくだらない話と打って変わって急にマジメになりましたが、御社のホームページや会社、お店が、「どのくらいの早さで」「どのように感じられているのか」、それは「狙い通り」なのかについて今一度じっくり考えてみることをおすすめします。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール

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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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