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【第389回】なぜ、ネーミングは難しいのか?名前をつけるコツ

2017年09月15日掲載開始








こんにちは。




ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!

https://www.biz-up.biz

昨日は
東京工学院専門学校という学校の
ゲームクリエイター科の学生たちに



スポットの講義をしてきました。



ひょんなご縁から、
学生の前で講義をする機会を
与えていただきました。



先生方は
だいぶ私に気を遣っていたようです。



「もう学生なんで適当に!
 生意気な奴らばかりなんで!」



それを聞いて、
なんとなく良い予感しかしませんでした。



そういった学生さんを
こちら側に引き込むのが
わりと得意なのかもしれません。



私のセミナーを
お聞きになられた方もいるかもしれませんが、



基本的には自己紹介がすごい長いです(汗)



昨日も90分の講義で
半分は自己紹介と会社紹介。



でもですね。
この自己紹介が肝なんですよ。



私は自己紹介で徹底的に
自己開示します。



コンプレックスや
失敗談ばかり話します。



そうすると、
聞き手、特に男性は8割方
こちらの話に引き込まれます。



若くて生意気そうな男の子ほど
これは効果が高かったりします。



もちろん、
狙っているとはいえ
自己開示は勇気がいります。



「ぜんぜんウケなかったらどうしよう。。。」



といつも思います。
でも勇気を出して話します。



そうすると、
その後の私の話の聞く姿勢が
みなさんガラリと変わります。



特に昨日は学生さんで学校の授業。



外部講師を呼んで
スポットでお話するということは
今までも数回あったようです。



たぶん、
そのたびに偉そうな人がきて



杓子定規なことを話したり
学生が興味を持たないことを
話したりしていたんだろう、
ということは想像していました。



なので、
そういった人たちとは
あきらかに「違い」を出せると
思っていたんです。



これがはじめる前からの
良い予感というやつの正体です。



ブランディングのプロですので、
このあたりの戦略はお手の物です
(自分で言っちゃってますが)。



さて、
本日のお話にいきたいと思います。



先日、
テレビを見ていました。



すると、
アリエールという洗濯洗剤の
CMが流れたんです。



そこで、
次の言葉が出てきました。



「男脂臭」



「おとこのあぶらのにおい」
と書いて「男脂臭」。



「ひえー!おれのことか!」



と思うと同時に、
ある意味唸ってしまいました。



アリエールを販売しているのは
P&Gさま(実はお客さま)。



なぜ唸ってしまったか。



それは、



「名前をつけやがった!!」



と思ったからです。
今日はネーミングのお話です。



●
「男脂臭」が
優れているところは2つあります。



1.名前をつけた
2.名前がコンセプトを内包している



という点。



1から見ていきましょう。



名前をつけるという行為は、



・フワフワとした何か
・でも確かにそこに存在していそうな何か



の存在を確定させる



★存在証明



のようなものです。



名前がついたとたんに、
「それ」は存在を認められ
市民権を得だします。



たとえば、
2.5次元ミュージカルって知ってますか?



2.5次元ミュージカルは
原作がアニメや漫画、ゲームなどのものが、
舞台化されたもののことを言います。



・漫画、アニメ、ゲーム(2次元)
・ミュージカル(3次元)



