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高知県にいます。
もう何度目でしょう、高知に来るのは。そのたびに思います。食事のレベルが高い。本当に何を食べてもおいしい。東京のご飯はなんなんだ?
ちなみにこのまま土日も滞在し、「ひとり合宿」を行います。というのも、来週はそのまま愛媛県に行くので。
「ひとり合宿」は来期の計画を立てるために毎年この時期くらいに開催(?)しています。
普段はじいちゃんばあちゃんのお墓がある長野県の諏訪に行ってひとり合宿していたのですが、今年はこのタイミングにしました。高知にいるのに一度東京に戻ってまた愛媛にいくのもなんだかなと。。。
話がだいぶ飛ぶのですが、最近のAIはすごいですね。
先日知人に教えてもらった生成AIが、「文章を解読してラジオ番組っぽく男女の会話にする」というものです。
「??」かと思うので、実際に聞いてもらうと良いと思います。こちら、先週のコラム「リブランディングについて」をこの生成AI「NotebookLM」に読み込ませたものです。単純に文章をコピペしただけで、次のような音声ができました。もはや人間は勝てんぞ(泣)。
音声が流れますのでご注意ください
これ、ネットの記事などを文章で読むのが面倒だったりした場合に読み込ませると、ある程度要約したりポイントを伝える音声にしてくれるので学習効果が高いですね。
でも、気をつけないと、生成AIにより人間はいらなくなりますね。
技術の進歩により人は幸せになるのか不幸になるのか。。。私の考察では、こういった技術の進歩で人が幸せになるかは、資本家の人間性に左右されると思っています。
機械により人間の作業が楽になったらどうなるか?たとえば帰る時間が早くなるとか休みが増えて、それでも給料が変わらない、こんなことが起こります。これは幸せですよね。
しかし、多くの資本家や経営者は、技術の進歩によって効率化され生まれたものを従業員には還元しません。必要のない従業員を辞めさせる方向に動きます。そのほうが利益が増えるからです。
今まで2人で1日かけてやっていたことが半分の作業量になったら、2人で半日かけてやらせるかというとそうはならず、1人辞めさせて1人で仕事をさせる、こうすることが考えられるわけです。
これを繰り返したらどうなるでしょう。ゾッとします。もしこれが繰り返されたら、おそらく大げさではなく世界は1%程度の支配者と99%の奴隷のような関係になると思います。
みなさんはどうですか?AIによって今の社員の半分で業務が回っても、今の社員を雇いつづけますか?それとも辞めさせて利益を増やしますか?
さて、本日のお話。書き出しの生成AIとはまったく関係ないお話です。
今日は言葉について。ちょっと所感っぽい感じになるかもですが、3本立てでお話したいと思います。
なお、今回のコラムの内容も冒頭で紹介したNotebookLMに音声にしてもらいました。「読むのがちょっと面倒くさいなー」という方は、音声で聞いてもらうのもアリかと思います。
もしかしら書いた私よりも洞察が深いかもしれない(汗)
音声が流れますのでご注意ください
●誰の言葉かわかりますか?―私がメモってきた数々の名言をご紹介―
言葉はときに人に力を与えてくれます。私は良い言葉に出会ったとき、エバーノートにすべてメモるようにしています。
そんな中からいくつかご紹介。たとえばこんなのはどうでしょう?
