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5月に入りました。ゴールデンウィークですね。
弊社ビズアップは暦通りの営業とさせていただいておりますが、社員によっては有給をいただいております。
ワタクシ、連休はここ10年くらいはどこにも行かず、ひたすら少年サッカーのコーチをしております。
特に今年は指導している子どもたちが6年生となり、全日本予選があったりなど小学生時代のサッカー生活の集大成となるような学年なので気合も入ります。
そして、彼らが来年の春に卒団するころに、私もひっそりコーチを引退しようかなと画策しております。はたして辞めさせてもらえるのか??(もうすぐ10年目に入ります汗)
やっぱりですね、少年サッカーのコーチではあまり運動にならないんですよ。で、最近太ってきちゃったし、無呼吸症候群だし、やはり運動せなあかんなと。なのに毎土日コーチがあるわけです。
なので、コーチを引退したらまた自分のサッカーをはじめようと思います。しかも来年はなんと50歳になる年。現役でサッカーができるのもきっとあと10年。自分のサッカー人生の締めくくりに次の10年を、と考えております。
ちなみに連休が明けたら出張ラッシュです。北海道に行って高知に行って愛媛に行って。。。
いつも飛行機や新幹線に乗るたびに感じることがあるんです。
たとえば、私は飛行機ならJALよりANAのほうが好きで、こちらによく乗ります。新幹線なら東海道新幹線のほうが東北とか北陸新幹線より好きです。
単純に雰囲気の問題なのですが、なんだかそう感じるんですよね。なんかJALって暗い感じがする。新幹線も東海道新幹線が一番クリーンで明るい感じがあります。
私は会社も自宅も東京の私鉄、京王線の沿線にありますが、私の中では京王線は明るくてきれいなイメージです。最近ではそうでもないですが、一昔前の小田急線や東武東上線はとても暗くて陰鬱に感じました。
地下鉄でいえば同じ理由で銀座線が好きですが、やはりちょっと前までは丸の内線と日比谷線がとても暗い印象。日比谷線は今でもちょっと暗い印象です。
こういうのを感じるの、私だけなのでしょうか?
と、いうわけで、今日はこの「感じる」についてお話してみたいと思います。
●「感じる」は鳥が空を飛ぶのと同じくらいすごい能力
電車の雰囲気に限らずですが
- 「何かしらを感じてしまう」
という経験は誰しもがあると思います。
「感じる」って面白くて、「考えて」そうなったわけではなく自然と「感じて」しまうというところがミソ。
ブランディングは「選ばれる、選ばれるづけるための施策全般」というふうに私は定義づけています。そしてブランディングは「言葉と画(え)」で行います。
このことから、ブランディングの定義である「選ばれる、選ばれるづけるための施策全般」は、
- 「言葉と画(え)」を使って「感じてしまう」をどのように戦略的にコントロールするか
と言い換えることができるわけです。「この言葉を聴くとこう感じる」「この画(え)を見るとこう感じる」ということを作戦立てて行う、ということです。
さて、「感じてしまう」の代表例は「人の顔」ではないでしょうか。
はじめて会う人の顔つき、人相からなんとなく「こんな人だろう」ということを想像してしまうということはよくあることです。
「人の顔」から感じるのは性格に関することだけではありません。
悲しそうな顔をしている人がいれば「悲しいんだろうな」ということを「感じ」ます。「私、悲しいんです」と伝えなくてもわかる。当たり前のようでよく考えたらすごいことです。
だって、これって言葉がなくても相手に自分の感情や心境を伝えることに成功していると言っていいですよね。すごくないですか?
