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2026年03月13日 メールマガジン 所感 【第809回】お金という宗教 ―YOUは何しにジョージアへ?―

3月も中旬に差し掛かっています。

毎年、だいたいこの時期に海外出張が入ります。というか他にも出張が入ったりして、自分でもちょっとやり過ぎだな、もうちょっとマジメに働かないと、と思ったりします。

今年も、3週間の間に長崎 → ジョージア → 八戸と3ヶ所に行きました。

ちなみに昨年なんかは、スリランカに行った1週間後にカンボジアに行きました。一度帰国しましたが、意味があったのだろうか。。。

で、ですね。毎回海外出張に行った際のレポート(?)的なコラムを書いているので、今回もそれをお届けしたいなと思う所存でございます。

前述のとおり、そして先週もお伝えしたとおり、私が今回行ったのは「ジョージア」という国です。

どこにあるかわかります?こんな場所です。

この海外出張は、私が所属しているEOという経営者団体で行われているものです。

EOには毎月会ってスマホもオフにして4時間みっちりミーティングをする「フォーラム」というチームがあります。

そのメンバーで年に1回は最低でも行かなければならないというルールになっており、これを「リトリート」といいます。「日常の環境から離れて、心身を整えるための時間や場所」という意味らしい。

リトリートは毎回テーマを持って行っています。

ジョージアは「ワイン発祥の地」と言われてて、他にも歴史的にかなり古い遺跡など(4000年前とか)あります。今回のテーマは「歴史や伝統について考える」というもの。

ちなみに過去に行った国とそのテーマはこんな感じ。

番外編は「フォーラム」でのリトリートではないので、テーマは今あとづけしました(汗)。

それでは、今回訪問したジョージアという国や、そこで感じたことをシェアさせていただきます。

長いので、3時のおやつなどに休憩しながらお読みください。

 

ジョージアという国をご存知ですか?

まずはジョージアという国の概要について解説します。チャッピー情報を含みます。

【基本データ】

  • 正式国名:ジョージア
  • 首  都:トビリシ
  • 面  積:約 6.97万 km²(北海道より少し小さい)
  • 人  口:約 370万人前後
  • 言  語:ジョージア語
  • 通  貨:ラリ(GEL)
  • 宗  教:主にジョージア正教(東方正教会系)
  • 隣  国:北→ロシア/南→トルコ/南東→アルメニア/東→アゼルバイジャン/西→黒海

ちょっと前までは「グルジア」という呼ばれ方をする国でした。これはロシア語読みなんだそう。意味は「狼の民の国」とかなんとか?

で、2015年にジョージア政府が「ロシア語読みやめてくれ!」っちゅーもんだから、英語読みの「ジョージア」になったんだそうです。わりとつい最近。たしかに私なんかはちょっと前まで「グルジア」と覚えていましたから。

ちなみに国旗はこれ。

現在のジョージア国旗は2005年に採用されました。五つの十字架のデザインは、ジョージア王国が最も強かった10〜12世紀頃の旗を復元したものらしい。

人口は370万人前後で、このあたりのヨーロッパの国に多い人口という感じ。調べるとクロアチアとかも同じくらいらしい。

あまりピンと来ないかもですが、日本の都市と比較するとわかりやすいです。

  • 横浜市:約370万人
  • 大阪市:約270万人
  • 京都府:約250万人

なんですって。横浜がひとつの国くらいな感じ。

ジョージアはコーカサス山脈の南側にあります。コーカサス山脈には 5000m級の山もあり、自然が非常に豊かです。

首都はトビリシという都市。温泉でも有名で、「トビリシ」という名前自体が「温かい」という意味の言葉から来ています。我々も温泉に入りました。

「現在のトビリシは景気が良く、犯罪も比較的少ないため住みやすい都市とされる。医療機関も充実しているという。」とチャッピーは言っていますが、私が現地で聞いたのもまったく同じ話でした。