- 不可能は事実ではない。不可能はただの先入観だ。
これ、すごい好きな言葉なんですけども、誰の言葉かわかりますか?ボクシング元世界ヘビー級チャンピオンの モハメド・アリの言葉なんだそうです。
いいですよね、「不可能が思い込み」って思ったら何でもチャレンジしたくなる。勇気を与えてくれる言葉です。
ちなみに私は中学の歴史のテストで「バスコ・ダ・ガマ」が出てこなくて「モハメド・アリ」と書いたことがあります、はい。
- 人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないからだ。ただそれだけの理由なのだ。
こちらはロシアの小説家で思想家だったドストエフスキーの名言です。身につまされる思いです。さすがドストエフスキーパイセンです。日本でも同じような言葉で「足るを知る」とかありますよね。
- 小善は大悪なり。大善は非常に似たりけり。
これはどうやら日本の戦国武将、武田信玄の言葉らしいです。ワタクシ、冒頭でお話したとおり母親が長野県の諏訪出身ですから、小さいころから武田信玄が好きでした。
この言葉、奥が深いですよ。
たとえば何かやらかした社員がいるとする。それを怒ったらかわいそうだからとたしなめる程度にする。
これって、一見優しいように見えますが、その実、自分が怒られたくないから人も怒らないという、なんともな理由であることがほとんど。
本当にその社員の将来のためになるのであれば、 自分が嫌われたくないとか自分だったらされたくないというしょうもない小さい理由でその場をやり過ごさないんです。
今はびこっている「優しい」って、ほとんどが将来を犠牲にした「今だけ優しい」だと私は考えます。その人の未来の可能性を奪う残酷な行為かもしれないのに。
以前、コラムで「優しいコーチは試合に勝てない」というテーマでお話しました。私の少年サッカーチームの実例をもとに。
これもまったく同じです。目先の優しさは小善、つまり大悪である可能性があるわけです。一見非情に見えることこそ大善の可能性があるわけです。
- 悲観はただの気分、楽観は意思である
フランスの哲学者アランという人の言葉らしいです。ステキな言葉。すぐに人のせいにして文句を言ったりする人を見ると、もはやただの条件反射だなと思うことがあります。
つらいことがあっても楽観的なのは、天然の人もいるかもだけど意思を必要とするというのは励まされる言葉です。
- 人が死んだあとに残るものは、集めたものではない。与えたものだ。
ジェラール・シャンデリという人の言葉らしいです。このジェラール・シャンデリという人、ChatGPTに聞くと実在するかわからない人物と出てきます。
それにしてもいい言葉だな。自分は今死んだとしたら、なにか残る(つまり与えてこれた)のだろうか、と考えてしまう言葉。
- やった後悔は日々小さくなるが、やらなかった後悔は日々大きくなる
詠み人知らずで先輩経営者に教わった言葉。これもいい言葉です。これに近いのが以下。
- 死ぬ前には枕元にたくさんの亡霊が現れる。その亡霊とは、「思いついていたのに試されなかったアイデアたち」である。
これはレス・ブラウンという人の言葉らしいです。それを俳優のデンゼル・ワシントンがペンシルベニア大学のスピーチで語って有名になったとか。以下がデンゼル・ワシントンのスピーチ。
沁みる。心に刺さる。なんてステキなスピーチ。
- 巧遅拙速にしかず
有名な「孫子の兵法」からもひとつ。「遅くて丁寧は早くて雑に劣る」ということです。仕事もこのとおりですよね。
ビズアップでは「質とスピードは両立できない、というのは思い込み(先入観)だ」と伝えています。この言葉とモハメド・アリの言葉を合わせて。
- 功あるものには禄を与えよ。徳あるものには地位を与えよ。
どうやら西郷隆盛の言葉らしいですが、彼も「書経」という中国最古の歴史書からこの言葉を引用したようです。
これもいい言葉ですが、かなり前に部下に伝えてもなかなか理解してくれなかった覚えがあるな。
「人の上に立てるかは人徳があるかによる、だから業績だけじゃなくて人間性も磨いている人を昇進させるよ」みたいなことを伝えたんですけどね。難しかった。
- 【ひがみ七訓】
一、つらいことが多いのは、感謝を知らないからだ
一、苦しいことが多いのは、自分に甘えがあるからだ
一、悲しいことが多いのは、自分の事しか考えないからだ
一、怒ることが多いのは、我がままだからだ
一、心配することが多いのは、今を懸命に生きていないからだ
一、行きづまりが多いのは、自分が裸になれないからだ
一、あせることが多いのは、行動目的がないからだ
まさに。自分にも思い当たるフシがありますし、よく読ませたい社員もいる(笑)。こうやって名言としていわれると響き方が違います。ちなみに誰の言葉かはわからないらしい。
- 金不足を嘆くより、夢不足を嘆け
まだまだ修行が足りないと自覚させられる言葉。Apple創業者スティーブ・ジョブズの言葉ですね。たしかになー。「金不足」ってちょっと他責思考が入っていそうですもんね。
- 準備とは、言い訳を排除することだ
いやー、しびれます。言い訳がでたらそれはすべからく準備不足だということですよね。これを言ったのがまた、世界のイチローパイセンですからね、響くわー。
- 学ばない者は、人のせいにする。
学びつつある者は、自分のせいにする。
学ぶということを知っている者は、誰のせいにもしない。
スポーツつながりで、こちらもレジェンド「キング・カズ」こと三浦知良の言葉。奥が深くていい言葉です。
●さらにつづけますが、さすがにこれらは誰の名言か知らないんじゃないですか?