私は「水曜日のダウンタウン」という番組が大好きなのですが、そこで以前こんな「説」が検証されていました。
- 中継先に現れたヤバめ素人のさばき方で芸人の力量丸わかり説
もしかしたらYou Tubeで出てくるかもしれませんので、ご興味あれば見てみてほしいのですが、特質すべきは「芸人の力量」のところではなく「ヤバめ素人」のところです。
「ヤバめ素人」を演じているのがスタッフさんなのか役者さんなのかわかりませんが、「ヤバめ感」が半端ない。
しかしおそらく、事細かに演技指導をされたわけではなく、「ヤバめ」という言葉から想像してこのような演技をしていると私は推測します。
なぜ「ヤバめ素人」という言葉だけで「こんな感じだろう」という表現ができてしまうのか。
- 目が据わっている
- 口が半開き
- 視点が定まらない
- 服装が汚らしい
- 体の動きもなんかおかしい
言葉にするとこんな特徴がありそうですが、おそらくそれらをひとつひとつ説明しなくても「ヤバめ素人といえばこんな感じ」ということから演技ができてしまう。そしてそんな人を見て視聴者は「たしかにヤバそう」ときちんと感じる。
人間のこの「感じる力」って本当にすごいんですね。ちなみに以下が「ヤバめ素人」の画像です。
私が定義する「コンセプト」とはこういう「ヤバめ素人」のような言葉です。「考える言葉」ではなく「感じる言葉®」。「感じてしまう言葉」。「®」とあるように、きちんと商標登録もしています。
ちなみに、師匠である伊吹卓先生はこの「見て感じる力」を使って物事を考えたり分析することを「着眼法」と名付けられていました。感じる力とそこから何かを導き出す力が強い人を「着眼力がある」と言います。
実際に観察する、観察すれば感じる。そこからわかることにはとても大きな情報が含まれているわけです。
伊吹先生はよくおっしゃってました。
鳥は空を飛ぶことができる。人間からしたらとてもすごい能力だ。しかし鳥からしたら当たり前のこと。つまり自分にとって当たり前過ぎてその価値に気づいていないということが本当によくある。人間にとって「見て感じる」という能力は鳥が空を飛ぶのと同じくらいすごいことなんだ。
●合コンは◯秒で終わる
「感じる」は「考えて」そうなったわけではなく自然と「感じて」しまうというところがミソだとお話しました。
つまり、「感じる」というのは意識とはある意味切り離されたものです。
「この人の顔はこうだから、だから〜〜で、なのできっとこういう人」という順序立てた考察ではなく、第一印象でそのイメージが出てきてしまうこと。脳みそが先にイメージを持って、それが意識に現れてくる、という感じでしょうか。
実は近年の研究により、相手の信頼度まで脳が瞬時に判断しているということがわかったそうです。
記事によると、脳の扁桃体という部位が「意識とは関係なく」瞬時に相手が信頼できるかどうかを判断しているそうです。
たしかに、別の記事で見たことがあります。男女の関係についてですが、自分にふさわしい異性かどうかは0.5秒で判断できているらしい。当然無意識です。0.5秒で自分に合うか「感じる」ことができているというわけです。
この記事には、「合コンは0.5秒ですむ」「0.5秒だけイケメンに見える練習しとこ」などのコメントが寄せられており、私自身も0.5秒だけイケメンになれるように訓練したいと思ったものです(笑)。
これらのことを考えると「意識って一体何なんだ」とちょっと切なくなります。。。でも、「人間は見て何かを感じて判断するようにそもそもつくられている」ということがよくわかりますよね。
ちなみに先ほどの記事の研究の結果によると、信頼できる人とできない人の顔の特徴が割り出されたそうです。
- 「信頼できる」という印象を与える顔の特徴は下がった眉と高い頬骨
- 「信頼できない」という印象を与える顔の特徴は吊り上がった眉と平らな頬骨
となっており、実際の画像が以下です。個人的には「ほんまかいな」と「感じる」顔つき。「信頼できる」ほう(右)の人があまり信頼できる顔に見えないように「感じる」(笑)。
では、人相と信頼度や性格って本当に相関関係があるのでしょうか?「信頼度がある」とか「きっとこんな人だろう」と「感じた」ことはどれくらい合致するのか。
人間の性格は十人十色ですが、ある程度の傾向はつかめるのではないか、と感じた記事があります(「近年、顔採用が増えている?」 大企業であればあるほど美人が多い理由とは?)。
この記事の中で、東急エージェンシーという有名な広告会社が独自の顔採用システムを開発したとあります。
顔で採用の可否を決めるのではなく、顔つきからある程度の性格を判定し、その性格に合わせた面接や応募方法を用意してあげるというもののようです。
WEBカメラが付いたPCからエントリーすると、入社3年目までの社員+内定者の顔座標から独自の計算式で算出し、
- 「のんびり顔」
- 「心配性顔」
- 「せっかち顔」
- 「よくばり顔」
- 「こだわり顔」
の5つの顔に分類されます。それぞれの「顔」に応じて用意する就活支援特典も5種類あり、「のんびり顔」には「エントリーシートの〆切に1週間のロスタイム」、「心配性顔」には「面接5分延長戦」を用意されます。
また「せっかち顔」の人にはエントリーシート設問を1週間先行公開、「よくばり顔」の人には面接を独り占め、「こだわり顔」には面接官を写真で逆指名権を設けることができるといった、非常におもしろい仕組みになっています。これが東急エージェンシーの『顔採用』です。
と記事にはあります。
どのくらいの精度かまではこの記事からはわかりませんが、東急エージェンシーが顔採用をはじめたのは昨今のAIブームの前だったはずです。なので、さまざまなAIが登場した今は、さらに精度が上がっていそうです。
●会社の身だしなみが「残飯」になっていないか?
