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2025年08月08日 コピーライティング デザイン メールマガジン 法則・ノウハウ 【第780回】写真でひと言 ―画像に言葉をつける天才たち―(夏休み特別号!)

弊社は明日からお盆休みとなります。

各担当から連絡が入っているかと思いますが、ビズアップのお盆休みは8月8日(土)〜8月17日(日)となり、今回はかなり長いお休みを頂戴します。

というわけで、本日はお盆前の特別編?として、ちょっとふざけたコラムをご紹介します。

とはいえ、一応勉強になるな、と感じてもらえるようにはしますので、楽しみながら読んでいただければ幸いです。

最近、SNSを見ていて知ったんですが(遅いかもですが)、「大沢たかお祭り」というのが流行っているようですね。

たとえば、こういうやつです。

お子さんがいないとピンとこないのかもしれませんが。。。

映画版「キングダム」に出てくる「王騎」役の大沢たかおさんの画像を使って、主婦やママの悲哀を面白おかしく紹介するネットミーム(ネットでバズって、みんながマネして使い倒す面白ネタ)です。

では、次の写真はどうでしょうか?「BOKETE(ボケて)」という「写真でひと言」の素人投稿サイトから拝借したものです。

これは面白くないです(面白いと感じる方がいたらゴメンナサイ)。

「大沢たかお祭り」は面白くて、この「BOKETE」がなんで面白くないか、今から説明します。ヒントはいつもこのコラムでお話している「言葉と画(え)」です。

前半はちょっとアカデミックなお話になりますが、後半は「写真でひと言」を連発します(笑)。

 

「説得力」の仕組み

まずはアカデミックなお話。

「説得力」とはどこから生まれるのでしょうか?

その答えは「why」「so what」という言葉で表すことができます。日本語で説明するならば「why」は「なぜならば〜」、「so what」は「〜〜だから〜〜」となります。

ちょっと図解してみましょう。以下のようになります。

例を出してみましょう。

  • 主張:Aさんは女性
  • 理由:身体的に女性

ちょっと変な例えですが、これを文章とすると以下のようになります。

  • Aさんは女性です。なぜならば(why)、身体的に女性だからです。
  • Aさんは身体的に女性です。だから(so what)女性です。

となります。

たとえばAさんに胸があり、かつ男性器がないということを確認済みであれば、この主張は説得力が強いです。しかし、以下の例だとどうでしょうか。

  • 主張:Aさんは女性
  • 理由:長髪

文章にすると、

  • Aさんは女性です。なぜならば(why)、髪が長いからです。
  • Aさんは髪が長いです。だから(so what)女性です。

こうなってくると、「髪が長い男もおるやんけ!!」という反論が来ますよね。これは「why」や「so what」の結びつきが弱いということになり、説得力は弱くなります。

これはとてもわかりやすい例ですね。

ちなみにですが、議論で説得力を強くする際は、理由が3つ〜5つあると良いと言われます。図にするとこうなります。

例を挙げると、以下のような感じです。

  • 主 張:Bさんはお金持ち
  • 理由1:金融資産を〇〇円持っている
  • 理由2:年収が〇〇円
  • 理由3:仕事ができる

文章にすると、

  • Bさんはお金持ちです。なぜならば(why)、金融資産を〇〇円持っていて、年収が〇〇円で、仕事ができるからです。
  • Bさんは金融資産を〇〇円持っていて、年収が〇〇円で、仕事ができます。だから(so what)お金持ちです。

となります。

ポイントは、理由が3〜5つあると、ひとつを否定されたとしてもまだ残りの理由で主張を維持できる可能性があるという点です。

たとえば、理由3の「仕事ができる」だから「お金持ち」は否定しやすいポイントです。

なぜならば、仕事をしていない人でお金持ちもいるからです。親の資産を引き継いで家賃収入などの不労所得でお金持ち、という人もいますからね。また、「仕事はできるけど器用貧乏」みたいな人もいますし。

それでも、理由1と理由2から考えると、Bさんがお金持ちだということは否定できない可能性が高いわけです。

少しまとめると、とにかく、強い主張は「why」、「so what」が強いということです。例えるなら、筋肉と筋肉をつなぐ腱のようなものです。

さて、「説得力」というと「言葉」の話のように感じるかもしれません。しかし実はそうとは限りません。

「why」、「so what」が結びつけるのは「言葉と言葉」だけでなく「言葉と画(え)」もあります。パターンとしては以下の3つになります。

  • パターン1:言葉と言葉
  • パターン2:画(え)と画(え)/イメージとイメージ
  • パターン3:言葉と画(え)

パターン1の「言葉と言葉」は先ほど例で挙げたとおりです。

ではパターン2の「画(え)と画(え)」はどうでしょう?

たとえば一流企業の社長の写真を頭の中に思い浮かべてください。腕組みしてませんか?もしくはあなたが社長であれば、腕組みした写真を撮ってませんか?