ジョージアの歴史はかなり古く、紀元前20世紀まで遡ります。つまり、今から4000年前。実際に我々も4000年前の遺跡に行きました。

古代には「コルキス王国」「イベリア王国」などの国家が存在したそうですが、ワタクシ、世界史があまり得意ではなかったのでこのあたりは知りませんでした。ちなみにギリシャ神話の「金羊毛伝説」の舞台がコルキスとされています(すんません、その伝説も知りませんでした)。

ジョージアは世界でもかなり早くキリスト教を国教化しました。4世紀で、これはヨーロッパより早い時期なんだそう。

上記にもあるとおり、ジョージアのキリスト教はカトリックやプロテスタントではありません。ジョージア正教という、かなり独立したキリスト教だそうです。

実際に、4世紀〜6世紀の教会がたくさん残っていました。

ジョージア王国は最盛期は12〜13世紀。「タマル女王」という人が有名だそうで、この時代に文化・建築が大きく発展したとか。

しかし、その後「外国支配の時代」がつづきます。ジョージアの人からすると、「ずっと支配されつづけていた」という感覚がある様子。

  • モンゴル
  • ペルシャ
  • オスマン帝国
  • ロシア帝国
  • ソ連

ちなみに、ジョージアはスターリンの出身地としても有名です。我々もスターリン博物館に行きました。

 

自分の目と耳で現地を見たり、話を聞いたりしたこと

ジョージアの人は、見た目はヨーロッパ白人系ばかりかと思いきや、やはりトルコや中東も近いので、オリエンタルな見た目の人々も多くいました。どちらも混在している感じ。

男性は白人系の人の場合体格が大きい人が多いという印象で、みんなミルコ・クロコップみたいでした。

空港の外に出たとき、ミルコ・クロコップみたいな警官3人がタバコを吸ってたむろしていて、異様でした。他にもポケットに手を突っ込んで歩いている警官がいたりと、警官がみんな素行悪そう。

でも、ジョージアの人たちは概ねフレンドリーで優しい人たちばかりでした。

恒例?かどうかわからないのですが、海外に行くとついつい車が気になっちゃうんですよ。過去のコラムにも載ってますけどね。

ジョージアの場合、左ハンドル、右側通行。街で見かける車は多様で、

  • ベンツ
  • BMW
  • フォルクスワーゲン
  • トヨタ
  • ホンダ
  • 日産
  • スズキ
  • ヒュンダイ

などが多いです。

やっぱり日本車がここでも強い。しかし、アジアに比べてベンツやフォルクスワーゲンなどもよく走っていました。超高級車ということでいえば、マセラティを1台だけ見たかな。

あと、なぜか日産マーチの右ハンドルを何台か見た。日本だと左ハンドル(つまり通常と逆ハンドル)は高級車ですが、ジョージアの日産マーチはボロいのばかり。

マーチのみならず、みんな車が汚ねえ。ほとんど汚れている。洗車とかする文化はないのかな?と思いきや、「洗車」の看板もある。どういうこと?

聞くと、新車を買う人はあまり多くないらしいです。だから車を大切にしないのかな?フィリピンのマニラのほうが、車はナゾにきれいだったぞ。

ちなみに車社会ではありますが、地下鉄もあります。トビリシの地下鉄は1962年に開業。旧ソ連時代、モスクワに次いで早く建設された地下鉄のひとつなんだとか。戦争時の避難を想定し、非常に深い場所に建設されているようです。

ジョージアでは、近年ロシアやウクライナから移住してくる人が急増しています。ロシアとウクライナの戦争のためです。

不思議ですが、争い合っている国のどちらからも同じ国に移住する人がいるんですね。

ジョージアでロシア人とウクライナ人がケンカにならないところを見ると(ジョージアは治安が良いです)、戦争って本当に権力者たちが何の罪もない人たちを使ってやっていてくだらないですね。自分たちで殺し合えばいいのに。

ちなみに、ロシアからの移住者が多いのは意外でした。なぜなら、ロシアは資源も食料も豊富にあり、西側諸国の経済制裁をもろともしていないと言われているからです(テレビでは知らんけど、ネットではちょっと調べるとそうでてきます)。