の中間を取って
「2.5次元」とファンから呼ばれるように
なったそうなんですね。



「テニスの王子様」
という漫画がありますが
(私は読んだことないのですが)、
これが2.5次元ミュージカルの代表作。



名前がつくことにより存在が確定し、
新しいジャンルができあがりました。



名前をつけると、
ビジネスにおいていえば
そこに「市場が形成」される
ことがあります。



先ほどの「男脂臭」はその狙いを感じたので
個人的にすごさと恐ろしさを感じたわけです。



たとえば、



・メタボ



について考えてみましょう。



言わずと知れた
メタボリックシンドロームですね。



「おれ!メタボだ!」



という
「名前を伴った自覚」をしたとたん、



・病院に行く
・フィットネスに通う
・ヘルシア緑茶を飲む
・その他



つまり、
メタボを一括りにした
市場が誕生するわけです。



「中年太り」ではダメ。



そこまでの強さが
ネーミングにはありません。
「自然現象」のように感じてしまう。



メタボリック「シンドローム」ですもの。
ヤバイ感じがしますよね。



・クールビズ



なんかも同様ですね。



「涼しく過ごすためのファッションです」
「クールビズファッションです」



名前になっているだけで
伝わるものが全然違います。



クールビズもファッション業界はじめ
ひとつの市場をつくりましたね。



他にもざっと、
市場を創出したんじゃないかという
名前を挙げてみたいと思います。



・アキバ系
・婚活
・妊活
・イクメン
・スマホ
・女子会
・アラフォー
・韓流
・ガーデニング



「ガーデニング」は
簡単にいえば「庭いじり」です。



でも
「庭いじり」ではなく
「ガーデニング」だから
市場が生まれたという、
この禅問答みたいな事実。。。



「イクメン」なんて、



「子育てする男性(メンズ)」
〜知恵蔵2015〜



ですよ??
「それただの父親ちゃうんか」と
突っ込みたくなりますが、



「イクメン」
だから反応する人がいて
ムーブメントを起こし、



何らかの経済活動が
生まれるからすごいですよね。



●
アリエールの「男脂臭」が
優れていると感じる
もうひとつの理由が



2.名前がコンセプトを内包している



という点です。



コンセプトとは、
私の定義になりますが
平たくいえば



「特定のイメージを含んだ短い言葉」



です。



正確には
もう少しまともな定義があるのですが、
それは別の号にて解説しております。



「男脂臭」はもう、
字面だけ見てもニオイまで
伝わりそうな勢い。



よくよく考えると
別に汚いものとは限らないのに



男 ・ 脂 ・ 臭



の3文字が組み合わさると
なぜか「臭くて汚い」という
特定のイメージが発現します。



これがコンセプトの妙。



もしも学校で高校生の男の子が
同じクラスの女の子たちに



「あいつ、男脂臭だわ」



とウワサされているのを
聞いてしまったとしたら。。。



私がその男の子だったら母親に
「アリエール買ってきて!!」
と思わず言ってしまうかもしれません。



名前という短い言葉の中に
ものすごいたくさんの情報量が
詰まっているわけで、



文章で説明する以上の
「意味付け」がされてしまう、



そして
「そういう意味の存在」が
確定してしまう、



これがネーミングが強力で
ある意味恐ろしい理由です。



「コンセプトを内包する」



という点について、
もう少し事例を見ながら
お話してみましょう。



「なでしこジャパン」



は、
単純に「サッカー女子日本代表」
というよりも



「大和撫子ならではの
 凛とした日本女性らしさ」



を感じさせることができます。



「なでしこ」には
そういうイメージがすでに
含まれているからです。



さらに、



「ゲリラ豪雨」



を考えてみましょう。



個人的には
「ただの夕立ちゃうんか」と
またも突っ込みたくなりますが、



「近年の地球温暖化のせいで夕立もおかしい」



というイメージを
うまくはらんでいます。
「爆弾低気圧」も同様です。



「ゆとり世代」



なんかも同じです。



自分たちの時代とのギャップを
感じはじめた大人たちが、



これから主流になる人たちを
悪く言ったり貶めたりするための言葉、
それが「ゆとり世代」だと思います。



「今の若い奴らはウンタラカンタラ」



というよりも、
ひと言



「ゆとり世代だな」



と言ったほうが、
短い言葉で多くの情報量を持ちます。



「ゆとり教育=あまり勉強していない」
「ゆとり教育=楽できて自制心が育たない」



というイメージを
内包しているからです。



このように短い言葉の中に
多くの情報量が含まれていると、
同じように感じている人の共感を
一瞬で得ることができるわけです。



余談ですが、



・カイワレ族
・新人類



などの言葉が過去にありました。




「カイワレ族」は
1988年の言葉らしいですが、



当時の中学生・高校生を
土ではなくウレタンの苗床で
完全管理のもとに育てられる
カイワレに例えた言葉だそう。



管理社会でしか生きられない
成績が普通の中学生・高校生を
意味(=揶揄)しているそうなんです。



「新人類」



なんていうのもまったく同じです。



細かい定義は置いておいて、
大人が新しい世代の価値を下げようとして
名前をつけているという意味では、
「ゆとり世代」もまったく同じです。



いつの時代も大人は
自分たち(の世代)が一番だと思いたがり、
若者(新しい世代)の価値を下げようとする。



そのときの手法が
「名前をつける」ということが
面白いというか怖いというか。




もうひとつ余談。



最近では
動画を活用する企業が増えてきました。



なぜか。



単純に考えれば
You Tubeやスマホの出現により、
誰もがカンタンに動画を見ることが
できる環境が整ったためです。



でも、
だからといってなぜ動画なのでしょう?



動画はものすごい量の情報を
短い時間で表現することが可能です。



文章にすると何千文字分とか、
WEBページ何百ページ分とか、
諸説ありますが、



とにかく文章だけなんか
比にならないくらいの情報量。



短い時間で
ものすごい量の情報を伝えることができる、



だから動画がビジネスに
活用されはじめているわけです。



名前は動画までとはいきません。



でもコンセプトをきちんと
内包したネーミングをすると、
これに近い効果が得られる、
ということなんですね。



●
先ほど、



「共感が得られる」



と言いました。



前述しましたが
コンセプトを内包したネーミングは
短い時間で共感が得られます。



しかし、
共感を得られる言葉を見つけるのが
これまたなかなか難しい。



だから
ネーミングは難しいわけです。



たとえば、



・カリスマ美容師



というネーミングがあります
(ちょっと古いですが)。



また、



・(リフォームの)匠



などのネーミングもあります。



これって、
どちらも「スペシャリスト」を表す
ネーミングです。



しかし、



・「匠美容師」
・「美容師の匠」



とか言われたらどう感じますか?