これは、多くの日本人の中で、「腕組みwhy社長(社長so what腕組み)」というイメージが強いから起こります。

他にも「専門家(why)本棚バック」などもあります。「専門家」と「本棚」は結びつきが強いため、テレビでは「専門家感」を演出するために「本棚バック」でのインタビューが多用されます。ブランディングの一種です。「お医者さん(why)白衣」も同様です。

たとえば、色には「商品色」がある、というのが私の師匠の伊吹卓先生の理論です。その商品のイメージに合った色をパッケージに使わないと売れない、という考えです。

「バター(so what)黄色」とか「オレンジジュース(so what)オレンジ」とかです。一見あたりまえのようですが、これはカンタンな例です。「激辛カレー(so what)黒と赤」などもあります。

ちなみに伊吹先生は、グリコのカレーは色使いが下手だ、と言っていました。甘口、中辛、辛口にそれぞれ説得力の低い色を使っていたためです。

「画(え)と画(え)/イメージとイメージ」は無意識に影響を与えることが多いです。

なので、パッケージだけ見たらデザイン的に成立しているような商品でも、商品特性を考えず色と商品の「why」「so what」に違和感を感じられてしまうと売れない、ということがよく起こります。

では、「言葉と画(え)」のパターン3を見てみましょう。このメルマガでも「言葉と画(え)」の重要性をたくさん訴えてきました。

「言葉と画(え)」のパターンを考えるときは、とってもわかりやすい例があります。冒頭でもちょっと振れましたが、テレビ番組「IPPONグランプリ」や、WEBメディアの「BOKETE」などにある「写真で一言」がそれです。

たとえば、以下の写真に「ひと言」をつけるとしたらどうなりそうでしょう?

写真でひと言を素人が投稿できるメディア「BOKETE」からの回答だと、こんなのがありました。

「はい!UNOって言ってなーい!」

これ、UNOをやったことがある人なら、めっちゃわかりますよね。「画(え)so what言葉」の結びつきがものすごい強い(言葉と画(え)の説得力が強い)から面白いわけです。

この写真はIPPONグランプリの写真でひと言でもお題になっていました。その際のドランクドラゴンの塚地さんの回答がこちら。

「オバマに入れたやろ〜!」

これも面白いです。最高に好きです。

見てきたように、「言葉と言葉」の結びつきの場合はどちらかというと論理的、ロジック的ですが、「画(え)と画(え)/イメージとイメージ」や「言葉と画(え)」の場合は、「感じてしまう」という感覚的な部分が優先されがちです。

 

プロがつくっているくせに、いつも違和感を感じていた広告

ちょっと毒っぽい小見出しになってしまいましたが、いつも見るたびに違和感を感じていた広告があります。それがこちらです。

これ、「この写真だから(so what)このコピー」という結びつきが非常に弱くないですか?なぜこの写真=画(え)をこのコピーと合わせたのでしょう?

しかも、「コピーライター養成講座」の広告って、何かのブラックジョークでしょうか(毒)。

もはやこれは「写真でひと言」のネタフリなのではないかと思ってしまうほどです。私だったらこんな言葉がこの写真から連想されます。

どうでしょう。まだこちらのほうが言葉と画(え)の「why」「so what」に納得感がないですか?(笑)

宣伝会議さんのコピーライター養成講座はこのパターンの広告をここ数年使っているようですが、どうもいつも言葉と画(え)の違和感が強いんですよね。他にも以下のような感じでしょうか。。。左が宣伝会議さんのコピー、右が私が考えたコピー(?)です。

すんません、宣伝会議さん。悪気はありません(笑)。

なんだろう?宣伝会議さん考えすぎたのかな?とはいえ、もしもコピーライター養成講座の集客が上手くいったのなら、宣伝会議さんの考えが正解ではありますが。。。まあ、それでも宣伝会議さんのブランド力からいったら集客できていたとしても広告のおかげかは疑問ですね。

 

大沢たかお祭りをご紹介

さて、なんで「大沢たかお祭り」が面白いのか、なんで「チワワなんか・・・」が面白くないのか、わかりましたでしょうか。

はい、「言葉と画(え)」の「why」「so what」の結びつきに答えがあります。「チワワなんか・・・」は言葉と画(え)の結び付きが弱いから面白くないんです。

ハゲタカ?の写真でチワワを連想できる人、どれくらいいたでしょうか?私は少なくともまったく連想できませんでした。

しかし、「大沢たかお祭り」の例で挙げたほうは、ママならきっと経験があると思いますし、自分自身も子どものころ母親にこれをよくお願いしていた記憶があるので、オカンはこういう感情だったんだと思って申し訳なさと面白さが込み上げます。

ここで、他にもさまざまな「大沢たかお祭り」をご紹介してみましょう。ここからは気楽にご覧ください(笑)。

大将軍の貫禄とフードコートのギャップ

大袈裟な画が大げさに感じない臨場感

うちのヨメです(笑)

これは男もあるある

うちのヨメです(パート2)