なので、わざわざジョージアに移住する必要なんてない、ロシア国内の紛争地域から離れたところに住めばいいだけなんじゃないの?と思って、現地のガイドさんに質問してみたんです。

そうしたら、徴兵制がイヤで移住してくる人がいるらしいですね。なるほど、と。

なお、これらの影響で住宅需要が急激に高まり、家賃は以前の約3倍程度にまで上昇しています。ピーク時はさらに高かったらしい。

ジョージアは、外国人が住んだり働いたりするハードルがめちゃくちゃ低いです。在留資格も比較的簡単に取得できます。

また税制も外国人にとって非常に優遇されており、外国人がジョージアに来て起業した場合、最初の5年間は税率1%、その後も約5%とかなり低い税率で事業ができます。

一方、ジョージア国民の所得税は一般的に20〜40%程度とされているみたい。

チャッピーに聞くと、ちょっと事実と反しているところもあるっぽく、私が勘違いしてメモっていたのかもしれませんが。。。

最近できた法律では、ジョージア人に対しても起業して最初の3年間は税金ゼロになる制度が導入されているといいます。

さらに外貨収入への税負担が非常に軽く、暗号資産(クリプト)に対する税制も緩いため、海外から多くの人が集まっているんだとか。

実際に、ちょっと前まで「ノマドワーカーといえばジョージア」みたいに言われていたこともあったらしい。

しかも、ジョージアでは起業の手つづきが比較的簡単で、初期費用もそれほど高くないと言われています。

また地理的な位置も特徴的で、ヨーロッパとアジアの中間地点にあるため、両地域にビジネスを展開しやすいという利点があります。このため、あえてジョージアに拠点を置く外国人起業家もいるとか。

実際に、ジョージアはシルクロードの重要な地点でもあったらしいですね。

スタートアップの資金調達については、政府主導のプログラムが多いようです。イノベーション促進のため、政府が資金を出す制度があり、約1500万円規模の資金が出ることもあるんだとか。

で、この制度は外国人も利用可能なんだそう。個人投資家も存在するけど、政府プログラムの役割は大きいみたいです。

ここまで話してきて、ちょっと気持ち悪いなと感じています。

これ、日本の移民政策と酷似していますよね。で、ウラ側にアメリカをはじめとする「西側」がいるわけじゃないですか。

おそらくジョージアもメディアは西側諸国に牛耳られていて、実際に話してみると、ジョージア人のほとんどが「ロシア大嫌い!」という感じでした。

しかも、ジョージアに住んでいる日本人女性と話をしてみると、ロシア嫌い、プーチン嫌い、トランプ嫌い、など、言っていることがテレビばっかり見ているうちのオトンとオカンと同じすぎて、推して知るべしという感じでした。

たしかにジョージアはロシアに支配され、ソ連に併合され、と憂き目にあった歴史があります。なのでその感情になるのはもっともです。が、それを利用してウラで煽っているやつがいるんだろうなと、そういう違和感を感じました。

ちなみに、国会議事堂的なところでは「EUに加盟しろ!」というデモも頻繁に行われていて、私も見ましたし、街中ではウクライナ国旗をよく見ました。日本も「がんばれウクライナ」一色だった時期があり、やはり酷似してますね。

外国人の流入が増えている一方で、「外国人に富を奪われるのではないか」という不安も一部に存在するそうです。日本もその危機感がありますよね。

ただ、ジョージア人は伝統的に非常に強いおもてなし文化を持っていて、基本的には外国人を歓迎する姿勢を見せることが多いんだとか。

ロシア嫌いの声をよく聞くにも関わらず、ジョージアの輸出入で最も取引量が多い相手国はロシアなんだそうです。

エネルギー面では、石油の多くをアゼルバイジャンから輸入しています。アゼルバイジャンとアルメニアは歴史的に紛争が多いため、両国を行き来する際にはジョージア経由になることが多いんだそう。

さらにロシアからEUへ輸出する場合、物流がジョージアを経由するケースもあるんだとか。何かと仲介役的な動きになっていると。

また、ジョージアは観光地としても人気が高いらしいのですが、観光客はロシアとイスラエルの順で多いそうです(チャッピー的にはトルコとかからも多いらしいけど)。

ロシア人が好きなんだか嫌いなんだか。。。まあ、日本も同じか。中国人観光客に対してよく思っていなかったり、儲かるからOKってなっている人もいたり。

 

写真で見るジョージア

写真をいくつか紹介しながら、よりジョージアを感じていただきたいと思います。めちゃくちゃ枚数が多いですが、行ってみよう!

