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2016年08月26日 デザイン パッケージデザイン メールマガジン 【第345回】ウイダーインゼリーの売上が激減したり復活したりした理由

2016年11月04日掲載開始

こんにちは。

ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz


オリンピックが終わりましたね。4年前のロンドンからあっという間にリオオリンピック。次の東京も気づいたら目前に迫っているのでしょう。

今回のオリンピックでは日本選手団史上最多のメダルを獲得しました。前回のロンドンではメダルの数がとても少なかったので、今回は気持ちいいくらいメダルを獲得しているなという感覚がありました。

そんな中、個人的に一番印象深かったのは女子レスリングの吉田沙保里選手の銀メダルです。

銀メダルでも十分すごい。それでも「四連覇できなくて申し訳ない」と泣きながら言う吉田選手。一番悔しいのは本人に決まっているのに。

そんな時、先々週のメルマガでも紹介した伝説のボクシングトレーナー、故エディ・タウンゼントの言葉を思い出さずにはいられません。

「勝った時には友達いっぱい出来るから私いなくてもいいの。誰が負けたボクサー励ますの?私負けたボクサーの味方ね」

うーん、いい言葉。

4年後の東京はどんな選手が活躍するのでしょうか。そして4年後ビズアップはどうなっているのか。あなたやあなたの会社もどうなっていますかね?いろんな意味で4年後もワクワクしますね!

さて、では今日のお話です。

先日、自社サイトのアクセス解析を見ていたら、なんだかいつもと違う検索ワードでのビズアップサイトへのアクセスが増えていました。

その検索ワードにはどれも、「佐藤可士和(さとうかしわ)」という言葉が入っていました。

佐藤可士和氏をご存知でしょうか。簡単に紹介させてもらいますと、佐藤可士和氏はデザイン業界の有名人、重鎮だと思ってもらえればOKです。

手がけたデザインは大手企業のものが多いので一度はどれかを目にしたことがあると思います。

たとえば、

  • ユニクロのロゴ
  • Tポイントのロゴ
  • ホンダNボックス(ホンダ初の軽自動車)のロゴ
  • ファーストリテイリング(ユニクロ運営会社)ロゴ
  • 明治学院大学ロゴ
  • 今治タオルロゴ
  • SMAPのCDジャケット
  • キリン極生パッケージ(すごい昔の発泡酒)

などなど。そのデザインの特徴は「シンプル」と言われています(カンタンにまとめすぎてますが)。

こうやって書くとすごい人のように感じるかもしれませんが、失敗談が以前ネットでかなり叩かれました。

佐藤可士和氏は以前、セブンイレブンの挽きたてコーヒーのコーヒーメーカーをデザインしました(レジ横にあるやつ)。

が、その使い方があまりにもわかりづらかったため、セブンイレブンのどの店でも使い方がわかるテプラシールを店員がコーヒーメーカーに勝手に貼る始末。どのセブンイレブンでもデザインもへったくれもない有様になってしまいました。

そのときのことを私も実はこのメルマガで書いています(【第239回】デザイナーにブランディングさせるから失敗する)。

今回、またしてもとある失敗を佐藤可士和氏が起こし、ネットで騒がれたことにより、佐藤可士和氏について調べようとした人が私のメルマガに押し寄せたというのがアクセス増の要因でした。

なぜなら、私のメルマガは「佐藤可士和 セブンイレブン」とGoogleなどで検索すると、23,300件中3位に先ほどのメルマガ【第239回】が出てきてしまうのです(汗)。

しかし、前回のセブンイレブンのメルマガのときのように佐藤可士和氏を責めたいわけでは今回はありません(ネットではとても叩かれていますが)。

そうではなく、今回のことについてはむしろ誰でも起こす可能性のあるミスだったと認識すべきです(御社でも起こす可能性があります)。

そのことについて、本日は以下の3つでお話させていただきます。

●どんな失敗をしたのか?
●なぜ失敗したのか?どうすればよかったか?
●デザインにできること、できないこと

●どんな失敗をしたのか?