ものすごく違和感を感じて
あまり共感できないですよね。



「わたし、美容師の匠に
 髪を切ってもらいたい〜(ムギュー)!」



みたいな女性がいたら
ちょっとヤバイと思いますよね。



「美容師の匠」には
ちょっと共感しづらいからです。



「匠」という言葉は
「職人」「伝統的」といったイメージが
すでに内包されてしまっています。



なので
住宅やリフォームなどのスペシャリストに
付けられるケースが多いわけです。



しかし、
ファッション性や美的センスが
必要な美容師にとって、



伝統感のある「匠」という言葉は
「年寄り臭い」というマイナスイメージの
ほうに転換(ネガ転)してしまいます。



なので、
イメージがマッチしないわけですね。



他にも、



・食券
・お食事券



と聞いてどう思いますか?



なぜなんでしょう。
漢字の意味的にはほとんど同じなのに、



食券=早くて安いお店で使うもの
お食事券=レストランなどで使うもの



と勝手に理解できてしまいます。



こういったことも
「名前をつけること」を
難しくしている理由のひとつです。



ここで、
もう一ひとつ考えてみたいことがあります。



★「横文字」を使うのは本当にNGか



ということについてです。



横文字とは具体的には



・コミット
・コンセンサス
・アジェンダ



などなど、
一瞬「??」な言葉たちです。



お年を召された方々からすると



「日本語で言えや!」



と怒りたくなるお気持ちも
よくわかります、ごもっともです。



しかし、
日本語では伝え切れない「事象」
というのもまたあると思うんです。



・サプライズ
・マニフェスト



という言葉があります。



「サプライズ」はなぜ
「驚かすこと」とか「ドッキリ」と
言ってはいけないのでしょうか?



それは「サプライズ」が
「人を【喜ばせるために】驚かせる」もので



「人を喜ばせる」という
イメージを内包しているからです。



「マニフェスト」も同様です。




「公約」以上の意味をはらんでいるから
「マニフェスト」という言葉が出回った
(はず)なのです。



つまり、
この「横文字」を使うという行為は
名前をつける行為と捉えるとわかりやすい。



もともと日本人は
曖昧な事象でもそれを捉え、
表現しようとする傾向があります。



言い換えれば、



「めっちゃ空気を読んでいる」



わけです。敏感なんです。



個人的にはそれは
四季折々が豊かだからだと思っています。



変化に富んでいて、
季節と季節の合間のグラデーションを
感じることができるのが日本の特徴の一つ。



貴族だなんだの昔のヒマ人たちが
「オホホホホ」とか笑いながら
それらをどうやって言葉で表現するかを
考えつづけた結果、



同じような意味なのに複数の言葉ができたり、
「ざわざわ」「ごろごろ」などの
擬音語・擬態語が生まれたんだと思います。



冒頭に書いたとおり、
「曖昧なもの」の存在は名前をつけた時に
はっきりと認識されます(存在が確定されます)。



「直訳では表現しきれない」要素を含む事象。



これをひとまとめにして名前をつけることで、
曖昧なことを理解しよう、表現しようということが、
この横文字を使うという行為なんだと私は思います。



だから悪いとは言い切れない。



だけど、
そうやってとても感覚的な部分をベースに
つけられた言葉(名前)だから、



その感覚を汲み取れないと
理解ができないわけですね。



そして、
感覚は年令(世代)によって大きく違います。



だから
お年を召された方々はなかなか理解できず
お怒りになるのではないかなと感じました。



さて、
アリエールの「男脂臭」に話を戻しますが、



これは前提として



・価値を広める



ためのコストを莫大にかけられる
大企業だからこそできた戦略です
(TVCMを打つとか)。



しかし、
自社の商品、サービスにおいて
きちんと考えられた名前をつけることで、



価値を広めることができるかはわかりませんが



・価値を高める



ことは可能なはずです。



飲食店のメニューひとつとってもそう。



ただの「しょうが焼き」というのか、
「食べてみたい!」という共感を生む
イメージを内包したネーミングなのか。



これだけで売上は大きく変わります。



何のイメージも連想されない
商品名を使っている場合は、
ぜひ一度自社商品の名前について
考えてみてください。




今回はここまでです!





津久井




好評いただいてます。
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