飛行機を降りてパシャリ。生憎の雨。

イミグレで盗撮される(笑)

税関を通過。空港はこんな感じです。

基本的におまわりさんはみんなマル暴みたい。

空港から市内へ行く道はちょっと寂しげ。

中心地である自由広場に到着。金色の像は聖ゲオルギオスの像。

自宅の玄関を出てから25時間、やっと到着。

ホテルの窓からの眺め。

ホテルのエレベーターには抹茶ラテの広告が。海外でも抹茶は人気。

ジョージアの国会議事堂(だったと思う)。

何かの協会?

バスが長い!!

ジョージアはおしゃれな建築物が多い。

これもおしゃれ。政府の建物。何省だったか忘れました(汗)。


これも政府の建物。たしか内務省だったっけな?きのこって(笑)

マンションもなんだかおしゃれ。

超かっこいい。ソ連時代の建物らしい。

これ、実は図書館ではなくシェアオフィス。おしゃんです。

建物(シェアオフィス)の中に樹。

中に入るとこんな感じ。

中庭。

シェアオフィスの中にワインショップ。

シェアオフィスの中にワインバー。

ワインバーには日本のお酒も。

ジョージアの若者と1枚。大きい男性はラグビー元ジョージア代表だって。

街を散策(1)

街を散策(2)

街を散策(3) 

夜の自由広場。

ジョージアは夜中ひとりで裏路地を歩けるくらい治安が良いです。

ジョージアの日の出は遅く、この日は7:24。これは7時くらいの写真。日本時間で正午。

ワイナリーへ。

ワイン発祥の地、ジョージア。この土器のようなものでワインをつくります。

土器のようなものの名は「クヴェヴリ」。地中にクヴェヴリを入れて発酵させます。

ワイナリーのオーナーから製造方法をお聞きしました。

お待ちかねの試飲タイム。

ブドウ畑のコーカサスの山。

お昼ご飯はなんと、一般のご家庭へ。

ひろーい!

焼き立てのパンをいただきました。めちゃくちゃおいしい!

ジョージアの伝統的なお菓子作りも体験。

そしてBBQ。写真うまくない?(撮影者津久井)。

お昼からワインもいただき、お母さんとパシャリ。

世界に轟くPanasonicの看板。

歴史のある教会へ。

教会からのステキな景色。

ジョージアはなんか、「像」が多い気がする。

プライベート個室温泉&サウナへ。イスラム様式の建物。

夕ご飯。揚げたナスにチーズを巻いたやつ。

何かの皮でチーズみたいなのを巻いたやつ。

ジョージアといえば「ヒンカリ」。西洋風小籠包みたいでうまい!

ジョージアで夜遊び。カフェバー的なところへ。

店は大賑わい。

ダーツ(アナログ&手書き)をやりました。

4000年前の遺跡へ向かう。

遺跡の入口。

なんかいろいろ見えてきた!

王様が住むお城みたいなものだったらしい。ちょっと登ったところからの景色。

さらに登ると!

ここは紀元前2000年の教会だったらしい。

薬(ハーブ類)を置く棚と言われている。

ここは10〜12世紀の住人によってリノベ?された場所らしい。

お次はスターリン博物館へ。

スターリンが乗っていた防弾列車。

こんにちは。

博物館入口正面にもスターリン像。

スターリン一色(当たり前だろ)

若いころのスターリンが隠れて活動していた新聞社の模型。一般人の家の下にあったらしい。

スターリンが使っていた机。

教科書で見たことあるやーつ!!

