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2月に入りました。忙しい。
何が忙しいって、会食の予定が多すぎる。あと長い出張も2つ予定されてる(ひとつは海外)。
会食を今からお誘いいただいても4月に入ってからになってしまうかと思いますので悪しからず(3月もすでにキツい)。
さて、今週末は選挙ですね。ぜひみなさん選挙に行きましょうね。
このコラムではあまり政治的な発信をしないようにしてきました。しかしいっとき、コロナやそれを含めたメディア、官僚の欺瞞に耐えかねて、3年ほど「コロコロニュース」という、「思想の強い」まえがきをしていたんですね(笑)。
で、それも昨年の春にやめました。理由はネットで情報規制がはじまるという話があったのと、単純にちょー時間がかかるからです。
コラムの本筋にプラスして30分、下手したら1時間は余計にかかっていました。たいへんだったので「あとはみなさん自分で調べて自分で考えてくれ」ということでやめました。
経営者ならありますよね。社員に対して「自分で考えろよ!甘えてんじゃねー!」って言いたいとき(言ってしまったとき)。そんな気分(笑)。
しかしながら今回、今週末の選挙でなんだか怪しい情報をつかんだので一応お伝えしておこうかなと思いました。
原口一博さんと河村たかしさんの政党「ゆうこく連合」が、一部の投票所では「記載されない(されていない)」らしいです。
どういうことかというと、投票を書き込む場所に貼ってありますよね。仕切りになっているところに候補者の名前とか比例選挙用に政党の名前とか。
その中に入っていないんですって。でも、投票できるんですって。
これって明らかに彼らに票を入れまいとする嫌がらせ、圧力ですよね。選挙だけは公平公正と思っていたら大間違いです。
こういうことがもしかしたら他の政党でもあるかもしれませんので、注意して投票しましょう(という注意喚起でした)。
さて本日のお話です。
本日は「保護猫譲渡会」のご紹介です(笑)。
まずはこちらの動画をご覧ください
まずはこちらの動画をご覧ください。保護猫譲渡会の動画。弊社のブランディングパートナー三浦が教えてくれた動画です。
いかがですか?猫、飼いませんか?というのは冗談で、本当に話したいことは違うんです。
動画をご覧いただくとわかるのですが、この保護猫譲渡会は普通のものとちょっと違って、特徴的な猫ばかりを集めています。
それが「シャーシャー猫」。
「シャーシャー猫」ってわかります?人に対して「シャー!」っていって威嚇してくる猫です。で引っ掻いたりと攻撃してきたりして。
まあ、かんたんに言えば「飼いづらい猫」たち。なついてくれないような。
私もいっとき、過去に使っていたMacBookがずっとシャーシャー猫のような音を発していたことがありましたが(笑)、そちらのMacBookさんには引退していただきました。
さて、なんで保護猫譲渡会の動画を紹介したか。当然ながら、ここにブランディングのヒントがあるからです。
イメージが湧くと思いますが、普通はシャーシャー猫を飼いたいと思う人は少ないですよね。人なつっこい猫を飼いたいと思うのが心理だと思います。
なので、普通の譲渡会をやっても、里親が見つかるシャーシャー猫は年間で1〜2匹しかいないそうです。
しかし、この「シャーシャー猫」専門の譲渡会では、その場で6匹が、後日譲渡会を訪れた人によりプラスして2匹が里子としてもらわれていったそう。つまり1回の譲渡会で8匹も。
この効果の差は何なんだ、ということを紐解いてみたいと思います。
仕組みは実はとってもシンプルです。
- ターゲットを解像度がかなり高くなるまで絞った
- ネーミングを変えた
実はたったこれだけなんです。
「シャーシャー猫」は誰にとっての価値なのか?
ブランディングを考える上では、もとい、商売のどんなことを考える上でも「お客さまは誰なのか?」を考えることはものすごく大切なことです。
言い換えるならば、自社や自社の商品、サービスは
- 誰にとっての価値なのか?
ということです。
ここで考えてみてください。御社の商品は「誰にとっての価値なのか?」を。パッと答えるのは難しいのではないでしょうか?