まずはどんな失敗だったかについて説明します。

森永製菓が販売している「ウイダーインゼリー」という商品をご存知でしょうか?アルミのパックに入ったゼリー飲料で、発売は1994年、日本では初めてのゼリー飲料だったようです。

私が大学生のころ、たしか1995年か96年だったと思いますが、大学のサッカーサークルでサッカーの大会に数日泊まりこみで参加したとき、協賛だった森永製菓からウイダーインゼリーを大量にもらいました。

ずいぶん気前がいいな、なんて思いましたが、まだ当時はそんな商品の存在は知りませんでしたし、そもそもご飯の代わりにゼリーなんて、とどちらかというと否定的なイメージを持っていました(けど食べたら美味しかったのは意外でした)。

それから程なくして木村拓哉さんが出演するテレビCMが流れはじめたと記憶しています。キャッチコピーは「10秒チャージ、2時間キープ」。

ここからウイダーインゼリーはそのポジショニングもありヒット商品として確固たる地位を築きました。

そんなウイダーインゼリーは2年前に発売20周年を記念してパッケージデザインの刷新を行いました。このデザインを佐藤可士和氏が手がけたわけですね。

ところが、このデザインに変えた途端、売上は激減。そして再リニューアルしたところ売上が戻ったというから、これはどうにもパッケージデザインに原因があるだろう、という話になっているわけです。

さて、どんなデザインからどんなデザインにリニューアルし、どんなデザインに再リニューアルしたか気になりますよね。

パッケージ写真が載っているサイトはこちらです。

そもそも佐藤可士和氏は前述のとおりセブンイレブンのコーヒーメーカーをデザインした時にも失敗しています。

その時にはコーヒーメーカーを使う人よりも自分の感性を優先させたデザインをつくってしまいました。

はっきり言って「使いやすさ」よりも「オレのセンスってすごくね?」を優先したとも言えます。

その結果、セブンイレブンの多くの店舗では、お客さんが使い方を間違えるというトラブルが多発。

そこでセブンイレブンの店員たちは佐藤可士和氏のデザインを無視し、使い方がわかるようなテプラシールを貼りまくりました。「アイスコーヒーはこちら」とか「大きいサイズはここを押す」とか。

たしかにこのコーヒーメーカーの件はセブンイレブンと佐藤可士和氏側の明らかな失敗だと思います。

以前この件を紹介したメルマガでも私自身も厳しい意見を書きました。

このセブンイレブンの失敗があったため、今回も「アンチ佐藤可士和」とか「アンチ大物」の人たちの格好のえじきになってしまいました。

しかし、冒頭にもお話したとおり、今回の件はコーヒーメーカーの件とは少し毛色が違う、誰もが陥る可能性のある失敗だと思います。

私なんかから言わせると、今回のデザインの失敗と復活に関してはものすごく貴重な情報が盛り込まれています。むしろ失敗してくれてありがとう的な。

なぜ失敗したかを考察することで他のパッケージデザインに反映できるからです。

佐藤可士和氏は今回も「ターゲット」よりも「オレのセンスってすごくね?」を優先していたかもしれませんが、それでも今回の件に関してはお礼を言いたい(笑)。

では、なぜリニューアルパッケージは失敗し、再リニューアルのパッケージで売上が元に戻ったのでしょうか?

●なぜ失敗したのか?どうすればよかったか?

さて、先週このメルマガでお話した内容を覚えていらっしゃいますか?

販促のためのツールには必ず「ツールミッション」を持たせなければいけない、というお話でした。そのツールに一体何をさせるのか、というミッションを決めるわけです。

ではパッケージデザインのツールミッションは何でしょうか?