ヤルタ会談。

写真いろいろ。

彼は右顎のあたりのブツブツがコンプレックスで、この角度の写真は珍しいらしい。

防弾列車の中(1)

防弾列車の中(2)

防弾列車の中(3)

防弾列車の中(4)

防弾列車の中(5)

ジョージア2軒目のワイナリーでお昼ご飯

めっちゃかっこいい!

飾ってある動物は全部狩りで仕留めたものらしい。

ここでもワインを購入。

ジョージアのデパート。

デパートの食品売場。ワインは当たり前のように大量に置かれている。

店内の様子(1)

店内の様子(2)

店内の様子(3)

店内の様子(4)

バナナは一房270円くらいか?もしかしたら5房で270円?

ワインに負けず、ビールもありまっせ。

っていうか、めっちゃありまっせ。

「sushi」発見。

チーズはジョージアでは必需品。

最終日、ヨーロッパで6番目に大きい教会へ。

たしかにでかい。

中はさらに大迫力。

偉い人が座る椅子。

これ、聖書なんだって。

ジョージアで見つけたロゴ(1):ホテル

ジョージアで見つけたロゴ(2):何屋かよくわからん、金融系?

ジョージアで見つけたロゴ(3):ジョージアの伝統品などを売っているショップ

ジョージアで見つけたロゴ(4):飲食店

ジョージアで見つけたロゴ(5):お菓子屋さん

ジョージアで見つけたロゴ(6):歩きながら撮ったので不明

ジョージアで見つけたロゴ(7):時計屋さん

ジョージアで見つけたロゴ(8):ドラッグストア

ジョージアで見つけたロゴ(9):電話の何か

ジョージアで見つけたロゴ(10):ジョージア語のコカ・コーラ

美術館に親戚がいた

 

ジョージア人の収入

現在のジョージアの平均月収は、チャッピーに聞いた最新統計だとだいたい次の水準です。

  • 平均月収(全国平均):約2,100〜2,300ラリ/月(日本円で約12〜13万円前後)

また、都会と地方でかなり差があるようです。

  • トビリシ:約2,500〜3,000ラリ(14〜18万円)
  • 地方都市:約1,200〜1,800ラリくらい(7〜10万円)

日本の約半分から3分の1くらいですかね。とはいえ、収入の平均値というのは日本もそうですが当てにならないです。

たとえば日本の場合、厚生労働省の賃金構造基本統計などから出る平均だと、

  • 約31〜32万円/月(ボーナスを含めた年収平均約460万円前後)

とでます。これを聞くと、いつも「現実より高いだろ!」と思ってしまいます。だって中小企業は平均でそんなには払えないところがほとんどじゃないですか。

でも、カラクリを知らない会社員は、これを見て「うちの会社って給料安い〜」と不満に思ってしまう。

平均値っていうのは、100人中ひとりでも異常値を出したらそれに引っ張られてしまいますので、収入などの場合、かなり高く算出されることがほとんどなんです。

このカラクリを正しく把握するための指標が、平均ではなく「中央値」や「ボリュームゾーン」です。

  • 中央値:たとえば100人の収入の中央値は、収入順に並べたときの50人目と51人目の間にある
  • ボリュームゾーン:収入でいえば、いちばん人が密集している価格帯・年収帯

日本の場合、こんな感じになります(チャッピー調べ)。

  • 平均年収:約460万円
  • 中央値:約380〜400万円
  • ボリュームゾーン:300〜350万円

ジョージアも同じように比較してみましょう。

  • 平均年収:約26,400ラリ(約140〜150万円)
  • 中央値:約19,000ラリ(約100万円)
  • ボリュームゾーン:約15,600〜18,000ラリ(80〜95万円)

という感じ。やはり日本と同じでボリュームゾーンで見ると平均よりかなり下がってしまいます。そしてボリュームゾーンでの比較だと日本の3分の1以下の収入。

ただし、ジョージアは物価は安い。我々もそこそこの高級店でワインをボトルで頼みましたが、良いワインで、たぶん1本2000円くらいです。

チャッピーに聞くと、

  • 水1.5L:1ラリ(60円)
  • 牛乳:3ラリ(180円)
  • パン:1.5ラリ(90円)
  • 卵10個:6ラリ(360円)
  • 鶏肉1kg:10〜12ラリ(600〜720円)