さて、もう少し名言を紹介したいと思います。ここからは誰の名言かを伏せてご紹介します。最後にお伝えしますので、誰の名言か当ててみてくださいね。
- つまづいたのは誰かのせいかもしれない。けど立ち上がらないのは誰のせいでもないわ。
文面から女性であることがうかがえますね。大好きな言葉。これを言っている女性も好き(笑)。自分を奮い立たせてくれる言葉ですね。
- 「もう無理」って思ったらやめるべき。「面倒くさい」と思ったらつづけるべき。
実はこれも上記の女性と同じ人が言っています。私もこのコラムを16年書きつづけています。毎回面倒くさいです(笑)。でも、だからこそつづけているのかも。競合他社にはここまで情報発信をつづけられる会社はないと思うから。
- 遅きを怖れず、休むを怖れよ
これもとても勇気づけられる言葉。何かをはじめることに遅いなんてない。それよりもサボってしまうことのほうが問題なんだということです。
- この世には2種類のエゴがある。誰かの価値になるエゴと誰の価値にもならないエゴだ。
「偽善」という言葉がありますが、何を持ってして「偽善」と呼ぶのか。たとえ売名行為という「エゴ」だとしても、それをしてもらうことで助かる人がいるわけだし、「偽善」を嫌って「何もしないという行動」を取るのもエゴなわけです。
- やらぬ善よりやる偽善
ほとんど同じような内容の言葉ですが、これもわかりやすいですよね。本当にそのとおりだと思う。
- チャレンジすることが許されている限り幸せな人生だ。
そうなんですよね。チャレンジができるって本当はすごく幸せなことなんですよね。
世界にはチャレンジすることすら許されていない環境の人たちがいますし、「チャレンジ」というものに価値を感じられなくなっている日本人も大勢いて、個人的にはそれも不幸だと思う。
- 死ぬこと以外かすり傷
これはちょっと有名ですよね。これもチャレンジャーにとって勇気づけられる言葉。失敗を恐れるな、ということを伝えてくれています。
- 努力しても報われないことはある。でも、報われてる人はだいたい努力してる。
もうちょっと言葉のデザインの余地がありそうですが、でも言いたいことには100%同意できる名言です。
では、これらの名言、誰が言ったかの答えをお伝えしましょう。
- つまづいたのは誰かのせいかもしれない。けど立ち上がらないのは誰のせいでもないわ。
- 「もう無理」って思ったらやめるべき。「面倒くさい」と思ったらつづけるべき。
この2つは同じ女性の名言とお伝えしました。これは誰の名言かというと、「峰不二子」です。
知ってますよね?峰不二子。はい、ルパン三世に出てくるキャラクターです。美しくスタイル抜群で小悪魔的でちょっとズルい。彼女の名言だそうです。
- 遅きを怖れず、休むを怖れよ
これはですね、私の空手の先生の言葉です。ワタクシ、こう見えて中1から大学3年まで伝統派空手を習っていました(松濤館流)。
私の先生は私が中1のときにすでに70歳を越えていましたが、本業のアニメセル画制作会社を経営しながら漫画家として後進を育てたり、自分の作品をつくったり、慶応大学の通信に通ったりと、さまざまなチャレンジをされている方でした。
なにせ、先生はもともと漫画家で(一応Wikipediaにも載っている)、空手漫画を描くために30歳のときに空手を習いはじめ、四段までいかれたかたです(五段だっけな?)。
まさに「遅きを怖れず、休むを怖れよ」を体現された先生でした(92歳くらいで亡くなられました)。
- この世には2種類のエゴがある。誰かの価値になるエゴと誰の価値にもならないエゴだ。
これもいい言葉ですね。これは誰の言葉かというと、津久井の言葉です。はい、ワタクシです(照)。ちなみに、
- やらぬ善よりやる偽善
これは誰の言葉かわかりませんが、実は昔の言葉ではなくネット上で流行った言葉らしいです。そして、
- チャレンジすることが許されている限り幸せな人生だ。
これも何を隠そう、ワタクシの言葉です(照々)。
- 死ぬこと以外かすり傷
これは有名な編集者の箕輪厚介氏の本のタイトルとして有名です。しかし、ChatGPTに聞くと、実はこれもネットで使われはじめて流行った言葉で詠み人知らずらしいです。
- 努力しても報われないことはある。でも、報われてる人はだいたい努力してる。
も同様にネットで流行った言葉なんだそうですよ。
●「名言バイアス©」と「感じる言葉®」