これは火を見るより明らかです。パッケージデザインのツールミッションは「売れること」です。

私のデザインの師匠、伊吹卓先生(アサヒスパードライのパッケージをコンサルした先生)は「パッケージデザインは売れなければただのゴミ」とまで言い切っています。

さて、顧客はなぜウィダーインゼリーを買っていたのでしょうか?なぜウィダーインゼリーがほしいのでしょうか。

ここを押さえなければどうすれば売れるパッケージデザインになるかはなかなかわかりません。

しかし、これがなかなか難しい。だから今回の失敗は貴重なわけです。

余談ですが、デザイナーのほとんどがパッケージデザインのツールミッションが「売れる」だとわかっていないので、そういうデザイナーには頼まないほうがいいです。「オレのセンスってすごくね?」を優先すること請け合いです。

そういうデザイナーにはひと言、「お前のセンスを発表するための商品じゃねーんだよ」と言ってあげてください(笑)。厳しい意見がデザイナーを育てます。

さて、今回の件が貴重なのは

  • 売れていた時のデザイン
  • 売上が落ちたデザイン
  • 売上が復活したデザイン

がそれぞれ明確になっている上に、どれも少しデザインが違うことから、ウイダーインゼリーはどういうデザインだと売れてどういうデザインだと売れないかの仮説が立てやすいということです。

売れていた、復活したデザインと売れていないデザインの違いをみると、以下の2つが挙げられます。

売れなかった時のデザインは

  1. 成分ではなくカロリー表示を優先している
  2. 英語ばかりで直感的にわかりづらい

1.成分ではなくカロリー表示を優先している

なぜウィダーインゼリーがほしいか、の質問に直結するのがこちらです。

買い手はカロリー表示を基準に買うのではなく、成分を基準に買うと考えられます。

「カロリーがゼロだから買う」のではなく「マルチビタミンを摂取したいから買う」わけです。

これが今回の失敗からわかったことのひとつ。

私自身も実は一時期ウイダーインゼリーをよく買いました。その際はダイエットが目的でした。食事の前にゼリーを飲むことで、そのあとの食事の吸収を抑えることができると考えたわけです。吸収を押さえられれば痩せる可能性があるわけですね。

でも、そんな時でも購買基準は

「今日はビタミンを摂ろうかな」
「今日は鉄分にしよう」

でした。ダイエット目的ならカロリーが購買基準でも良さそうなのに。。。ちなみにもし「マルチビタミン」で「カロリーオフ」があればそれを買ったことでしょう。

さて、この1の失敗は正直いって佐藤可士和氏の落ち度かどうかはわかりません。クライアント(森永製菓)の指示かもしれません。

なので、これに関しては一概に佐藤可士和氏が悪いとは言えません(情報がない)。

2.英語ばかりで直感的にわかりづらい

こちらはやっぱりデザイナーに過失があると思います。

でも「売れる」ということがパッケージデザインのツールミッションだとわかっていないデザイナーでは気づけないかもしれませんね。

ちなみに、パッケージデザインに限らず私のデザインの優先順位は

  1. わかりやすさ
  2. デザインのテイスト(雰囲気や方向性)
  3. デザインのセンス(≒クオリティ)

です(ロゴはちょっと事情が違いますが)。雰囲気とかセンスよりもまず「わかりやすいかどうか」を基本的には一番に重視しています。

今回の売れなかったデザインでは、英語表記ばかりで直感的に何かわかりません。

たとえ英語表記の部分が購買に必要ではない情報だとしても(おそらくそうなんでしょうが)、何が書いてあるかわからない以上、直感的に理解することはできません。

人間は理解できないものに不安や恐怖を抱きますから、購買を控えるということは十分に起こりうることです。

これに関しては、以前のメルマガでも紹介したチョコレート菓子の「ブラックサンダー」の例が物語っています。

【第173回】このクイズの答えがわかりますか?「なぜこの菓子は売れたのか?」

ブラックサンダーというチョコレート菓子はパッケージデザインを変える前まで売上が鳴かず飛ばずだったそうです。

しかし、「あること」をしたことで売上が一気にはね上ったそうなんですね。

それについて書いたのが先ほどのメルマガ。何をしたかわかりますか?