という感じらしい。とはいえですね、安いっていっても、首都トビリシでも14〜18万の月給に対してで考えると、決して安くはないんですけどね。

しかも家賃の平均は5〜13万。2021年から2〜3倍近く上昇しているそう。14〜18万の月給からの家賃なので、5万でもかなりしんどいんじゃないかな。

さて、日本でも格差社会が叫ばれて久しいですが、ジョージアではどうなのか。

これは直接聞いてきた話で、ミドル層と低所得層の差は比較的小さいそうですが、富裕層との差は大きいとのこと。

日本も同じですね。資本主義が行き渡った国はだいたいこうなりますね。世界の富の実に95%は上位20%の人が持っているとか、もっといえば世界の上位1%が、世界の富の約半分を持つ、なんてことも言われます。

では、ジョージアの富裕層というのはどういう人かというと、

  • 政府関係者
  • 海外で成功したジョージア人
  • 大規模ビジネスの経営者

などが多いんだそうです。

特に「海外で成功したジョージア人」。ジョージアはそれほど大きい国ではないし、ロシアやヨーロッパ、アジアとも比較的つながっていますから、海外へのビジネスに携わる人がけっこういるみたいです。

海外で一発当てて外貨を獲得できれば、ジョージアではかなり良い暮らしができそうですね。

また、具体的な業種では(チャッピー情報)

  • IT
  • 外資
  • 金融
  • 国際企業

の給与が突出しているとのこと。たとえばITエンジニアであれば、給与は4,000〜8,000ラリ/月です。日本円にして月収24万〜48万。これはジョージアの収入の中央値の3〜5倍。

首都トビリシの意識高い系の若者の多くはITに従事しているのではないかと思います。

ちなみに、ミドル層は家族全員が働く家庭が多く、低所得層では父親だけが働く家庭が多い、ということも聞きました。これも日本とだいたい同じですね。

 

ジョージアで得た一番の気づき

さて、お金の話ばかりしましたが、それには理由がありまして。。。私がジョージアで受けたカルチャーショックで一番大きかったのが、実はお金のことだったからです。

ジョージアは、なんと銀行金利が定期預金で9〜12%あります。

簡単にいえば、1000万円預けていたらそれだけで初年度で90万〜120万増えます。

複利が働くから、5年後にはざっくり1000万が1500〜1700万円に、10年後には1000万が2300万〜3100万になります。

何もしないでもアホみたいにお金が貯まっていく国、ジョージア。

もっともこれは日本の金利が安すぎるだけで、他国もこのくらいの金利の国はけっこうあります。昨年行ったスリランカやカンボジアも似たような金利だったはず。

「だからみんな、金利の良い国で預金しようぜ!」という話ではなくてですね。

ジョージア人は、実は預金している人はとても少ないんだそうです。

こんなに金利が高いのに、なんでだと思います?

ジョージアは、この30年で通貨が3回も変わっています。ソビエト時代の「ルーブル」、つづいて「(ジョージア)クーポン」、そして現在の「ラリ」。

当然 通貨が切り替わるときには、価値は紙くず同然に落ちています。

そのため、ジョージア人は「お金というものを信用していない」んだそうです。だから銀行預金も信じられない。

財産を現金で持つのは危険、特に自国通貨で持つのは、ということで、彼らは貨幣ではなく不動産で財産を持つことが多いようです。

とはいえ、そんなにお金持ちな人ばかりではないので「不動産王になるぜ!」ということではなく、預金の代わりにアパートを購入するわけです。

キャッシュができたら区分でいくつかの物件を所有します。自分の住む家と人に貸す家と。。。しかも、前述のように今ジョージアの家賃は急騰していますから、稼ぐ力がある人はますます現金より物件、という感じなのでしょう。