名言を紹介する感じの流れから急にそれますが、実はこちらが本題でした。それは何かというと、
- 名言っぽくいうと心に響く
ということです。
だって、峰不二子とか架空のキャラクターの言葉だったり、津久井の言葉だったり、はたまたネットで流行っただけの詠み人知らずの言葉まで「何らかの影響」を与えた可能性があるわけです。
普通、名言って歴史の偉人とか実績のある有名人とかが言うと思われがちですが、内容と言葉のデザイン次第では響くものがつくれるわけですね。
それを実感してほしくて、後半はあえて詠み人を伝えずにご紹介したというわけです。
これを私は「名言バイアス©」と名付けたい。ChatGPTに聞いたら「名言バイアス©」という言葉はまだ存在していないらしいです。
ちなみにChatGPTは以下のことも教えてくれました。
【名言が引き起こす可能性のある心理的影響】
名言や格言が人々の思考に影響を与える際、以下のような心理的バイアスが関与していると考えられます:
- 確証バイアス:自分の信念や期待に合致する情報を重視し、反する情報を無視する傾向。
- 権威バイアス:著名人や専門家の言葉を無条件に信じてしまう傾向。
- アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見):無意識のうちに形成される偏った思考パターン。
これらのバイアスにより、名言が本来の文脈や意図を離れて解釈されることがあります。
つまり、名言にすると3つくらいのバイアスがかかる可能性があるということです。
言葉はすごいんです。そのデザイン次第で人の心を大きく揺さぶります。良い方向にそれを使えば良い行動を人に促せるし、悪い方向に使えば人を騙すこともできてしまう。
たとえば、「陰謀論」とか「陰謀論者」という言葉。ここ最近はテレビなどの大手メディアでも何度か取り上げられました。
「陰謀論」とか「陰謀論者」というと、「アリもしないウラを探って騒ぐこと(人)、それで承認欲求を満たそうとすること(人)」というイメージかもしれません。
これもそういう方向に言葉をデザインされてしまっているわけです。
「陰謀論(者)」という言葉は、かなり前からあるようですが、この言葉が普及したのは、実はケネディー大統領暗殺事件のときだそうです。
オズワルドという青年の単独犯というにはあまりにも不自然すぎると騒ぎ出した人たちや世論を押さえつけるために、なんとCIAが「陰謀論(者)」という言葉を流行らせたという「陰謀論」があります(笑)。
まあ、これが本当かはわかりませんが、このことからも言葉がいかに強力かは物語られていると思います。
ちなみに冒頭で今高知県にいるとお話しました。昨日ですが、お客さまのお客さまにインタビューを行いました。弊社の「お客さまインタビューブック」という商品のインタビューでした。
お客さまのお客さまが焼肉店を経営されていたのですが、インタビューでお伺いしたときに目に飛び込んできたPOPに、おいしそうなお肉の写真とともに書かれた商品名がこちらでした。
- 3秒ロース
わかります?これ、めちゃくちゃ秀逸なネーミングだと思います。もうこの言葉のデザインだけで、
- 3秒しか焼かなくていいくらい新鮮なんだ
- なんだか口の中でトロけそう
- 極上の脂でジューシーなお肉なんだろうな
- え?3秒でいいの?食べてみたい!
こんな感情が生まれるくらい、心を動かされる「感じる言葉®」になっています。
そう、「感じる言葉®」になっているかがとても大切。
今回は「名言」という切り口で言葉のデザインの大切さをお伝えしてみましたが、「名言」だと「感じやすい」ということなんですよね。これが「名言バイアス©」の正体です。
なので、企業のタグライン(キャッチコピー的な企業の宣誓文)は名言っぽくなっているわけです。
そして、画(え)からだけでなく言葉からも「感じて」もらうことで、選ばれる(=ブランディング)企業になっていくわけです。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール

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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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