人の「感じる力」とその精度(感じたことが正しいかどうか)について少しお話しました。決してルッキズムのお話ではございません(笑)。
さて、採用においては当たり前ですが精度が求められます。精度とは、顔採用によりどれくらいその企業に良い影響を与えることができたのかということにほかなりません。
美人を採用したのに、イケメンを採用したのに、業績向上もしなければ社内の空気も良くならない、なんていうことがあったら意味がありません。
しかし、ビジネスの他のシーンにおいては、「見た目による判断の精度」は、はっきり言って関係ないと私は考えます。
つまり、「この人はこういう人だろう」というプロファイリングの精度よりも、「無意識的に何かを感じてしまう」ということのほうがよっぽど重要だということです。
「感じた何か」が合っているとかいないとかは関係ないということです。脳の扁桃体が瞬時に判断して「ダメだ」と感じられてしまえば、「その先」に進むことは難しいわけです。
たとえば、次のものを想像してみてください。
- ゴミ箱の中にあるビニール袋に無造作に放り込まれた料理
これって言葉で表すと何になりますか?「残飯」じゃないですか?少なくとも食べたいとは思いませんよね。
でも、これは超有名シェフがつくったもので、何でかわからないけど、つくりたてをビニール袋の中に放り込んだかもしれません。つまり、食べられるし、おいしいかもしれません。
しかし、説明されなければ誰もが「残飯だ」「食べられない」と思いますよね(説明されてもイヤかもだけど)。
これと同じです。正しくプロファイリングしたら「すばらしい」かもしれないけれど、そうしようと思う前に脳(扁桃体)に拒否られてしまったら意味がないわけです。
だから、プロファイリングの精度は関係ないよ、ということなんです。感じさせた時点で勝敗が決しているわけです。
ビジネスの現場に置き換えてみましょう。営業マンの身なりが信用に足るものではなかった場合、その人が本当はどんなに誠実で仕事もできる人であったとしても、その人から何かを買う確率は格段に下がります。
なので人が「感じる」ことの精度はあまり関係ない。繰り返しますが、何かを「感じさせた」時点で勝敗は決しているというわけです。
そして、「人」や「顔」のことを中心に話を組み立てていますが、これは人に限った話ではありません。何が言いたいかわかるでしょうか?
そう、会社も同じということです。だからブランディングが大切なんです。
ちなみに、人間は「好きか嫌いか」「信頼できるかできないか」だけではなく、「自分に合いそうかどうか」も瞬時に判断しています。
その判断は、関係が深くなる前の「第一印象」であることがほとんどです。合コンは0.5秒ですむわけですから(笑)。
だから、自分(自社)の内面を表した第一印象にすることが大切です。「らしさ」をデザインで表現するわけです。これらは営業だけの話ではありません。採用にも影響する話です。
お話してきたように、顔はその人のらしさを最も表現します。顔は内面により造形がつくられると私は考えられています。
ロゴや会社の見た目もそうであるべきです。つまり「会社の身だしなみ」です。なにより、ロゴは「会社の顔」と言われています。
御社の身だしなみは「残飯」になってしまっていませんか?
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール

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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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