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ワールドカップの話ですが。。。日本代表、負けてしまいましたね。惜しかった。悔しい。
王国ブラジルをあそこまで追い詰めた日本。しかも個の力ではなく組織力で(いや、とはいえ日本の個も十分すごいといえる選手もたくさんいたけどね)。
ブラジル代表監督やキャプテンのカゼミーロ選手は、対戦相手(日本)に対してのリスペクト(社交辞令)ではなく、本当に苦しんだとインタビューで答えていました。
それぐらい強かった日本。しかし、またもや決勝トーナメントでの1勝が掴めなかった。
本当にラストのラスト、日本の選手は集中力がほんの数秒だけ切れてボールウォッチャーになってしまいました。「ボールウォッチャー」というのは、「ボールしか見ていない選手」という意味です。
サッカーはボールと相手と味方のすべてを見て動くスポーツです。それがあの一瞬だけディフェンダー(特に菅原選手)がゴールを決めたブラジル選手への目線を切った。
最後のシュートは、あとボール半個分ズレていれば入らなかったかもしれない。たったそれだけで、2022年カタール大会直後から積み上げてきた森保JAPANの4年間が終わってしまった。
なんて残酷なんでしょうね。でも、だからこそ感動するという面もあります。その経験があるから強くなるのかもしれません。日本はもうサッカー先進国。強豪国です。誇らしいです。
それにしても、日本代表って劇的な負け方が好きなんですかね(苦笑)。過去の決勝トーナメントを振り返ってみると、
- 2026年:(ブラジル戦)先制するもアディショナルタイムで勝ち越しゴールを決められる
- 2022年:(クロアチア戦)延長のすえ、PKで敗北
- 2018年:(ベルギー戦)2−0から追いつかれ、アディショナルタイムで劇的カウンターを喰らう
- 2010年:(パラグアイ戦)延長のすえ、PKで敗北
- 2002年:(トルコ戦)普通に負けた
劇的じゃない負け方って、決勝トーナメントに限っては日韓ワールドカップのときのトルコ戦くらい。
「ドーハの悲劇」もありましたしね。オリンピック日本代表も入れると他にもあります。いいところまでいってあと一歩が届かない。切ない。
特に2018年のベルギー戦はもう、どんな感情になればいいかわかりませんでしたね。
カウンターの最中は「やめて、やめて、やめて〜、やめてってば!あーーーーーー!!」という感じ。
次の4年、誰が指揮を取るのか、森保さんがつづけるのかはわかりませんが、今の主力のわりと多くが次の大会では年齢的に厳しくなるでしょう。
そのときにまた新しいスーパースターが現れるのか?
では本日のお話です。
話題になっていますね、カルビーのポテトチップスの話。知っていますか?モノクロのポテトチップス。
たまたまうちにもなぜかありました。ヨメのママ友が遊びに来たときに買ってきたらしい。

本日は、これについてのお話。
売れなくなったかはわからんが、購入意向は減ったらしい
中東の石油問題は、日本にもさまざまな被害をもたらしています。建設会社さんなどは材料が手に入らずたいへんなのではないでしょうか。
実は石油問題は食品メーカーにも及んでいます。日本の食品の包装資材はほとんどが石油製品。印刷に使われるインクも石油由来。
そのため、カルビーは印刷コストを抑えるために、インクの使用量を減らしたパッケージ=モノクロ印刷のパッケージで商品を展開しました。
これ、けっこう話題になりましたよね。
で、実際に売れなくなったかというと、その実測値はまだ出ていないらしいですが、思いのほか販売数は落ちていない様子です。
ただ、これはおそらく短期的なものだと思います。長期的には落ちる。
もの珍しいですよね、モノクロパッケージのポテチ。それによりメディアにもよく取り上げられましたから、いっときは販売数はキープ、場合によっては上がったりしたのではないかと推測します。
それでも、このような「好奇心マーケティング(と呼んでいます)」で売れたものはすぐに売れなくなるというのが私の考えです。
もちろん、好奇心を抱かせたうえでユーザーにメリットがあれば売れつづけますが、なければ売れつづけません。「好奇心の正体」が判明したら終わりです。
実際に、日経クロストレンドの記事によると、3000人への調査で購入意欲が激減、湖池屋を下回ったとのこと(有料版なので記事は全部は読めませんでした)。
カルビー側は利益を確保しようとしたのでしょう。でも、長期的に考えたら。。。
つまり、この「ナフサショック」がいつ終わるのかが重要なポイントというわけで、カルビー側は短期に終わると思った、だから話題づくりにもなるし、モノクロパッケージを仕掛けた、といったところなのではないかと推測します。
では、そもそもなんでモノクロパッケージではダメなのでしょうか?