なぜ難しいかには理由があります。
この「誰にとって」、時代の変化により、より細かく細分化されてしまったからです。
このコラムで何度か登場する、
- モノの時代 → デザインの時代 → 色(バリエーション)の時代
というサイクルの中で、モノの時代にあるときは「誰にとって」は多少あやふやでも商品やサービスは売れていきます。
「洗濯してくれる機械」がこの世の中になかったとき、ターゲティングなんて考えなくても売れました。そんな「夢のような」機械、みんなほしいですよね。
しかし、今はどうでしょう。洗濯機を持っていない人なんていますかね?ゼロとはいいませんが、洗濯機はほぼほぼ行き渡ってしまった。
モノが行き渡ってしまうと、「誰にとって」が細分化されはじめます。それを補うために、デザインで本質的な価値を表現しようと試みたり付加価値をつけようとします。これがデザインの時代。
洗濯機ならば、今では、ひとり暮らしの人用とか、家族が多い人用とか、いろいろ細分化されていますよね。今は「色(バリエーション)の時代」というわけです。
これが、「誰にとって」がどんどん細分化されているということです。それをバリエーションで幅広く網羅しようという動きなわけです。
価値は相対的なもの。1万円の重みは人によって感じ方が変わります。こうなってくると、細分化された「誰」の数だけ「価値だと感じるもの」が存在し、多岐にわたってしまいます。
こういう時代は、ビジネスも細分化、専門特化されます。もちろん趣味やら何やらも。なので、ターゲットを考えるのはすごく難しくなります。特に定量的(私の言葉で「スペック的」)な面でのターゲティングが難しくなります。
- 30代女性、独身、OL、彼氏なし
という同じ属性の人でも趣味嗜好、価値観が違うからです。
当たり前のように感じますが、これは意外と「今の時代だから」そうなっていると私は考えています。
昔は上記のような定量的(スペック的)なターゲティングでも十分でしたが、今は定性的(私の言葉で「イメージ的」)な面でのターゲティングも合わせて考えなければなりません。
モノの時代、つくれば売れる時代は定量的なターゲティングさえできればざっくり売れていきますが、細分化された「バリエーションの時代」はそうはいかないというわけです。
しかしながら、だからこそがら空きのポジションがあり、小さい会社はそのポジションさえわかれば、つまり、自分たちの会社、商品、サービスが「誰にとっての価値なのか?」さえわかればオンリーワン=ナンバーワンをつくることができ、ビジネスを成長させることができます。
以前テレビで「今どきの銭湯」というコーナーをやっていました。今どきの銭湯は、さまざまなバリエーションがあるそうです。たとえば、
- デザイナーズ銭湯
- デイサービスとのコラボ銭湯
- こども用プール付き銭湯
- 外国人向け銭湯
などをこの番組では紹介していました。
銭湯業界の「モノの時代」は当然ですがとっくに終わっています。
ガスが普及され、電気が普及され、上下水道が整備され、一家にひとつお風呂が当たり前にある時代を迎えてから、銭湯の「モノ」としての役目はほぼ終わりました。
しかし、その後健康ランドやスーパー銭湯などが登場。モノとして以外の価値を付加しました(付加価値)。
銭湯業界の大きなフェーズでみると、ここがデザインの時代に相当すると考えられます(デザインの時代は付加価値の時代と言える)。
そして、今の銭湯業界はバリエーションの時代。
「誰」の細分化に細かく対応することで、がら空きのポジションを見つけ一部の銭湯が奮闘している状態です。
たとえば、デザイナーズ銭湯はデザインの時代ではなくバリエーションの時代において「デザインは価値だ」と思う人(「誰」)をターゲットにしています。
デイサービスでは利用者さんで入浴に不満・不便がある人が多いです。かといって家での入浴は困難、こういう人やデイサービスにとって、デイサービスとのコラボ銭湯は価値なわけです。
こども用プール付き銭湯なら子供とたぶんお父さんとかにとって価値があると思います。
また、外国人向け銭湯はそもそも銭湯どころか、湯船とかの発想もあまりない(シャワー文化)人たちにとっては、イノベーションですらある可能性もあります。
こうやって、ある人にとっては無価値でも価値を感じる人を見つけてアピールしていく、バリエーションの時代のブランディングはこのような構造になっています。
もっとも、銭湯のように古い業界は実は相対的に価値を出しやすくもあります。そうやって価値を出した商品やサービスを、このコラムでは「進化系」としていくつかお伝えしました(コーラやおせんべい、床屋さん、八百屋さんなどの進化系)。
さて、こう考えたとき、シャーシャー猫の保護猫譲渡会はどうでしょう?