それは、

パッケージの商品タイトル「ブラックサンダー」を英語表記からカタカナ表記に変えた

です。

今回のウイダーインゼリーの件もこれと同様の現象だと考えられます。センスよりもわかりやすさ。

これをわかっていないデザイナーにパッケージデザインを頼むと揉めますのでご注意ください。

私だったら再リニューアルしたパッケージ(森永製菓サイトに載っています)でも成分、機能(「マルチビタミン」とか)をもっとわかりやすく目立たせます。ビタミンも「VITAMIN」ではなくカタカナで表記します。

ちなみに、売れる前に売れるパッケージかどうかわかる方法はないのか、と言われれば「あります」とお答えしています(企業秘密)。

こればかりは100%の精度ではありませんが。。。市場のいろいろな要因が働きますからね。

●デザインにできること、できないこと

さて、今回のウイダーインゼリーの件は何度も言いますが多くの教訓があります。

セブンイレブンのコーヒーメーカーが使い手に配慮が足りなさ過ぎるデザインだったことに対し、今回のウイダーインゼリーは私自身のノウハウを強くする貴重なデータがまたひとつ増えたと考えると、個人的には「失敗してくれてありがとう」です。

まあ、それは多くの人には関係ないですが。。。

でも、パッケージデザインだけでこれほど売上が大きく左右されたらどう思いますか?

もしご自身がパッケージに限らず何かデザインのツールをつくるときには「気をつけないと」と思いませんか?

そういったことを世に知らしめてくれた今回の失敗は、世の中にとって価値のある失敗だと思います。

世の中の失敗には

  • はじめからするとわかっている失敗
  • 失敗するとわかっていない失敗

の2つの失敗があります。

仕事でもなんでもそうですが、前者の失敗は怒られます。

「不注意だろ」
「なんではじめからわからないんだ」

などなど言われるケースです。

しかし後者の失敗はチャレンジの証だと考えます。

今回、ビズアップのスタッフ板橋は

「今まで以上に売上を上げようと思ったら仕方ないチャレンジだったんじゃないですか?」

と言いました。

売れるデザインという視点やノウハウが十分だったのか?という疑問は残りますが、そういう意味では私も板橋の言うとおり「チャレンジの証となる失敗」だったのではないかな、と感じます。

では、板橋の言うとおりそれまで以上の売上を叩き出すパッケージデザインはあったのでしょうか?

売上を増やすということは、

  • 売上 = 客数 × 客単価

から考えると、客数か客単価を増やすしかありません。

客単価アップはこの商品の場合値上げとほぼ同義になってしまいます。

値上げをするかどうかの決断はデザイナー側ではなくクライアント側の判断になります。

次に客数を増やすには

  • 商品ラインナップを増やす
  • 販売店を増やす
  • 購買率を上げる

といったところでしょうか。

商品ラインナップを増やすのはやはりクライアント側の判断になります。そして、販売店を増やすのもクライアントの営業力によるところになります。

そうすると、店頭で「買おう」と思ってもらえるかどうかくらいしかデザインの出番はありません。

つまり、デザインが影響を与えられるのは「購買率を上げる」という部分しかないのです。

このように分解して考えて、デザインにできること、できないことをしっかり見極めなければ失敗します。

さて、ウイダーインゼリーほどの強力な商品で20年間市場を牽引してきた商品をデザインの力だけでさらに売上アップできるのか=店頭での購買率アップが可能なのか。

個人的にはものすごくむずかしいと考えます。

予測の範囲をでませんが、行けて「微増」だと思います。それよりも改善感度の高い施策があるような。。。

このように考えていくとネットで佐藤可士和氏が叩かれていますが果たして売上ダウンの戦犯は佐藤氏だったのか、正直疑問です。

そもそも20周年のパッケージリニューアルの目的の設定が正しかったのかどうか。これはクライアントの森永製菓側の問題のような気がしています。

佐藤可士和氏側から強いプッシュがあったなら話は別ですが。

そういう意味では、前回のセブンイレブンの時もそうでしたが、デザイナーに商品を企画させたりブランディングさせるから間違うのであって、そこは企業がしっかりと考え、その戦略や目的にあったデザイナーを指名する、という形にしなければ今後も同じようなミスが起こるでしょう

ということはですよ。

今までデザイナーに任せきりになっていたデザインやブランディングの知識、ノウハウがいよいよ企業側にも必要な時代になってきた、と言えるわけです。

というわけでそういった知識、ノウハウを企業に研修するサービスでもはじめよっと(ポジショントーク 笑)。

今回はここまでです!

津久井

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