いろいろなメディア(特に経済系またはデザイン系)では
- ブランド体験の価値が〜
- ブランドアイデンティティが〜
- ブランド識別性を維持しながら運用すれば〜
- 「色調の放棄」を強者ブランドだから成立する戦略で〜
とかよくわからん偉そうな小賢しいことを言っていますが(毒)、もっとプリミティブ(原始的)な話だと思うんですよね。
- デザインは人の行動に影響を与える
という、至極真っ当な話だっていうだけでしょ。
デザインが人の行動に影響を与えた事例
デザインが人の行動に影響を与えた事例はいくつもあります。
たとえば色。いつも事例として出しているのが、「コーヒーの味の実験」です。
- 大学生にコーヒーを飲ませる実験
- 「赤」「黄色」「緑」の3色のカップを用意
- 実は中身のコーヒーはすべて同じ
この実験では、多くの学生が、赤いカップに入ったコーヒーが一番美味しいと答え、黄色いカップのコーヒーは「酸っぱい」「酸味が強い」と感じ、緑のカップのコーヒーは「苦い」と感じました。
こんな事例は枚挙にいとまがないわけです。
先日、弊社プランナー相良が、ポストに入っていたこんな書面を共有してくれました。

住んでいるマンションだかアパートだかにネットの高速回線が導入される、そのお知らせの書面。不動産屋さんからのものなのか、大家さんからのものなのか。
相良は実際に書面に書いてあるところに電話しました。
ところがこれ、なんと営業だったそうなんです。「重要」と書かれていたり、正式書面っぽい見た目に騙されて、相良は電話してしまったわけです。
見た目としては、何らかの手つづきをしないといけないように感じますよね。お年寄りなら騙されてしまうと思う。詐欺的です。
でも、これもデザインが行動を変えたひとつの事例なんですね。
FAXDMなんかも、明らかにチラシ感を出すよりも、何らかの正式書面っぽいほうが反応率が上がります。
みんな「読まないとまずいのではないか?重要な情報が書かれているのではないか?」と感じるからです。
その代わり、クレームも増えます。
以前、日経新聞の仕事で、法人向けに「日経新聞を取りませんか」というFAXDMをつくったことがあります。まさにこの手法で行いました。
お客さまである日経新聞さんには、「反応率も上がるけどクレームも増えますのでご了承ください」とあらかじめ伝えてありました。
結果は、「申込みもクレームも過去最高でした!」ということでした。
これも、デザインが行動に影響を与えた事例。デザインの影響により、多くの人が「読む」という行動を取ったわけです。
私の知人の経営者は、請求書のフォント(字体)を、行政や役所から来るような書類とか、電気料金や水道料金の請求書とかで使われているものと同じにしたそうです。
そうすると、明らかにお客さんと支払いの件で揉めることが減ったそうです。つまり、なかなか払おうとしない人が減ったということです。
フォントを変えただけですよ?それくらい、人間は見た目の影響を受けてしまう生き物なんです。
こう考えると、モノクロパッケージのポテトチップスから感じる「違和感」が、長期的に見て販売数に影響しないと考えるほうが不自然だとわかりますよね。
「一見大丈夫そう」が意外とそうでもない
なんで人は見た目、デザインの影響で行動が変わってしまうのでしょうか?