「シャーシャー猫」は誰にとっての価値なのか?
それは、
- 上級猫飼いさん(どんな猫でも育てられる自信がある)
- シャーシャー猫が自分にどんどんなついていくところがたまらない人
などと考えられます。ただの「猫好き」、「猫を飼いたいと思っている人」よりも解像度が高いターゲティングになっています。
ネーミングを変えたら本当に売上が上がるの??(事例を紹介)
「誰にとっての価値なのか」が見えたら、その人たちが価値を受け取りやすいネーミングやキャッチコピー(タグライン)をつけていきます。
- 上級猫飼いさん(どんな猫でも育てられる自信がある)
- シャーシャー猫が自分にどんどんなついていくところがたまらない人
が響く(価値を受け取りやすい)言葉は何だったのか?
譲渡会を運営するNPO法人ねこかつさんがつけたネーミングは「最強の保護猫譲渡会」でした。
こちら、ねこかつさんのサイトから引用させていただいたチラシです。

いいですよね。煽ってくる感じが(笑)。
「ネーミングを変えただけで効果が出るなんてこと、あるかい!」と思っているかもしれませんが、あります。断言できます。
今では定番商品となった伊藤園の「おーいお茶」は、発売当初は「缶入り煎茶」という商品名だったそうですが、「おーいお茶」にしたら売上が6倍(40億)になったそうです。
ベクトルという会社の西江社長という方は、クライアントや出資先の会社名や商品名を変えることで、その会社の株価まで上げることができる(実際に上げた)と以前講演でお話されていました。
高級ティッシュペーパーの「鼻セレブ」は、「モイスチャーティッシュ」という名前で1996年くらいに発売されましたが、当初は高級ティッシュ市場も確立されておらず売れ行きはいまいちだったそうです。
ところが、ネーミングを変えたことによって売れ行きは3割増し、最終的には4倍にまでなったそうです。
「ダイエットコーラ」は「コカ・コーラ・ゼロ」にネーミングを変えてから、欧州10カ国以上で「ダイエットコーラ」時代の売上を上回っているそうです。
ダイエットコーラ時代は以外にも長く、発売は1982年。2005年にネーミングを変えるまで23年も販売していました。
つまり、市場には十分流通され認知もされていた定番商品の売上がネーミングを変えただけで上回ったわけで、すごいことです。
ちなみに、男性購入比率が35〜40%だったダイエットコーラに対し、コカ・コーラ・ゼロは70〜75%だそうです。
つまり、「誰にとっての価値なのか」がネーミングで変わった事例というわけです。
古い事例だと、「ファミコン」などもネーミングの妙がありました。
当時のゲーム機は発売するとせいぜい10〜50万台くらいしか売れませんでした。「誰にとっての価値なのか」の「誰」が「子ども」だったからです。
ファミコンはネーミング(ファミリーコンピュータ)からもわかるとおり、「ファミリー」にとっての価値だと定義しました。結果、国内販売台数は1935万台だそうです。
当時の世帯数からいったら、すごい割合(もちろん一家に数台のパターンもあるけど)。1989年には全世帯の37%に普及したというデータもあるそうです。
老人夫婦しか住んでいない家も一世帯とカウントしますから、実際にターゲットになった世代に対しての割合だと60〜70%らしいです(チャッピーが計算)。そんな商品あります?って感じです。
「中古車」という呼び方を「認定中古車」と変えたのが「世界に誇るトヨタ自動車(たくろう)」です。この呼び方にするだけで、平均販売単価が10〜15%上がったそうです。
保険業界では「営業マン」の呼び方を「ライフプランナー」としただけで、ソニー生命は営業1人あたりの年間保険料が1.5〜2倍、解約率も10%未満という高水準になったそうです。
こんな例は実は枚挙にいとまがありません。私から言わせれば、飲食店のメニュー名なんて、ちょっと工夫しただけですぐに客単価を上げられます。
御社で扱っている商品やサービスをブランディングの観点から見直してみませんか?
やるべきことは、
- 誰にとっての価値なのかを再考する(ターゲティング)
- その「誰」にあったネーミング(場合によってはコピー)をつける
たったこれだけです。ただ、その思考の深さはなかなかのものでもあります。我々がお手伝いしますよ。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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