これは私もたまにこうなります

子どもが小さいときのあるある

この画(え)にこの言葉をつけたのはマジすごい

ミスドのコマーシャルにそのまま使えそう

何を思えばいいんだろう

なるほど、勝ち誇った気分なのか

わかる、歳取ると特にね

うちのヨメです(パート3)

これもよくこの画(え)にこの言葉をつけたな

こういうおばちゃん、いたよね

そのうち言われそうです

これもこの画(え)でよく思いついたよね

たまにあるよね

やったことあります

うちのヨメです(パート4)

うちのヨメです(パート5)

私もいつか言い返されそうです

これ、何か知らないけど超好き

天才多すぎでしょ(笑)。

個人的に好きなのが、最後の「残り1分の脱水を洗濯機前で待つ私」です。なんかいいんだよなー。主婦の悲哀っていったら失礼かもだけど、日常のなんでもないシーンが大沢たかおのこの表情で笑いに昇華する感じ。

さて、天才ばかりの「大沢たかお祭り」ですが、しかしながら、この世には恐ろしいほどの「言葉と画(え)の天才」がまだ他にもいたのです。。。

 

なぜこんなことを言うのかわからない」のになぜか「わかる」

そうなんです。「大沢たかお祭り」や「BOKETE(ボケて)」の殿堂入りを果たした猛者たちをも凌ぐ天才が、まだこの世にはいたんです。それを今からご紹介しましょう。

今からお見せするのは、単語はわかっても、「なぜこんなことを言うのかわからない」意味が不明なコピーですが、「写真と言葉が合ってる感」は半端ないです。ちゃんと「言葉と画(え)」の結び付きが強いのです。

「メンズナックル」という雑誌をご存知でしょうか?

「メンズナックル」は俗にいうギャル男系ファッション雑誌。残念ながら2022年に休刊となってしまったのですが、たしかにそこに天才がいたことがわかる、そんな秀逸なコピー案をご覧いただきましょう。

夏モテ?悪いがオレは一年中モテだ

え・・・神でもないのにオレに話しかけるのか?

素敵すぎるオレの独壇場で完売御礼

来いよ、何処までもクレバーに抱きしめてやる

AKBとか知らないけど、たぶん全員抱いたぜ

100回愛を囁いた後に、1万回抱いてやる

YES WE CANをアイツに教えたのはオレだ

俺クラスになると鏡とジャンケンしても勝てる。
ねえ、オーラの消し方知らない?

カーキで見せるオトナの色気
ガキは笹でも喰ってろ

朝までに何回KISSして欲しいか決めとけよ

俺のフェザーから鳥人拳を繰り出す!

救急車通ったろ?
俺に失神した女が乗ってるよ

くどいっ!赤パンはシャアとオレの専用だ

モテの女神が舞い降りた・・・
いやオレと同化したんだ

「パねぇ」って言葉はオレのためだけに使え

気がついたら「完全無欠」だった
でもコレがオレの「自然体」。

ほら、聞こえたか?
渋谷の街がオレに抱かれたくて共謀する

モテろって囁くのさ
俺の伊達って止まないワル魂(ソウル)が!

ファーが天使の羽根に見えるなら天国は近い

無限の未来と女、この腕で抱き締めてやる

真のハイソサエティが今、覚醒する

育ちの良さと激しさを同居させた自宅警備員

カッコイイという賛辞に、もはや飽きたオレ

俺はもう既に本物のヒョウなのかもしれない

「艶」という言葉のWikipediaに
この写真が載る日も近い。

水玉!それは美女の涙でできた宝石

すでにオレの魅力に耐えられない?
悪いがオレは変身をあと2回も残している

いやー、秀逸。個人的に好きなのが、「え・・・神でもないのにオレに話しかけるのか?」ですね。あと「AKBとか知らないけど、たぶん全員抱いたぜ」も大好き(笑)。

救急車通ったろ?俺に失神した女が乗ってるよ」は今度救急車が通ったときに使いたいと思います(笑)。

あとこれ。「俺クラスになると鏡とジャンケンしても勝てる。」どうやったらそんな言葉を思いつけるんでしょう?たぶん「不可能はない」的なことを言おうといろいろ考えたんでしょうけども。

ねえ、オーラの消し方知らない?」もいいな。たまらん。

育ちの良さと激しさを同居させた自宅警備員」はニートなんかい!ということになりますし、「俺はもう既に本物のヒョウなのかもしれない」はぜひそこを目指してもらいたいですね(笑)。

いかがでしょうか。彼らの生命力が言葉に乗っていると感じるのは私だけでしょうか(笑)。

ということで、本日はお盆前の特別編ということでくだらないお話となりました。

でも、「言葉と画(え)」の結び付きが大事、というのは、もちろん笑いのシーンに限った話ではないので(ブランディングでも大切なので)、そこだけは誤解しないでくださいね(笑)。

では、よいお盆休みをお過ごしください(来週は休刊です)。

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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