それは、突き詰めればおそらく脳科学的な話になってくると思いますが、もう少し手前の話をするならば、「メリコの法則」である程度解説できます。
メリコの法則は、
- メ:目立つこと
- リ:理解できること
- コ:好感が持てること
の頭文字で構成される、私の師匠である伊吹卓先生が考案した「売れるデザインの原則」となる理論です。
伊吹先生は、この3つの中でも特に重要なのが「コ:好感が持てること」だとおっしゃっていました。
しかし、私はその考えは当時の時代背景(1970〜80年代)が大きく影響していたと考えています。そして、今の時代は「リ:理解できること」がもっとも重要だと考えています。
「リ:理解できること」は、
- 論理的に理解できる
- 直感的に理解できる
の2つに分解できます。
「論理的に理解できる」は、たとえばパッケージデザインなら「〇〇産」「120%増量」など、文言を使って特徴やユーザーメリットをわかりやすく伝えて理解してもらうということです。
対して「直感的に理解できる」は、文字通りパッと見て理解できるかどうか、ということです。
それはたとえば、「〜〜っぽい」「〜〜らしい」という言葉で表現できます。
- オレンジジュースっぽいパッケージ
- 激辛カレーっぽい色使い
などです。
不思議なもので、ここに違和感を感じると、人間は無意識で購入を避けます。
たとえば、「オレンジジュース」なのにオレンジジュースっぽくない色使いとか、カレーなのにシャンプーのパッケージみたいなデザインになっているとか。
これはわかりやすい事例で、実際はそんな下手くそなことをする企業は多くはないのですが、「このくらいは大丈夫だろう」という油断はけっこうあります。
でも、ちょっとしたことでも人間は影響を受けてしまいます。今回のモノクロパッケージなんかはまさにそれだと思う。
つまり、モノクロパッケージは、メリコの法則でいう「リ:理解できること」に問題があるということです。
文字を読めば、「カルビー」とか「ポテトチップス」と書いてある(論理的理解)。でも、直感的には理解できない(ポテトチップスっぽいと感じられない)。
「いやいや、ちゃんと書いてあるんだから大丈夫だろ。消費者はそんなにバカじゃないだろ」
という意見も聞こえてきそうです。
ここで私が昔、伊吹先生につけてもらった修行で行った調査のお話をしましょう。
伊吹先生は「売れる色について調べるように」と課題を出されました。どうやって調べるかについては一切言及せず。
そこで私は、
- ポテトチップス
- 缶ビール
- シャンプー
- ハンカチ
- 男性のパンツ(ユニクロに限定)
の5品目に絞って調査を行いました。
売り場に行き、店員さんに「この中でもっとも売れているもの3つと、もっとも売れていないもの3つを購入したいので教えてください」と伝えて購入。これを全国数カ所で行いました。
奇しくも、ポテトチップスについても調べていたんですね。
ポテトチップスは、クリーム色からだいだい色をメインカラーとして使ったものがよく売れ、食品ではテッパンと言われる赤をメインカラーにすると売れづらいということがわかりました。
また、青や深緑などをメインカラーにするとぜんぜん売れないということもわかりました。正確にはCMYKのY(イエロー)が弱い色、と言い換えてもいいかもしれません。
Y(イエロー)が弱いと、工業製品のパッケージに使われるような、なんとなく「塗料」のような雰囲気になってしまうのです。
そうすると当然ながら、「食べ物っぽくない」と人は直感的に感じてしまうわけです。
ちなみに、これって何っぽく見えますか?

さて、もはや「プレモル」で一流ビールメーカーとなった(?)サントリーですが、調査した当時(2010年ころ)は、「パッケージの色の使い方が下手くそな企業」というのが私の見解でした。
なにせ、プレモルの前身となる「サントリーモルツ」は、売り場によっては「売れない」ほうにランクインしていたほどです。
サントリーのブランド力、「モルツ」としてのブランドの浸透があったからそれですんでいましたが、それがなければもっと売れなかったかもしれません。
で、先ほどの画像です。これ、チャッピーにいじらせて、コピーを変更し商品名を消した画像です。お察しのことと思いますが、当時のモルツのパッケージが元になっています。
ビールとわかる要素を消すと(麦芽のイラストは残してあげました)、私にはカフェオレとか、甘い乳製品の飲料に見えてしまいます。
ビールならではの喉越しとかスッキリ感とかコクとかの「らしさ」を感じづらいパッケージになっていたわけです。
ちなみに実際のパッケージがこちら。

実際に売れないほうにランクインしていたビールは、他にもことごとく「甘ったるさを感じる色」を使用していました。
これとか(やはり売れないほうにランクイン)
これらを総合的に考えて、私は「カルビーだから大丈夫」「あのブランド力なら問題ない」とは到底思えないというわけです。
とはいえ、結果は神のみぞ知る、ですからどうなるかまだわかりませんけどね。
また、「売れる色」「売れるパッケージ」は、時代にもある程度影響されますから、甘そうなカラーリングのビールも今は少しは売れるようになってきているのではないかと思います。
でも、ここ数年の「時代」よりも、何千年と人間が培ってきた「感じる力」のほうが、圧倒的に強力だというのは間違いないでしょう。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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