自分の国の通貨が信用できないという感覚は日本人にはないと思います。それどころか、通貨を信用するとかしないとか、その感覚すら、日本人にはたぶんないのではないでしょうか。

日本のこの現象はジョージア人から言わせると、もはや宗教なんだそうです。お金を盲信している「お金教」。

たしかに、どんなにおかしな宗教でも、やっている本人はそれがおかしいとは気づきませんからね。「宗教」とは超言い得て妙。

シェアオフィスでジョージアの若いビジネスマンと話をしたとき、一緒に行った仲間が質問をしました。

「ジョージアでは今、どんな経営者が周りからリスペクトされますか」

質問をした仲間いわく、「成長している人がかっこいい」とか「会社を拡大している人がかっこいい」という価値観が、自分も含め自分たちの周りでは比較的強い。

そんな中、ジョージアの起業家も同じ感覚なのかを知りたかったようです。

それに対してジョージアの場合は、

  • ジョージアの伝統を守っている会社がかっこいい
  • 自分の魂の声に従って生きている人が一番幸せなんだ

ということでした。非常に感銘を受けたというか。。。

我々の、「成長している人がかっこいい」とか「会社を拡大している人がかっこいい」という価値観って、ではそれをどのくらい実現できているかを計測するのにどうしても「お金」が出てくると思うんですね。

たとえば、年商がいくらだとか、営業利益がいくらだとか、時価総額がいくらだとか、年収がいくらだとか。

それがけっして悪いわけではないけれど、ジョージアの人たちの価値観というか、本当に大切にしているものは、お金を信用していないだけあって、お金の外にあるなと感じたんです。

しかも、ジョージアはわりと最近、ロシアと戦争をしています。2008年。「南オセチア戦争(5日間戦争)」というものです。

こう書くと一方的にロシアが悪いと感じる人がいますが、戦争にどっちが善でどっちが悪もありません。

ちなみにかるく解説すると、ジョージアのロシア系住民が住むエリアが、ジョージアからの分離を図っていたというのが原因。しかも先に手を出したのはジョージアです。

ウクライナとまったく同じ構図。ウクライナも、ウクライナのロシア系住民が住む地域を、アゾフ≒ウクライナ政府がずっと迫害して攻撃してましたね。

まあそれ(善悪)はいいとして脱線した話をもとにもどすと、ジョージアの人からしたら、わりと近くに、そしてリアルに「戦争と死」みたいなものを感じるできごとがつい最近もあったということです。

だからこそ、「お金を集める、貯める」みたいな、なんだか表面的なことにとらわれていないのかな、と個人的に感じました。

お金はあくまでも道具。しかもその道具が何の役にも立たなくなるかもしれない。さらには命の危険も場合によってはある。だからこそ、「お金教」には入信しないと。

これを「稼がなくていい言い訳」にするのは一番間違っていて、ジョージア人の若者ビジネスマンたちも「だから稼がない」という姿勢ではないというのは注意したいところです。

どちらかというと、お金よりもその向こうにあるもっと大切なものに目を向けるという感じ。それがお金で手に入るならお金を稼ぐし、でもお金では手に入らないそういったものもとても大切にするといったような感じですかね。

日本は何でもかんでもお金を軸に考えすぎる。

この「お金と命、人生」みたいなものの関係性=価値観が日本人とは違ったため、ハッとさせられたのが一番の気づきだった、そんな旅でした。

ちなみに先週のコラムでもお伝えしましたが、ジョージアの帰りのこと。カタールのドーハでトランジットだったのですが、我々がカタールを発った3.5時間後にカタール政府が空港閉鎖を指示しました。

そうです。イスラエルとアメリカのイランへの攻撃とイランの報復攻撃のため。。。

行くときにイヤな予感がしたんですよ。ドーハからジョージアに行く飛行機は、イランの真上を通っていくんです。テヘランのすぐそば。

行きはなんともなかったですが、まさか帰りに予感が的中するとは。。。

たぶんテヘランから200kmくらいのところを飛んでました

もうちょっとで帰ってこれなかったどころが、我々も「戦争と死」をリアルに体感するところでした(怖)

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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